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佐賀駐屯地で開設記念式典
南西地域の守り
より強固に
写真=大臣の訓示を聞く隊員たち
9月7日、「佐賀駐屯地開設記念式典」が同駐屯地の第3格納庫で盛大に行われた。佐賀駐屯地は平成26年、防衛省が佐賀県に輸送機オスプレイの配備を要請してから11年の歳月を経て、7月9日に佐賀空港の西側に新設された。その日以降、陸自のV22オスプレイの移駐が順次行われ、8月12日に木更津駐屯地に暫定配備されていた全17機の移駐が完了した。今回の配備で、隣県の相浦駐屯地に拠点がある水陸機動団(長崎県佐世保市)との一体的な運用体制が本格化することとなり、喫緊の課題である南西地域を含む島嶼防衛能力の強化に期待がかかる。
式典には来賓として部内から中谷大臣、金子政務官、大和事務次官、荒井陸幕長、小林陸上総隊司令官、福田佐世保総監、田崎西部航空方面隊司令官らが、部外から佐賀県知事、佐賀市長、地元選出国会議員、有明海漁協組合長、在日米軍らが約150名出席した。会場の四方にはオスプレイが5機展示され、駐屯地隊員約420名のうち約280名が参加した。
輸送航空隊長兼ねて佐賀駐屯司令の青山佳史1陸佐は、隊員に対して「佐賀を愛し、佐賀に愛される駐屯地を目指す」と述べ、「その際、オスプレイの運航には、安全管理、事故防止や騒音対策、周辺の農業・漁業への影響を十分に配慮することが重要だ」と呼びかけた。来賓に対しては「全隊員、使命の完遂のために精励努力することをお誓いします」と表明した。
中谷大臣は訓示で「水陸機動団との一体的運用で、南西地域への迅速な機動展開を可能にする体制が整い、南西地域の守りがより強固になる」「高い機動性は災害救援、急患搬送に非常に有益だ」とオスプレイ配備の意義を強調した。
佐賀県知事の山口氏は「飛行の安全性を追求し、説明責任を果たしていく真摯な姿勢が大切だ」と求めた。また、「自衛隊と地域が互いに敬意を持って共生する、輝かしい未来志向の関係をこれから一緒に作っていきましょう」と訴えた。
式典後、中谷大臣らがオスプレイで約10分間、有明海上空をフライトした。大臣はその後の会見で「機体は非常に安定性があった。音も意外と静かだった」と安全性をアピールした。
9月11日から日米共同訓練「レゾリュート・ドラゴン25」が行われ、輸送航空隊のV22オスプレイも米軍のMV22オスプレイと共に参加する。鹿屋航空基地を航空基盤として、人員・物資輸送、患者の後送等の訓練を実施をする予定だ。
佐賀駐屯地に初出荷
<関東補給処>
写真=初出荷を見送る隊員
関東補給処航空部は8月1日、佐賀駐屯地へ移駐した輸送航空隊に対する補給品を初出荷した。
輸送航空隊は8月中旬を目途に、暫定配備されていた木更津駐屯地から佐賀駐屯地への移駐を行っていた。輸送航空隊の佐賀駐屯地への移駐完了後、航空部が保管している整備用部品及び器材の一部を8月下旬以降に輸送航空隊が受領できるように出荷したものである。
航空部は本年4月以降、輸送航空隊及び補給統制本部と連携を図りながら出荷準備を進め、初出荷においては19品目・33点の補給品を発送し、残りの補給品9157品目・77035点については9月下旬にかけて順次発送を実施し、引き続き輸送航空隊の運用基盤の維持に貢献する。