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入間基地業務隊が内閣総理大臣特別賞状を受賞

「自信と誇りを胸に」隊長が喜びを語る

写真=特別会食場にある埼玉県の工芸品の前で


 航空自衛隊の基地の中で約4500名という最大の所帯である入間基地にあって、たった約90名で福利厚生や食事の面から隊員を支えているのが、中部航空警戒管制団基地業務群業務隊(隊長・釜田昌代3空佐)だ。入間基地はいわずもがな、首都圏防空の要であり、業務隊は「縁の下の力持ち」として、所属隊員たちに日々活力を注入している。これら長年にわたる活動が認められ、業務隊は5月14日に内閣総理大臣特別賞状を受賞した。航空自衛隊の業務隊が同賞状を受賞するのは初の快挙だという。総理官邸で行われた表彰式に、他の受賞部隊長と共に出席した釜田3佐。受賞の喜びと業務隊隊員への思いを語ってくれた。


受賞はメールで突然に…

 受賞はメールで知らされた。「突然、内閣総理大臣特別賞状受賞ですとのメールが来て…最初は冗談かと思いました」と笑顔で明かす。実感が湧いてくると「我々の実績が評価されたことが、大変嬉しかったです」と振り返った。業務隊の隊員も過去に官邸で行われた授賞式の映像を見て初めてその凄さを理解した。釜田3佐は「自信と誇りを胸にこれからもがんばっていこう」と伝え、隊員たちと喜びを分かち合った。
惑星に見立てた手毬寿司
 令和5年、入間基地で行われた航空観閲式では、総理等VIPに食事を提供した。令和9年までに名称変更予定の「航空宇宙自衛隊」をアピールするため、目玉は惑星に見立てた手毬寿司にした。そこには多忙なVIPが一口で食べられるようにとの心遣いも込めた。食材は国産・埼玉県産はもちろん、首相や大臣ゆかりのもので調理した。観閲式におけるおもてなし溢れる料理提供が、特別賞受賞の理由のひとつでもあった。
1回に約1500食を30名で
 業務隊は総括班、給養小隊、厚生班からなる。そのうち約30名の給養小隊隊員で、1回に約1500食もの食事を提供しているというから驚く。
 「『数は暴力』ではありませんが、そこは協力して頑張っています」と話す釜田3佐。むしろ大変なのは、多種多様な任務を持つ部隊が1カ所に集まっている基地の特性に対応することだ。「各任務に合わせて、食事の内容を若干変えています。例えばパイロットの場合、搭乗する機種によって、摂取しなければいけないカロリーが決まっていますから」と明かした。
「継続は力なり」
 釜田3佐が着任したのは昨年2月下旬。ちょうど能登半島地震の災害派遣中であり、業務隊からは約20名の隊員が現地で活動していた。留守を預かる隊員にも疲れが見て取れた。「休める時は休みなさい」と指示を出した。それでも隊員たちは「これまでと同じように食事を提供するんだ」と一致団結、その期間を乗り切った。
 釜田3佐は指導方針に「挑戦」を掲げる。「変化を恐れない。進化するために目標を持ち、実行、反省、また新たな目標というサイクルでがんばろう」と隊員を鼓舞している。「ただし目標は小さくてもいい。成功体験を積み重ねて自信をつけてほしい」と願い、いつも隊員たちを見守っている。
 釜田3佐自身は「継続は力なり」を胸に日々業務に当たる。「入間基地の業務隊は昭和33年発足で、隊長は私で30代目になります。歴代の隊長をはじめOBや現役隊員の皆さんが任務に真摯に向き合い、こつこつと継続してきたことが、栄誉ある内閣総理大臣特別賞状受賞に繋がったのだと思います」と感謝の気持ちを忘れない。最後に、「今までの伝統を引き継ぎ、一致団結して業務にますますまい進していきます」と、力強く今後の抱負を語ってくれた。


救急救命合同実習<入間病院>

写真=一次救命処置をする学生


 自衛隊入間病院(病院長・加藤圭空将補)は、5月29日に東京医薬看護専門学校救急救命士科学生と自衛隊入間病院入校中の救急救命士課程学生による合同実習を病院地区で行った。

 本合同実習は、東京地方協力本部からの提案を受けて実現したもので、新たに納入された航空医療搬送訓練装置を見学した後、心肺停止患者に対する一次救命処置(BLS)や止血帯の使用体験等を合同で行った。

 担当した教育部の高橋2尉は、「全員が積極的に取り組み、忌憚のない意見が飛び交う等、双方の学生にとって良い刺激となったと思います。今後も機会があれば積極的に実施していきたい」と語った。


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