自衛隊ニュース

令和7年度遠洋練習航海部隊が出国
中南米を中心に7カ国11寄港地を訪問
写真=「かしま」に乗り込む初級幹部たち
6月13日、令和7年度遠洋練習航海部隊(司令官・渡邉浩海将補)の出国行事が、来賓・家族等約600名が見守る中、横須賀基地逸見岸壁で行われた。3月に江田島の幹部候補生学校を卒業した初級幹部約190名(うち女性約30名)を含む約580名は、練習艦「かしま」(艦長・池田忠司1海佐)および練習艦「しまかぜ」(艦長・小城賢一2海佐)で約5カ月間、中南米を中心に7カ国11寄港地を巡る。
日本国の代表として
本田太郎防衛副大臣は訓示で「将来、海上自衛隊の中枢を担う幹部自衛官としての素地をこの航海で確立することを強く希望する」と述べた。英利アルフィヤ外務大臣政務官は祝辞で「寄港地での様々な交流行事や親善訓練を通じて、我が国と各国との関係がさらに強化されることを強く期待する」と述べた。齋藤聡海上幕僚長は壮行の辞で、「日本国の代表であるという誇りを胸に、帰国の日まで全力を尽くしてくれることを願う」と要望した。また乗員に対しては「『将来の海上自衛隊を担う人材の育成』という誇り高い任務に誠実に取り組んでほしい」と要望した。
艦内環境を改善
晴れて鹿島立ちの日を迎えた初級幹部たち。期待と不安でいっぱいなのは家族も同じだ。「しっかりやってこいよ!」「無事に帰ってこいよ!」家族らの激励に、精一杯の帽振れで応えた。
海自では、昨今の募集難を受け、艦内での環境改善にも取り組んでいる。昨年度から衛星インターネットサービス「スターリンク」を導入、艦内でのネット環境が格段に向上した。私物のスマートフォンで家族との連絡も取りやすくなった。
米海軍主催の共同訓練に初参加
69回目となる今回の遠洋練習航海は、アメリカ、ブラジル、アルゼンチン等中南米を中心に寄港する。創立250周年を迎える米海軍が主催する多国間共同訓練「UNITAS」に、海自の部隊として初めて参加する。総航程は約5万6000キロ。帰国は11月12日の予定だ。
海自横須賀サテライトベースがオープン
市民と海自の懸け橋となる場に
写真=「おおすみ」の大型模型を紹介する真殿総監
海自横須賀基地から近く、京急線汐入駅前の商業施設「コースカベイサイドストアーズ」の5階に、「海自横須賀サテライトベース~海自特別展~」が6月14日から期間限定でオープンした。
この企画は、横須賀地方総監・真殿知彦海将の「地元の人にもっと海上自衛隊を知ってほしい」という想いと、開業5年目を迎えたコースカベイサイドストアーズ側の「地域の方々と親睦を深めていきたい」との想いが一致して実現したもの。
海幕から「おおすみ」の大型模型を移設
「この横須賀でも海自を知らない人は結構いらっしゃるんですよ」と真殿総監。
目指したのは「誰でも入りやすく、海上自衛隊の魅力が伝わる空間」。会場に入るとまず、普段の訓練・災害派遣・国際交流・処遇改善といった、海自の活動や取り組みを紹介する多数のパネルが目に飛び込む。右手スクリーンには広報動画が上映されていた。総監自ら「これは凄いですよ」と案内してくれたのが、市ヶ谷の海幕広報室にあった輸送艦「おおすみ」の大型模型。能登半島地震で海上拠点として活躍した艦艇だ。建造した三井造船製作の貴重な逸品で一見の価値ありだ。
何度でも足を運んでもらえるように
他にも32歳以下限定のスタンプラリーや制服試着体験等、海自への応援メッセージ企画等で来場者に楽しんでもらう。本企画を担当した広報推進室の関 夢羽花士長は「今後も1カ月半ごとにリニューアルをするので、何度でも足を運んでもらいたいです」とアピールした。
真殿総監はオープニングセレモニーで「『海自横須賀サテライトブース』が皆様と海上自衛隊との懸け橋となる施設になることを心より願っています」と挨拶した。オープンから1週間後の21日と22日は各日500人弱が来場した。
開催期間:11月24日(日・祝)まで
開場時間:月~木10:00~18:00、金土日祝10:00~19:00
入場料:無料