自衛隊ニュース

ジブチ国民議会議長に感謝状を贈呈
写真=懇談する中谷大臣とディレイタ議長(左手前から2人目)
6月12日、中谷元・防衛大臣は、防衛省でジブチ共和国のディレイタ・モハメド・ディレイタ国民議会議長と会談し、感謝状を贈呈した。同国の自衛隊活動拠点は今年で開設14周年を迎える。中谷大臣は「貴国は長年にわたり、海賊対処行動部隊の活動拠点のため、土地提供をはじめ自衛隊の活動を支援いただいている」と謝意を述べ、「海賊対処および船舶の安全のための情報収集活動の継続、邦人保護等のため、引き続き協力をお願いします」と求めた。ディレイタ氏は、「日本において最初で唯一の在外拠点をジブチに設置していただいたことを大変光栄に思う」と述べた。
ジブチ共和国における自衛隊の活動拠点は、首都にあるジブチ国際空港の敷地内にあり、アデン湾における海賊対処行動の拠点として2011年に開設された。また2023年にスーダン情勢が悪化した際には邦人輸送の拠点ともなった。
邦人等輸送に備えて
C2がジブチに出発
6月19日、イランとイスラエルとの交戦を受け、外務大臣からの要請を受けた中谷大臣は、邦人等輸送のため航空機を経由地となるジブチに送るよう統合作戦司令官に指示。21日、空自美保基地から大型輸送機C2が2機、ジブチへと出発した。
MFO司令部要員が帰国
日本隊が存在感を発揮
写真=第1級賞詞を受け取る森竹2陸佐
6月9日、第6次シナイ半島国際平和協力隊(MFO)司令部に昨年5月から約1年間派遣されていた陸上自衛官4名が、森下泰臣陸上幕僚長に対して帰国報告を行った。MFOは1982年からエジプトとイスラエル間の停戦監視活動を行う、国連PKOとは別の国際機関で、エジプトシナイ半島南部に司令部を置く。日本は平成31年に初めて自衛官を2名派遣しており、MFOの要請を受けて第5次からは4名体制となっている。
派遣隊員に賞詞
MFO司令部において、連絡調整部計画担当副部長の森竹2陸佐と同運用幹部の二宮3陸佐は、計画及び運用に関する連絡・調整を実施。後方支援部施設幹部の山田3陸佐と同施設課員の森曹長は、施設事業計画書の作成及び施設整備、維持に係る各種プロジェクトの支援を実施した。これらの功績が認められ、森竹2佐は第1級賞詞を、二宮3佐、山田3佐および森曹長は第2級賞詞を受賞した。4名は1年間の活動を以下のとおり振り返った。
森竹2佐「これまでの先輩方が培ってきた伝統をより発展させるために、4名という少ない日本隊が存在感を発揮できるように創意を凝らした」
二宮3佐「誰かが仕事上のミスを起こした場合、その人を責めるのではなく、組織上・システム上に問題点があるという考えをする軍人及び文民が多数おり、その考え方は参考になった」
山田3佐「国内で施設科隊員・幹部として勤務してきた経験をもとに真摯に業務をすることで、MFOに直接雇用された施設の識能が高い文民の人からもしだいに信頼を得ることができた」
森曹長「日本隊で唯一の陸曹として各国の最先任上級曹長との交流に努め、信頼を獲得することと人とのつながり(ネットワーク)が広がるように着意し、日本隊の信頼獲得に寄与できた」
タイ国軍司令官を公式招待
写真=吉田統幕長とソンウィット司令官
統合幕僚監部は6月9日から11日に、タイ王国軍司令官のソンウィット・ヌーンパックディー陸軍大将を公式招待し、ハイレベル懇談を行った。日本とタイとの交流は600年を超える歴史があり、修好135周年の2022年には、両国の関係が包括的戦略的パートナーシップに格上げされ、「日タイ防衛装備品・技術移転協定」が署名された。
10日の懇談で吉田圭秀統幕長から、毎年タイで行われ、自衛隊も参加している多国間共同訓練「コブラ・ゴールド」への受入れや、今年3月に海自の護衛艦「ありあけ」と「はまぎり」が寄港して親善訓練を実施したこと等について謝辞が伝えられた。そして「今日のハイレベル懇談が、日タイ防衛協力の弾みとなり、それが自由で開かれたインド太平洋に寄与していくものだと信じている」と述べた。
ソンウィット司令官も、今回の公式招待に対する謝辞を伝え「37年にわたる私の軍人生活の中で、両国の関係は最も高まっている」と応じた。
モンゴル陸軍司令官を公式招待
写真=森下陸幕長とジャルガル司令官
森下泰臣陸上幕僚長は、6月4日から7日の間、モンゴル陸軍司令官のツォグト・ジャルガル陸軍少将を公式招待した。モンゴル陸軍司令官の訪日は初めて。両者は、現在の戦略環境認識を共有するとともに、PKO能力構築支援やモンゴルでの多国間訓練「カーン・クエスト25」等を通じた関係強化について意見交換を行った。
「カーン・クエスト25」は、PKO等への派遣に資する各種能力の維持・向上、ノウハウの獲得・蓄積を図ることを目的として、モンゴル陸軍と米陸軍が共催する多国間訓練。陸自は6月14日から28日まで、空自は17日から22日まで参加する予定。
施設学校視察
訓練生を励ます
また、森下陸幕長とジャルガル司令官は、5月19日から同陸軍に対するPKO能力構築支援事業を行っている施設学校(勝田駐屯地)を視察して、隊員を激励した。
10年間にわたる道路構築指導を主体とした施設分野での成果をもとに、今年度はPKO宿営地の整備を課目として実施されている。
国連TPP医療分野
教官隊員がウガンダから帰国
写真=労いの言葉をかける陸幕長と藤澤3佐
国連・支援国・要員派遣国の3者が協力して、PKOに派遣される要員の訓練等を行う仕組み「国連三角パートナーシップ・プログラム(以降「国連TPP」)の一環で、衛生分野の教官としてウガンダに派遣されていた前澤3陸佐が6月20日、森下陸幕長に帰国報告を行った。
前澤3佐は、約1カ月間、訓練生に対して国連野外衛生救護補助員コースを実施した。
森下陸幕長は、「国連からも評価が高く、非常に誇らしい」と労うとともに、「今回の経験をこれからの任務に活かしてほしいし、今後派遣される後輩たちにもしっかりと受け継いでいってもらいたい」と求めた。
本事業は2019年から実施しているもので、今回が5回目の派遣となる。
施設分野教官団、ケニアに出国
写真=陸幕副長(左)に出国を報告(陸自提供)
国連TPP施設分野では、自衛隊は6月中旬から8月初旬までケニアに教官団を派遣している。
6月4日、教官団長の辻本2陸佐(12施群副群長)、企画管理幹部の浪花2陸尉(12施群)、統括教官の廣部1陸曹(同)、操作教官の伊藤3曹(14施群)が、上田和幹陸上幕僚副長に対して出国報告を行った。
上田副長は「訓練生と同じ目線に立ち、相手を思いやる日本人らしい指導方法が世界中で評価されている。今回も親身になって訓練をおこなってほしい」と求めた。
平成27年以降、自衛隊はアフリカやアジアで行なわれた19回(試行含む)の重機操作教育訓練に、延べ約390名の陸上自衛官を派遣。アジア、アフリカ、オセアニア地域の工兵要員489名に訓練を実施した。今回は隊長以下23名が、首都ナイロビ市内の人道平和支援学校で、ケニアおよび周辺国の工兵要員に対して重機の操作・整備の教育を行う。
お悔み
5月14日に、愛知県犬山市で発生した航空自衛隊新田原基地所属のT4練習機の事故におきまして、亡くなられた隊員の方のご冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、ご遺族様および関係者の方々にお悔み申しあげます。
防衛ホーム新聞社
第5航空団飛行群第305飛行隊
井岡拓路1等空尉(特別昇任で3等空佐)
第5航空団飛行群第305飛行隊
網谷奨太2等空尉(同1等空尉)