パリ五輪(7月26~8月11日)に防衛省・自衛隊を代表して挑んだ自衛隊体育学校(朝霞)の7人の選手が帰国。近代五種競技で史上初、また海上自衛官としても初の五輪メダル獲得を果たした佐藤大宗2海曹をはじめとする3人のメダリストを含む7人が8月26、27の両日、東京・市ヶ谷の防衛省を訪れ、木原防衛大臣らに "凱旋(がいせん)報告" を行った。
(次号9月15日付号でパリ五輪特集を掲載)
メダル銀3個獲得
木原大臣へ帰国を申告
佐藤2曹(近代五種)は海自初の快挙も
高谷1尉(レスリング)新添2尉(柔道)
パリ五輪には体校第2教育課の新添左季2陸尉(柔道班)、高谷大地1陸尉(レスリング班)、石黒隼士2陸曹(同)、蝦名愛梨2陸曹(水泳班)、佐藤大宗2海曹(近代五種班)、内田美咲3陸曹(同)、梶木真凜3陸曹(女子ラグビー班)の7人が出場。
高谷1尉がレスリング・フリースタイル74キロ級で、新添2尉が柔道・男女混合団体戦で、佐藤2曹が近代五種・男子個人でそれぞれ銀メダルを獲得した。
防衛省講堂で行われた帰国報告では木原稔大臣をはじめ、内局、各幕等の幹部約600人が選手たちを盛大な拍手で出迎えた。
選手を代表して、高谷1尉が木原大臣に対し力強く帰国を申告。七嶋剛士体育学校長が成果を伝えた。
木原大臣は「一人一人が世界最高の舞台において全力を尽くすことで日本国民に感動と勇気を届けてくれました。七嶋体育学校長をはじめ各競技(体校各班の)の監督、コーチ、スタッフの皆さんが選手の持てる力を存分に発揮できるよう陰ながらサポートされたことも、大変な貢献であり忘れてはなりません。(選手の)皆さんがますますそれぞれの競技で活躍することを祈っています」と労をねぎらった。
選手は帰国報告に先立ち吉田圭秀統、森下泰臣陸、齋藤聡海、内倉浩昭空各幕長にも表敬した。
このうち、史上初の五輪メダリストが "誕生" した海自(海幕)では佐藤2曹らを齋藤海幕長、北口武史海自先任伍長らが出迎え、慰労し、歴史に残る成果をたたえた。
"有言実行" 果たす
近代五種・男子個人では、佐藤2曹が「歴史を変えられるよう死ぬ気で戦ってくる」という言葉を "有言実行" した。
佐藤2曹はフェンシングのランキングラウンド(総当たり戦)を21勝14敗と勝ち越し、今回が五輪を含む全ての大会で最後の実施となる馬術(障害飛越)もペナルティーなく終え300点の満点を獲得した。
海上自衛官の "本領" を発揮し、水泳(200メートル自由形)も2分04秒21の好タイムで泳いだ。
レーザー銃射撃(5発的中)をランニング(600メートル走、5周計3千メートル)間に行うレーザーランも確実に終え、2位に入った。
レスリング・フリースタイル74キロ級に挑んだ高谷1尉は、2回戦、準々決勝を10点以上の差をつけテクニカルフォール勝ち。準決勝も小差で競り勝ったが、決勝はフォール負けを喫した。
新添2尉は柔道の個人戦女子70キロ級を7位で終え、混合団体戦(男女各3人・3階級出場)に臨み、準々決勝、準決勝を勝利し、日本の2位入賞に大きく貢献した。