自衛隊ニュース

音楽隊 奏で 歌う
写真=開始に先立ち国歌を斉唱する水上3曹
西方音 絆深める
陸自西部方面隊(隊長・稲積3陸佐)は6月14日、「地域とともに70年。守り続ける未来のために」をキーメッセージとして熊本県立劇場にて「第52回定期演奏会」を開催した。約1200人の観客は隊員たちの熱演に魅了され、大きな拍手を送った。
西部方面音楽隊は、西部方面隊創隊70周年に相応しい「バンドのためのゴジラファンタジー」、「ALWAYS 三丁目の夕日」、「エヴァンゲリオン・ウィンドシンフォニー」など過去から未来につながる全11曲を演奏。
これに合わせてスクリーンに投影された九州・沖縄地域との70年の絆を物語る映像に、多くの聴衆が感涙を拭った。
特に注目を集めたのはソプラノ歌手、水上珠奈(まりな)3等陸曹による童謡「この道」「赤とんぼ」の演目。清らかな歌声が会場を包み込み、聴衆の心を大きく揺さぶった。
水上3曹は「音楽を通じて地域の皆様と心を通わせたいという思いを込めて歌いました」と語った。
演奏会は多くの来場者に感動を届け、地域との絆を一層強めた。
1音 生徒と共に
第1師団は7月24日、公益社団法人王子法人会と共催し北とぴあ「さくらホール」で第4回王子コンサートを実施した。
本コンサートは募集対象者をはじめとする地域住民や幅広い年齢層の方々に対して、自衛隊の魅力を伝えるとともに、地域との交流を目的として開催された。
2部構成で実施。第1部では第1音楽隊による単独演奏が披露され、高度な演奏技術と多彩な楽曲で観客を魅了した。幕間には東京地方協力本部から自衛官募集に関する案内が行われ、また会場入口では装備品展示や広報写真展も同時に実施され来場者に対して自衛隊の活動への理解を深める機会が提供された。
第2部では、駿河台中学校・高校及びサレジアン国際学園中学校・高校の吹奏楽部と合同で、人気アニメ「鬼滅の刃」からメドレー曲を演奏し、若者を中心に会場のボルテージは最高潮に達した。
演奏後には惜しみない拍手が送られた。鳴りやまぬ拍手に応え、出演者全員によるアンコール演奏が行われ、感動と熱気に包まれたまま閉幕した。
5音 「第40回」を
第5旅団(旅団長・岸良陸将補)は7月5日、釧路コーチャンフォー文化ホールにおいて「第5音楽隊(隊長・武藤2尉)第40回ファミリーコンサート」を行った。今回は「音の架け橋」をテーマに釧路市で開催した。
2部構成で行い、第1部では今年度の全日本吹奏楽コンクールの課題曲を吹奏楽部の学生たちを前にその技術力の高さを披露。今年で定年退官を迎える釧路市出身の佐藤曹長によるトランペットソロでは、42年間の自衛官生活で積み重ねた技と熱い思いで会場を感動させた。
第2部の開始に先立ち帯広地方協力本部釧路出張所(所長・西谷内1尉)による軽快なラップパフォーマンスで自衛官募集を呼び掛けた。
2部では、流行曲やハリウッドメドレーなど耳なじみのある曲を演奏。中村3曹によるアルトサクソフォンソロでは、感情豊かな演奏と圧倒的な技術力で来場者を魅了した。
富田士長のシロフォンソロでは、ステージ上を動きながら演奏するという打楽器の超絶技巧を披露し会場を沸かせた。
アンコールでは「明日はいい日になる」を4名の隊員が熱唱し、その後、事前応募いただいた来場者約50名と音楽隊との共演により「星条旗よ永遠なれ」を演奏し、来場された800名を超える地域の方々へ音の架け橋を見事に完成させてコンサートを終えた。
1特音 「市民と」
北千歳駐屯地(司令・井上陸将補)は7月5日、北ガス文化ホール(千歳市民文化センター)において第1特科団創隊・北千歳駐屯地開庁73周年記念行事の一環として第1特科団音楽隊(隊長・佐野曹長)による「ユーカラコンサート2025」を開催した。
コンサートは「市民とともに」を合言葉に開催。千歳市立千歳中学校吹奏楽部との合同演奏を含めた躍動感あふれる曲など合わせて12曲を披露し、約450名の観客に楽しんでいただいた。
また、札幌地方協力本部千歳地域事務所によるマスコットキャラクター「モコちゃん」のPR活動により若年層の関心を深めることができた
12音 Мサンボも
第12音楽隊は6月28、29日の両日、千曲川信州の幸あんずホールにおいて長野地方協力本部創立70年記念行事支援を実施した。
「学生たちが吹奏楽を楽しみながら、演奏技術の向上を目指す」をコンセプトとし、28日は千曲市内中学校4校の吹奏楽部員に対し演奏指導を実施した。
29日には12音が演奏を披露し、多彩な音色を響かせた。32度という真夏日だったが、制服試着や屋外での装備品展示も行い、吹奏楽部の学生を中心に好評であった。
学生からは、「演奏指導やホールでの発表という普段経験できない体験ができてよかったです」などの言葉があった。
旭川地 演奏指導
旭川地方協力本部(本部長・中尾1佐)は陸自中央音楽隊(隊長・志賀1佐)が計画する北部方面隊区内巡回演奏の場を活用し、広報活動を展開した。
巡回演奏は、聴衆の心に寄り添った楽曲を通して、自衛隊への親近感と信頼感の醸成を図ることが目的。
巡回演奏は7月26日の富良野市(富良野文化会館サンエーホール)からスタート、上富良野地域事務所はブースを運営し広報活動を展開した。
27日は、旭川市立永山南中学校吹奏楽部に対し演奏技術指導を行った。同校吹奏楽部は全日本吹奏楽コンクールで昨年を含めて金賞を5回受賞する強豪校。生徒たちは自衛隊最高峰の隊員たちからアドバイスや手解きを受けさらなる進化を図った。
生徒たちへの最高のプレゼントとなったのは、同校体育館で行われたミニコンサート。体育館は一般開放され保護者等約200人が訪れ高度な演奏に耳を傾けた。
演奏後半では隊長の志賀1佐が指揮を執り、「晴れたらいいね」をボーカルユニットのCBボーイズが熱唱。最後は「情熱大陸」を演奏し、ソプラノサックスと木琴の掛け合いに体を揺らしながらリズムを取る生徒たちも散見され、ミニコンサートは最高潮へ達した。
顧問の山口先生は「スーパースター軍団に来ていただき光栄でした。レッスンでもみるみる生徒たちの音が良くなっていくのが分かった。ミニコンサートでも久しぶりに鳥肌が立ち夢のような時間でした。コンクールへ向けて大きな励みになりました」と感想を語っていた。
札幌地 積極PR
札幌地方協力本部(本部長・栗田昌彦1等陸佐)は7月29日、札幌コンサートホールKitaraで開催した「陸上自衛隊中央音楽隊スペシャルコンサート」において広報活動を行った。
中央音楽隊は1951年6月、陸上自衛隊の前身である警察予備隊の音楽隊として発足し、以来70年以上にわたって日本を代表する吹奏楽団として歴史を積み重ねている。「伝統を奏でる。」をテーマに演奏は行われた。
広報ブースには約400名が訪れグッズ等の配布、アンケート収集、各種制度説明を行い、音楽演奏への称賛や広報活動に対する応援の声を多くの方々から頂くことができた。
本活動にあたり、南部地区隊の広報官と募集課が一体となり、希望者に対する自衛隊の説明やパンフレットの配布、イベント案内のアンケート収集を行うなど自衛隊や札幌地本の活動にご理解を頂いた。
陸中音 雨中の待機
8月1日、防衛省儀仗広場で行われた森下前陸上幕僚長の離任行事。台風の影響による大雨の中、第302保安警務隊と中央音楽隊の特別儀仗隊は開始10分前には整列して待機していた。強烈な雨風に耐え、微動だにしない彼らの姿にプロ根性を見た。行事が始まる頃には雨風は止み、見事な儀仗と演奏で森下前陸幕長を送り出した。