自衛隊ニュース
防衛省・自衛隊
地方協力本部
写真=記念撮影に収まる
おはら祭りでPR
<鹿児島>
鹿児島地方協力本部(本部長・川畑信一1海佐)は11月3日、南九州最大の繁華街の天文館一帯で実施された鹿児島県の秋の風物詩の一つである「第74回おはら祭り(鹿児島市)」に参加した。
鹿児島地本が参加した総踊りは、約1万6千人の踊り手が鹿児島を代表する民謡「おはら節」、「鹿児島ハンヤ節」、「渋谷音頭」に合わせて天文館のメイン通りで踊りを披露、多くの観覧者でにぎわいを見せた。
鹿児島地本は地域の方々に自衛隊の認知及び親近感を醸成するとともに、本部員の融和団結を強固なものとするため例年参加しており、今回で25回目となった。
今回は本部長を先頭に、陸自イメージキャラクターまもる君、鹿児島県自衛隊広報大使(岩元みささん、斎藤奈菜香さん、じゃんけんマンさん、Yoko*さん)、陸海空のミニチュア装備品を着用した隊員、自衛官及び事務官等、総勢42人の踊り連を編成し参加した。
踊り連は約60分間、笑顔で踊りきり、沿道の観覧者からの声援に応えるなど鹿児島の伝統行事への参加を通じて、地域に根差した広報を実践し、観覧者に自衛隊の存在を充分にアピールすることができた。
鹿児島地本は、「引き続きあらゆる機会を活用し、多くの県民に自衛隊の活動等を紹介する機会を設け、理解促進及び認知度の向上を図るとともに、部員一丸となって地域振興に貢献する活動にも尽力していきたい」としている。
若松祭りで
<福岡>
福岡地方協力本部(本部長・久田茂将1陸佐)は10月26日、久岐の浜広場及び若松南海岸一帯において若松みなと祭りを支援した。
若松みなと祭りに多くの人々が来場する中、陸上自衛隊第4師団が16式機動戦闘車等の装備品展示を行うとともに、炊事車によるカレーライス200食の炊き出し及び野外入浴セットを設置して来場者に足湯体験をしてもらった。
本会場では、福岡地本と海上自衛隊佐世保地方総監部が共同で陸・海採用広報ブースを開設し、制服の試着体験やグッズ配布を、また、若松港には下関基地隊所属の掃海艇「とよしま」が入港し、一般公開をそれぞれ行った。
装備品の展示では、体験乗車や記念撮影に列ができるほどのにぎわいを見せ、特に若松みなと祭り初の展示となる16式機動戦闘車の前では、記念撮影を楽しむ人々の笑顔があふれた。掃海艇「とよしま」の一般公開には、約1300名が来場した。
来場者からは「自衛隊のカレーを食べられて感激しました」、「MCVはとにかく迫力がスゴイ!」、「掃海艇を初めて目にして、任務の重要さを実感しました」、「日々の献身に心から感謝します」など、多くの好意的な声が聞かれた。
福岡地本は、「あらゆる機会を通して多くの方々に陸海空自衛隊のPRを積極的に実施していく」としている。
訓練終え予備自へ
<京都>
京都地本協力本部(本部長・田方1佐)は10月31日、大津駐屯地で実施された予備自衛官補(一般)に対する最終訓練課程の修了式に参加し激励を行った。
3年という期間の中で50日の訓練を完了した予備自衛官補一同は、堂々たる姿勢で整列。修了式にて、訓練担任部隊の第109教育大隊長は訓示の中で日本の防衛強化について触れるとともに、今後予備自衛官として国防の任に就く彼らに敬意を表した。
返す謝辞では、代表として京都地本から望月利一予備自衛官補がの50日に及ぶ訓練を振り返り「苦しいことも仲間と乗り越え、明日から予備自衛官として国民を守る側に立つ覚悟が出来たことも、指導して下さった全ての方々のおかげであり、本教育大隊で学んだことを忘れずこれからも邁進していきます」と決意を述べた。
行事終了後、望月予備自衛官補は「今日は終わりではなく始まりの日です。有事に備えまずは最初の予備自衛官の訓練に励みます」と語った。
京都地本は、制度区分が変わる中でも間隙無くサポート実施し、予備自衛官等が憂いなく訓練参加できるよう努めていく。
総監が視察
<愛媛>
愛媛地方協力本部(本部長・真部1陸佐)は10月3日、中部方面総監 遠藤陸将による視察を受けた。遠藤総監は、第14旅団長在任中の令和2年10月に旧庁舎当時の愛媛地本を訪れており、今回5年ぶりの訪問は総監として新庁舎での初めての視察となった。
視察には中部方面総監部行政副長・ 本陸将補、人事部長・佐藤1陸佐をはじめ総監部から7名が随行した。地本到着後、庁舎入口で記念撮影が行われ、本部長との懇談に引き続き、会議室において、本部長より愛媛県の特性、募集、援護及び予備自等の現状並びに要望事項について状況報告が実施された。
総監指導では、地本勤務者に対する謝意を述べられた上で「厳しい募集状況ではあるが、総監部として可能な限り支援するので、要望事項があれば遠慮なく方面にあげてもらいたい」として締めくくられた。
庁内巡視では、地本部員に気さくに声を掛けて激励された。本視察の最後に行われた総監と広報官等8名との懇談は、総監自ら司会を務められ、時折笑い声も出るなど終始和気あいあいとした雰囲気の中で進められた。
参加者からの要望事項や昨今の募集環境などに関する忌たんのない申し出に対して総監がその場で即答、又は持ち帰って精査すると回答されるなど、短時間ではあったが大変意義深い懇談となった。
愛媛地本は「総監の激励を受け、募集目標達成に向けて地本一丸となって邁進する」としている。
カレー支援
<滋賀>
滋賀地方協力本部彦根地域事務所(所長・熊畑 勇人2陸尉)は9月19、20の両日、彦根総合高等学校文化祭「創虹祭」において、第3偵察戦闘大隊(大隊長・阪井邦丸2陸佐)のカレー炊出し支援を受け、広報活動を行った。
同高は、彦根地域事務所が学校開拓に最も注力してきた高校。今年5月には、第3偵察戦闘大隊が懸垂下降で石垣の除草をした彦根市が主催する「彦根城クリーン作戦」にも生徒300人が参加し、共同で清掃を行うなど、自衛隊及び地本との連携を深めてきた。
普段、自衛隊に接する機会の少ない高校生と保護者に対して、災害派遣時における活動状況の理解及び認知向上と、イメージアップを図った。
第3偵察戦闘大隊が早朝から準備をし、調理した1日200食限定のカレーはまたたく間に無くなり、生徒や保護者からは「美味しい」、「もっと食べたい」、「将来自衛隊もいいかも」とうれしい声を多くいただき、文化祭終了後にも、同校及び保護者からは「すごく盛り上がりました」、「来年もぜひ参加してください」、「ありがとう」と温かい声をいただいた。
滋賀地本(本部長・𠮷田修造1陸佐)は、今後も学校開拓を積極的に行い、自衛隊に対する理解の促進や、学校との連携強化、募集広報活動の推進に全力で取り組んでいく。
音楽隊に敬礼‼<第25回>
前陸上自衛隊中央音楽隊長 樋口 孝博
机の乱れは心の乱れ
写真=満開のサツキ
師走の大掃除シーズンになりました。
音楽隊には来訪者や見学者が毎日のように来られるため、合奏場や練習室はいつもキレイにされています。ホコリなどの細かいゴミは繊細な楽器の天敵になりますから、屋内では上履きを履き、廊下や階段も日々モップ掛けをしなければなりません。ホールのステージでも、椅子や譜面台をきれいに並べるのは自衛隊音楽隊ならではのこと。だからこそ、美しい姿勢やコスチュームが際立って見えるのです。
音楽隊では他の部隊と同様、訓練施設に私物品を置いておくことはできません。各奏室(個人練習室)やアンサンブル部屋(小編成練習室)は、カラオケボックスのように何も置かないのが理想的です。しかし毎日のように使用する場所ですから、どうしても教則本や消耗品が置かれたままになることも。そのため、年末には大掃除をして総点検を受けるのです。それでも時間が経つとモノは徐々に忍び寄ってきます。そこで、隊員たちの気持ちが一新される隊長交代のときに、ここぞと断捨離をすることもあります。
楽器や制服も国からの貸与品という意識が徹底されていますので、ステージに立つ前後はキレイに整備しておくことが音楽隊員のたしなみです。また、「人に見られる」という意識も服装や気持ちの整理整頓に影響を与えます。音を整理しながら皆の心をひとつにして、美しいハーモニーを響かせることが音楽隊員としての信条ですから、身のまわりの整理整頓は当然のことになります。「机の乱れは心の乱れ」という言葉がありますが、どの音楽隊も環境の美化を心掛けながら健全に活動していることと思います。
音楽隊が演奏のために移動するのは常のこと。たとえ夜遅くに戻っても、衣装と楽器を下ろし、空っぽの車内を清掃してから解散します。なかでも中央音楽隊には特別儀仗用と演奏用の服装があり、それぞれに夏服・冬服が貸与されています。しかもそれに合わせた帽子や靴、ネクタイがあるので、常にロッカーを整理整頓しておかなければなりません。翌朝の出発前に「帽子が違う?」と、探しまわるわけにはいかないのです。時には服装にばかり気を遣いすぎて、「楽器を忘れた!」なんてこともありました。
トラックに積む楽器や備品は「積載係」の隊員が活躍します。まず各パートの楽器を集計し、積載サイズを見積もります。打楽器やコントラバス、ハープなどの大型楽器はケースで模型を作り、効率的に収納するシミュレーションまで行います。そのミーティングはパズルゲームをしているようで、見ていると微笑ましくなってきます。演奏会場に向かう際は積載係自らが指示を出し、楽器を綺麗に整頓しながらトラックに積み込んでいきます。「次!ティンパニー」「ケガしないように!」などとテキパキと誘導する声は、まるで引越し業者さながらです。
朝霞駐屯地に所在する、中央音楽隊と東部方面音楽隊の間には「音楽広場」と呼ばれる訓練場があります。ここでは式典演奏やマーチングの訓練が行われるため、常に清掃や草むしりをして環境を整えます。また、中央音楽隊の正面玄関前には「ト音記号」をかたどったサツキの木が整備されています。春にはピンク色の美しい花が咲き、ヘリコプターのパイロットからは「空からもよく見える」と言われるほどです。根元にはカルガモが卵を産むこともあるため、手入れは慎重に行います。前夜に華々しい演奏会を終えた音楽隊員たちが、翌朝に迷彩服で土いじりをする姿は多少違和感を覚えますが、この野外作業が日々の緊張感から解放された自然と親しむ息抜きにもなるのです。
音楽の世界では、「演奏会などの本番があるから練習する」というだけでは技術の向上が望めません。地道なデイリートレーニングがあってこそ、その向上が期待できます。整理整頓も同じことで、毎日の小さな掃除と整頓が環境を整理して心を豊かにしてくれるものだと思います。