自衛隊ニュース

ゲッキーのイラスト

防衛ホーム
スポーツ部

写真=合原1曹(左から2人目)ら佐世保Aチーム(左端から3人)=12月7日、明治神宮弓道場

   ㊨団体戦2位の防大A、㊦矢渡を行う中川3佐


佐世保A、団体戦制す

50回大会に200人集い

全自弓道

 「第50回全自衛隊弓道大会」が12月7日、東京都渋谷区の明治神宮至誠館第二弓道場で開かれ、全国から隊員・隊友約200人が出場。団体戦は佐世保が優勝、個人戦の五段以上も佐世保の合原慧1海曹が制した。


 張り詰めた静寂の中、緊張感を解き放つように射られた矢が、「ヒュン」と風を切って飛んだ。

 近的競技(36センチ霞的、射距離28メートル)で競われた。一人4射ずつ2回に分けて8射を放ち、個人戦はその的中数、団体戦A(3人制)は3人の合計の的中数を競った。

 開会式で全自衛隊弓道連合会会長の廣瀬律子内局人事教育局長は、「弓道の修練を通して徳操の涵養と心身の鍛錬を行い、任務達成の資となるよう励まれている姿に心から敬意を表します」とあいさつ。

 続いて、同連合会理事長の中川直樹3陸佐(教士七段)によって「矢渡」が行われ、競技が開始された。

 団体戦Aは、佐世保Aと防大Aが15中で並び、優勝決定戦の射詰(いづめ)競射=勝敗が決まるまで射を続ける=により、佐世保Aが制した。

 「射道」(射の動作などを評価する)を競う団体戦Bは入間Aが最優秀、佐世保Aが優秀を獲得した。

合原1曹2冠

 個人戦のうち五段以上の部は、合原慧1海曹(佐世保)、井上誠彬3陸曹(宇治)、中川直樹3陸佐(市ヶ谷)が6中で並び、決定戦の末、合原1曹が団体戦に続いて優勝を決めた。

 五段以上の部優勝者が務める「納射」も見事的中させた団体・個人戦「2冠」達成の合原1曹。

 「後半(の4射)に少し乱れた。安定した射と、緊張しないような精神面の強さをさらに目指したい」と語った。


◇全自弓道成績

 【団体戦A】①佐世保A②防大A③横須賀A

 【同B=射道】最優秀=入間A、優秀=佐世保A、優良=横須賀A

 【個人戦】▽五段以上①合原慧1海曹(佐世保)②井上誠彬3陸曹(宇治)③中川直樹3陸佐(市ヶ谷)▽三・四段①迫田健吾学生(防大)②坂井弘樹3陸曹(佐世保)③八戸祐輔3空曹(三沢)

 ▽初・二段①光武総一郎学生(防医大)②山岸司1空曹(那覇)③太田征秀1海曹(横須賀)▽女子①川面まい学生(防大)②渡邉陽南学生(防医大)③桑原里美主事(宇治)



対馬、ソフトボールで交流

 対馬駐屯地(司令・山田憲和1陸佐)は11月22日、対馬島内官公庁ソフトボール大会に駐屯地修親会と曹友会で編成した合同チームで参加した。

島内官公庁と

 全国的に珍しい官公庁対抗のソフトボール大会は離島ならではの恒例行事で、昭和57年度に始め、今年で通算51回大会となる。平素からの官公庁間の連携強化により、災害派遣や各種事案の迅速な対応などに役立っている。

 対馬駐屯地の初戦は、強豪チームの振興局を相手に5点差に引き離され負けを覚悟していたが、最終回に一挙6点を奪うサヨナラで辛くも勝利した。

 決勝トーナメント準決勝は航空自衛隊に5対2で勝利。勢いに乗った対馬駐屯地チームは、今年度幹事官庁の対馬南警察署との決勝戦も1、6回に大量得点するなど10対2で勝利し、大会史上初となる2連覇を達成した。

 島内官公庁の交流と顔の見える関係構築をより一層広げるとともに、各官公庁の連携強化が島民の安心・安全につながることの重要性を再認識できた。


百里准曺会

地引網引く

 百里基地准曹会は大洗サンビーチでこのほど、百里基地幹部会と合同で地引網体験会を開催した。

 天候にも恵まれ、隊員とご家族合わせて200名を超える方々が参加。参加者みんなで力を合わせて網を引き上げると、クロダイが10匹以上、イワシも大漁に獲れた。魚を手に笑顔を見せる子供達の姿が印象的だった。

 参加者からは「家族で楽しく体験できました」、「夕飯でおいしくいただきました」など喜びの声を頂き、役員一同、大変うれしく、楽しい一日を過ごすことができた。

 基地准曹会は今後も、皆さんに楽しんでいただける企画を実施していく。

 

音楽隊に敬礼っ‼<第26回>
前陸上自衛隊中央音楽隊長 
樋口 孝博

音楽家への登竜門

写真=全国音楽大会のチケット


 昨年末、陸自中央音楽隊副隊長の柴田昌宜2等陸佐が、ポーランドのワルシャワで行われた国際指揮者コンクールで1位を獲得したという嬉しいニュースが飛び込んできました。絶対評価の音楽コンクールでは、〝1位なし〟ということもありますから、これは金メダル獲得と同等の快挙といえるでしょう。また、公務員として安定した職業にある自衛官が、より高みを目指してチャレンジをするという姿勢も賞賛に値します。

 音楽の世界では、大学院卒や海外留学をキャリアにもつ若者が多いので、音楽家として本格的に活躍していくためにはコンクール〝上位入賞〟というブランドは必須となります。いくら素晴らしい演奏技術を持っていたとしても、その実力を人々に周知してもらうためのマーケティングツールが必要になるからです。また、〝数億円と数万円のバイオリンを聴き分ける〟というテレビ番組があるように、一般の人が音の優劣をつけることは難しいものです。コンクールでの冠は、「著名な有識者が選出した人なら間違いない」「あのコンクールで入賞したのなら実力は保証されている」との評価を広く得ることができるのです。フランスやイタリアで料理のアルバイトをしていても、〝ヨーロッパで研鑽した本場の味〟という店を日本に出店することは可能でしょう。しかし音楽の世界は、海外での活躍やコンクールへの参加が最初の登竜門であり、その後も技術の研鑽を続けながら人脈を広げていかなければなりません。自衛隊においても、〝音楽大学を出ているから〟というだけで音楽隊に所属できるわけではありません。

 音楽コンクールは、一般的に「演奏部門」「作曲部門」「指揮部門」などがあります。音楽隊員も「演奏部門」に多くチャレンジしていますが、一次予選、二次予選と続くなかで本選まで選出されるのはごく稀のことです。なかでも、一流大学を卒業してから音楽大学で指揮を学ぶ学生がいるほどの「指揮部門」はたいへん厳しいもの。私も第12音楽隊長当時〝ルーマニア国際指揮者コンクール〟を受けましたが、弦楽四重奏を指揮した一次予選はなんとか通過できたものの、オーケストラの指導や弦楽器への編曲が課題の二次予選であえなく撃沈し、ツーリストと化しました。余談ですが、この時は師団長から「ルーマニア軍内に宿泊したらどうか?」との提案もありましたが…、丁重にお断りしました。

 自衛隊には優劣を競う〝競技会〟がありますが、音楽科には技を競う旨の競技会はありません。スポーツと違い、音楽は数字で計るということが甚だ難しいからなのです。しかし音楽隊では唯一、1964年の東京オリンピックを目途に始まった「陸上自衛隊全国音楽大会」があります。中央音楽隊と各方面音楽隊が防衛庁でパレードを披露し、その後日比谷公会堂において大演奏会が行われました。ここでは中央音楽隊を除きコンクールの形式がとられ、各隊は45名の編成で技量を競い、優秀団体はNHKの人気番組「それは私です」にも出演したそうです。隊員の技能向上と情報共有など、多大な成果をあげていたそうですが、回を重ねる毎に名称・要領が代わり、昭和の末にはその姿を消してしまいました。まだまだ個々の演奏技術が低かった時代、お互いに演奏を披露してモチベーションを高めていったのは素晴らしいことですが、それは昔のこと。

 現在の音楽隊員は、高度な技量を持って音楽隊員への登竜門を通過し、階級に応じた教育訓練も受けています。音楽隊は技能を披露することが仕事ですから、競技会がなくても自立心に長けており練習を怠ることはありません。そして「コンクールにもチャレンジしてみようか?」というロマンを持ちながら、日々自分の演奏技術を高めている若者もたくさんいるはずです。

 音楽家の称号を得た音楽隊員たちは、年末年始の休暇期間中にあっても自己研鑽を積んでいることでしょう。今年も数多くのチャレンジを期待しています。

紙面一覧
紙面一覧
close