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全自衛隊陸上競技会
300人 駆く、跳ぶ、投げる
写真=女子3千で競り合う山田学生(左から3人目)ら
「第29回全自衛隊陸上競技会」(防衛省主催)が6月19日、自衛隊体育学校陸上競技場(朝霞)で開催され、全18種目(トラック14・フィールド4)に陸海空各部隊・機関から約300人が出場。男子100メートルなど5種目で大会記録が更新された。
古川士長(男子1万)感謝の走り
最高気温37度の真夏を思わせる炎天下、選手たちが日頃の練習の成果を発揮し、駆け、跳び、そして投げた。
例年、大会最終盤に行われていた男子1万メートルは、今回は気温が上昇していない大会冒頭に行われ、精鋭6人で競われた。
中盤にレースが動いた。3千メートルを過ぎて26回大会優勝者の朝賀勇也2陸曹(2普連)がペースを上げ、集団が次第に縦に大きく広がっていった。
さらに、5千メートルを過ぎて古川隼陸士長(1普連)が抜け出し、朝賀2曹を引き離してそのまま独走し、ゴールした。
前回大会では長距離系3種目を制す圧倒的強さを見せた1普連。古川士長はレース後、「強い日差しと高い気温の中のレースで苦しかったが、連隊長(篠部1佐)をはじめとする連隊の方々の声援が大きな力になった。(日頃から)持続走訓練隊の隊員へのご配慮が手厚く、(練習の)時間や環境を与えてくださる」と、連隊を挙げての支援への謝意も示した。
斉藤3曹(ボール投げ)圧巻の初Ⅴ
フィールドでもトラックの各種目に負けない白熱した競技が続いた。男女の走り幅跳びとボール投げが行われた。
ボール投げは3投ずつして最長記録を競い、男子は斉藤尚也3海曹(舞教)が94メートル80の記録で制した。
舞鶴教育隊で学生班長を務め、学生たちにも投球の要領(体力測定・ボール投げ)を指導しているという斉藤3曹。3投全てで90メートルを超す好投を見せたものの目標としていた大会記録(100メートル)は超えられず「全然納得はできない」と話すとともに「今回の記録を塗り替えられるよう、また日々努力していきたい」と語った。
走り幅跳びは計6回の跳躍を行い記録を競った。女子は間部さくら3海曹(4整補)が自らが持つ大会記録に迫る5メートル27で3連覇を果たした。
福田士長(女子100)大会新連覇
女子選手も男子選手に負けない健闘を見せた。
トラックは100メートルと3千メートルの2種目が競われ、このうち100メートルは福田奈央陸士長(東方特連隊)が2連覇を達成。昨年大会で自身が残した大会記録も更新(12秒81)した。
レース後、福田士長はインタビューに応え、「(部隊の)中隊の皆様方に訓練や業務等を全て調整していただき、練習しやすい環境をつくっていただいた。2連覇という結果で皆様に恩返しできたかなと思う。次回もタイムを上げ、また恩返しができる走りがしたい」と語った。
3千メートルはラスト1周の最後の100メートルの直線、3人がほぼ横一線に並ぶ大混戦となり、山田実和学生(防医大)が最後の力を振り絞って、1位でゴールした。
猪口3曹(男子100)MVP獲得
短・中距離種目のうち、男子1500メートルは高山将司3陸曹(特教隊)が「暑さでスタミナを消耗するため、後半に勝負しようと思っていた」とラスト200メートルにスパート。2位以下を引き離し、大会記録を更新(3分54秒51)してゴールした。
男子40歳以上1500メートルは、前回大会まで3連覇している松倉弘明2空曹(3空団)ら6人が集団をつくってレースを引っ張った。ラスト1周、集団の中ほどにつけていた兼中孔士陸曹長(17普連)が一気に抜け出し、ゴールへ駆け込んだ。
男子400メートルでは古賀泰心学生(防大)が自らが昨年出した大会記録をさらに更新(48秒56)し、2連覇を達成。
来年4月、陸自幹部として任官する古賀学生。「(400メートル走を通じて)気持ちで負けない、ということを意識してきた。任官後に訓練などで苦しいことがあっても負けずに頑張りたい」と決意を語った。
自衛隊〝最速スプリンター〟を決める男子100メートルは2組に分かれて予選が行われ、そのうちの1組目は猪口悠太3海曹(新潟基分隊)が「日本選手権に出場できるレベル」(大会アナウンス)という10秒74の好タイム=大会新=で1位に。
「10秒5~6位を出したいと思っていたがスタートがうまくいかなかった」と、決勝では予選のタイムを上回れなかったが初優勝を果たし、今大会の最優秀賞も獲得した。
一方、男子リレー2種目(4×100メートル、4×400メートル)はいずれも防大学生が気を吐き、圧勝した。