自衛隊ニュース

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覚悟を胸に学び舎巣立つ 防衛大学校卒業式

「柔軟な発想力と対応力を」

防衛大学校卒業式

写真=訓示に立つ高市首相


 3月14日、神奈川県横須賀市にある防衛大学校(久保文明学校長)で、本科第70期学生385名(うち留学生19名)らの卒業式が盛大に執り行われた。来賓として高市早苗内閣総理大臣、小泉進次郎防衛大臣をはじめ防衛省自衛隊の高級幹部、国会議員ら約630名が参列、卒業生家族ら約930名と共に、この日小原台を巣立つ卒業生の晴れ姿を見守った。


 本科以外には、理工学研究科前期課程第63期学生45名(うち留学生5名)、同科後期課程第22期学生1名、同科後期課程第23期学生9名(うち留学生1名)、総合安全保障研究科前期課程第28期学生10名(うち事務官1名、留学生1名、特別研究員1名)、同科後期課程第15期学生2名が卒業した。

 3月末に退任を迎える久保学校長は、式辞で「日本に万が一のことがあった場合、その対応の中心となるのは皆さんです。国民の安全と生命を守るために奉仕する皆さんの生涯が、やりがいと誇りに満ちたものになることを願うと同時に、皆さん全員が無事に職業人生を全うされることを心よりお祈りいたしております」と餞の言葉を贈った。

 高市首相は今年中の安全保障関連3文書の改訂を見据え、「我が国の領土、領海、領空、国民の皆様の生命と財産を断固として守り抜くために、防衛省・自衛隊の組織の在り方も含め、あらゆる選択肢を排除せずに検討し、防衛力の抜本的な強化に取り組んでいきます」と表明。「我が国の防衛の責任を全うするため、過去の常識にとらわれない柔軟な発想力・対応力を併せ持つこと。これを心掛けて、自己研鑽に励んでください」、「皆さん一人一人が、国民の皆様の命と平和な暮らしを担う砦であるという強い自覚を持ち続けてください」等と訓示した。

「ご家族も日本の宝」

 小泉大臣は、「これまでに学んできた全てが問われるような現場に、卒業後すぐに直面するかもしれません。防衛力の中核は、人であり、自衛隊員です。リーダーとフォロワーという、それぞれの立場からお互いに支え合い、助け合うこと、そして、その信頼関係のもと一人ひとりが自らの能力を発揮することで、自衛隊を最も人を大切にする組織へ、共に変革していきましょう」と訓示。「今日まで試練を乗り越え、卒業を迎えた皆さんを誇りに思います。皆さんは日本の宝です。そして、その皆さんを育てられたご家族の皆さんも、日本の宝です」と労った。

 答辞に立った後期学生隊学生長の大村龍学生は、支えてくれた周囲への感謝を述べ、「この崇高にして誇り高き使命の重さを自覚し、仲間と共にその責務を果たすべく、覚悟を持ってこれからの人生に邁進する所存であります」と力強く決意を述べた。「さらば同志たちよ、解散!」最後は伝統の帽子投げ。4年間それぞれの想いが詰まった無数の制帽が宙を舞うと同時に、喜びを爆発させた卒業生は一斉に外へ駆け出した。

 それから間もなく、陸海空自の真新しい制服と制帽を身に着けた卒業生が講堂に戻ってきた。各幕僚長から自衛官としての任命を受けた陸自166名、海自83名、空自83名は「服務の宣誓」を全員で読み上げ、幹部候補生として、将来のリーダーとしての自覚を胸に新たな一歩を踏み出した。

カナダ国防相と会談
防衛産業間の協業を推進

日カナダ防衛相会談

写真=日カナダ友好の「奇跡の旗」にサインした両大臣


 小泉進次郎防衛大臣は3月6日、カナダのデービッド・マクギンティ国防大臣と防衛省で会談した。小泉大臣は「両国はインド太平洋地域や北極圏等安全保障上共通の関心事があるため、活発な対話や交流は非常に重要だ」と述べ、マクギンティ国防大臣もこれに同意した。会談ではイラン情勢についても意見交換を行った。また、今年1月に両国間で「防衛装備品・技術移転協定」が署名されたことを受けて、防衛産業間の協業を推進するための調整を加速することで一致した。

 会談に先立って、両大臣は「奇跡の旗」にサインをした。この旗は長らく両国の友好のシンボルとして、「女川湾の戦い」があった毎年8月9日の追悼式等において寄せ書きが書き込まれていたものだったが、2011年の東日本大震災で大津波にのまれ不明となってしまった。しかし3カ月後に瓦礫の下から奇跡的に発見され、今も大事に受け継がれている。

ミュンヘン安全保障会議
各国国防相等と認識を共有

ミュンヘン安全保障会議

写真=スピーチに立つ小泉大臣(防衛省提供)


 小泉進次郎防衛大臣は、2月13日から15日の間、例年この時期に各国の首脳や閣僚が安全保障について協議をする「ミュンヘン安全保障会議」に参加するためドイツを訪問した。滞在中は、次期戦闘機の共同開発を進めるイギリスやイタリア、護衛艦「もがみ型」の向上型の早期契約締結を目指すオーストラリア等をはじめ、各国国防大臣等と19回もの対面による意見交換を行った。また、13日にはメインステージでスピーチに立ち、日本が取り組んでいる安全保障・防衛政策を発信した。


防衛交流の新たな扉開く

日韓防衛相会談

日韓防衛相会談

写真=栄誉礼・儀じょうを受ける安長官(右)と小泉大臣=1月30日、横須賀地方総監部


 小泉防衛大臣は1月30日、海自横須賀地方総監部で韓国の安圭伯(アン・ギュベク)国防部長官と日韓防衛相会談を行った。地域の平和と安定の維持のため日韓・日米韓協力を継続することで一致。相互訪問・会談を毎年実施すること、人的・部隊交流を活性化させることも確認した。


小泉大臣地元横須賀で

 日韓防衛相会談の開催は昨年9月に中谷前大臣が訪韓し安長官と行って以来、約5カ月ぶり。

 会談では冒頭、小泉大臣が「私の生まれ育ったこの横須賀で防衛大臣会談を行うのは初めて。新たな日韓防衛交流の扉を開いたと思います」とあいさつ。

 「日韓両国を取り巻く地域の安全保障環境が厳しさと複雑さを増す中、日韓、日韓米の防衛協力はかつてなく重要になっています。地域情勢や防衛協力・交流について率直に意見交換するとともに、信頼関係をさらに深める機会にしたいと思います」と伝えた。

 安長官は「過去を直視しながら現在、未来に向けて意味のある対話を持つ貴重な時間となること、韓日国防協力について素直な意思疎通を行えることを願っています」と応えた。


地域平和と安定維持を

卓球ラリーのように

 地域の平和と安定維持のために協力していくこと、朝鮮半島の完全な非核化と恒久的平和構築に向けた意思も再確認された。

 両閣僚は会談後、卓球台を挟んでスポーツ交流も行った。安長官が趣味としている卓球で親睦を深めた。十数回のラリー(球の打ち合い)も見られた。

 全日程終了後の記者会見で小泉大臣は「安長官との間で、今日のピンポンのようにラリーし続ける相互訪問、防衛相会談を毎年実施することで一致した」と述べた。

 自衛隊と韓国軍との相互理解と信頼増進のため人的交流、部隊交流を行うことも確認された。

 その一環として、陸自幹部候補生学校学生が韓国を訪問し同国陸軍3士官学校学生と交流。また、韓国空軍の曲技飛行隊「ブラックイーグルス」が那覇基地に寄航し、空自の同「ブルーインパルス」との交流を行った。

 約10年間実施していない韓国海軍と海自との人道目的の捜索救助訓練(SAREX)も実施する。

 さらにAI・無人システム・宇宙などの先端科学技術分野の協力を模索するため、防衛当局間での議論も行っていく。


部隊等交流も活性化へ

陸幹候校候補生

韓国訪問し同国陸軍

士官学校生と親ぼく

 陸上自衛隊幹部候補生学校(学校長・香川賢士陸将補)第106期一般幹部候補生BU課程の候補生約400名は1月11日から17日の間、大韓民国研修を実施した。

 候補生たちは7日間の研修の中で、韓国陸軍3士官学校及び非武装地帯(DMZ)を訪問するとともに、史跡研修を行った。

 韓国陸軍3士官学校においては、昨年8月に来日した韓国陸軍3士官学校学生たちと久々の再会を果たしスポーツ交流や懇談を通して交流を深めた。

 非武装地帯においては、臨津閣(イムジンカク)や都羅展望台等を訪ね、国境の緊張感を肌で感じるとともに、国防の重要性を再認識した。

 国際感覚やコミュニケーション能力の重要性を認識するなど、幹部自衛官としての使命感や責任感をさらに醸成し、大きな成果を収めた。

防衛駐在官を激励

防衛駐在官を激励

写真=最後列中央に小泉大臣、右に大和事務次官、左に萬波防衛政策局長。今春派遣される防衛駐在官と共にガッツポーズ(防衛省で)


 1月19日、小泉進次郎防衛大臣は、今春に出国予定の防衛駐在官29名を激励した。防衛駐在官の主任務は、赴任国の軍や他国の駐在武官から情報を得ることであり、加えて防衛装備・技術協力推進のための調整等も行う。今回は新規でブルネイに3海佐、フィジーに3海佐を1名ずつ、増員でフランスに3陸佐、フィリピンに2陸佐を1名ずつ派遣する予定だ。令和7年度末時点で、83名の防衛駐在官が約100カ国の大使館(在勤53)や国連等の代表部で勤務することになる。任期は約3年で家族を帯同する者も多い。小泉大臣は「家庭を守ることや自分自身の心身の健康を保つことは、国を守ることに勝るとも劣らない苦労があります。防衛省として皆さんを全面的に支援していきます」と派遣要員に対し述べた。


隊員とご家族は宝、誇り
防衛大臣 小泉 進次郎

P㈪(大臣)

 あけましておめでとうございます。

 新年を迎えるに当たり、私の決意と抱負を申し上げます。

 私の使命は、国民の命と平和な暮らし、我が国の領土・領海・領空を断固として守り抜くこと、それら任務に当たる隊員とその御家族を守り抜くことです。

 部隊視察の折に触れ、地域の協力団体や、現地の隊員とその御家族の方々から様々な御意見を拝聴する中で、この使命感は、日々強く確かなものとなっています。特に、自衛隊の活動に対する一部の過度な抗議活動や心ない行動により、隊員のみならず、隊員の御家族におかれても肩身の狭い思いをされている現状は、必ず変えていかなければなりません。

 今この瞬間も、国内外の厳しい環境下で、24時間態勢で働いている隊員がいます。国を守り、国民を守る、崇高な国防の使命を担う隊員とその御家族は、国の宝であり、誇りです。こうしたことを含め、国民の皆様にも我が国を取り巻く安全保障環境に対する適切で健全な危機感を共有し、隊員の苦労や貢献も含め、防衛省・自衛隊の取組に御理解を頂くため、私自ら先頭に立ち、迅速かつ分かりやすい情報発信に努めてまいります。

 その上で、安全保障環境が一層急速に厳しさを増す中、戦略三文書の本年中の改定に向けた防衛力の変革、抑止力・対処力の強化のための同盟国・同志国等との連携、そして自衛官俸給表の70年ぶりの抜本的な改定に向けた検討を含む、人的基盤の強化といった取組に、引き続き強い覚悟で取り組んでまいります。

 結びに、読者の皆様の益々の御健勝と御多幸を祈念し、御挨拶とさせていただきます。

ランドパワー・フォーラム・イン・ジャパン

ランドパワー・フォーラム・イン・ジャパン

写真=左から戒田教育訓練研究本部長、ナファレッテ比陸軍司令官、スチュアート豪陸軍本部長、クラーク米太平洋陸軍司令官、荒井陸上幕僚長、ムハンマド馬陸軍司令官、ブランコ比海兵隊司令官、グリン米太平洋海兵隊司令官(12月17日都内)


 陸上自衛隊は12月17日と18日に「ランドパワー・フォーラム・イン・ジャパン(LFJ)」を都内のイベントホールで開催し、産学官、同盟・同志国と相互に知見を共有した。国内の参加者が中心だった前年度までの「陸上自衛隊フォーラム」から名称を変更し、初めてアメリカ・オーストラリア陸軍司令官・本部長による講演やフィリピン・マレーシアの陸軍・海兵隊の司令官を交えたパネルディスカッションが行われる等、国際色を打ち出したものへと刷新した。また、企業展示が倍増しAI(人工機能)や無人機を中心に88社76個ブースが軒を連ねた。荒井芳正陸上幕僚長は、基調講演で「インド太平洋地域のランドパワー(陸上戦力がその地域に及ぼす能力)・ランドフォース(陸上戦力)との連携や、省庁間協力を前提とした産学官の連携が必要だ」と強調した。また陸自は16日から18日にかけて、LFJと並行して、3回目となる「ランド・フォーシーズ・サミット(LFS)」を開催。過去最大となる米豪比馬印5カ国7名の陸軍・海兵隊の司令官・本部長が参加し、多国間陸軍種協力について意見交換等を行った。