自衛隊ニュース
先任伍長経験者採用の
ご案内パンフレットについて
海上自衛隊は、「先任伍長経験者の採用のご案内」としたパンフレットを発行している。先任伍長経験者の採用メリット、先任伍長制度の説明や主な役割の記載とともに、先任伍長経験者の採用を行なっている企業さんのコメントも掲載されている。それは、株式会社エヌ・エス・アールの松村義弘代表取締役社長だ。 更にお話を伺いたくインタビューをさせていただいた。
なぜ海上自衛隊を定年退職した方を採用しようと思ったのですか?
「基地への立入申請や自衛隊に対する書類の準備、また、命令系統や自衛隊用語など我々では分かりづらい自衛隊の基本的知識をお持ちであるので、即戦力で活躍してもらえるからです。会社で自衛隊の基本的知識を一から教えるのは時間もコストもかかります。また、チームワークの作り方、集団での仕事の仕方など、民間でも必要とする素養をお持ちだからです」
その中でなぜ、先任伍長経験者なのですか?
「まず、先任伍長経験者は上下間とのコミュニケーションの取り方が上手だということ。これが上手くいかないと仕事にならないのです。そして、これからも多くの方々に来てもらいたいので色々教えていただきたいからです。また、先任伍長は術科から離れてしまい、退官後の不安をお持ちの方もおられると聞きます。後に続く先任伍長らへ『理解している民間企業もあるから安心して先任伍長として活躍してほしい』というメッセージでもあります」
海自先任伍長、統幕最先任を務められた関秀之さんが御社におられますが、『こういう所が流石だな』と思われることはどんな所ですか?
「関さんに出会って、こういう方が『海自先任伍長』なんだなと思わされました。なので、もっと『先任伍長』に来ていただきたいと。それは、部隊に行くと海曹士の方々が、「兄弟が来た」、「帰ってきた」というリアクションで、暖かく迎えてくれる姿がすごいです。また、あちらこちらで個人的な会話が展開されるんです。これは、海曹士だけでなく幹部とも同様。すごくいいなと思っています。それに横の繋がり、縦の繋がりのネットワークの単位が細かくてびっくりさせられています」
他の企業さんにメッセージをお願いします。
「防衛産業の皆さま方は、防衛省自衛隊に少しでも貢献したいと、装備品や修理などのサービスを提供されていると思います。すごく応援しているし尊敬しています。そんな中で笑顔が大事だと思っています。自衛隊を務め上げた方々が新しい生活をしていく上での不安を少しでも取り除き、笑顔で退官まで過ごしてほしい。そのために我々は退職自衛官の再就職である『援護』をしっかりしたものにしていきたいです。非常に厳しい安全保障環境ですが、日本を守るとなった時に『援護』も大切な要素だと思っています。日本を守る一つの貢献として、他の企業さんたちとも一緒になって頑張っていきたいです」
インタビューを通して、下記を現職自衛官に伝えたい。「『先任伍長』を理解している企業も沢山いるので、安心して先任伍長として頑張ってほしい。」「自衛隊を辞めたあとでも企業は応援するという姿勢を伝えたい。出口を大切に笑顔で過ごしていってほしい。」「民間企業は応援してくれているから、先任伍長になる志を持ってほしい。」また、企業さんにも「民間企業も『先任伍長』という存在をもっと知ってほしい。」「『先任伍長』は、コミュニケーション能力がものすごく高く、一緒に働くと感じられる、現場に寄り添う姿勢がカッコいい。」ということをもっと理解してほしい。『先任伍長』の原点は、現場に行って、寄り添って、話を聞く。そして現場の苦労をちゃんと指揮官に伝えること、伝えるにも現場を知らないと伝えられない、現場の苦労をわかっているからこそできる先任伍長業務であり、それが『先任伍長』なのだと改めて思った。
機略縦横(108)
良薬は口に苦し
教育航空集団先任伍長
准海尉 前田浩一郎
突然ですが、皆様は「日常五心」という言葉をご存じでしょうか。日常五心とは「はい」という素直な心、「すみません」という反省の心、「おかげさま」という謙虚な心、「私がします」という奉仕の心、「ありがとう」という感謝の心です。
最近、この「日常五心」について考えることがありました。人間、年を重ねると余計なプライドや面子が凝り固まって、判断や言動を間違えることが往々にしてあります。また、せっかく忠告してくれても意固地になって反発してしまい、余計な争いに発展することもあります。「良薬は口に苦し」と言われますが、まさにその通りで、耳に痛い忠告こそ素直に「はい」と受け入れなければ、物事を正しく進めることができませんし、自身を成長させることもできません。自分は、まだまだ未熟者であるという謙虚な心を持ち、自身が嫌われることを厭わずに忠告してくれる方に感謝する。そして、自分が間違っていたら反省して謝る。これらは当たり前のことですが、意外とできていなかったなと自分を振り返る今日この頃です。