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防衛省・自衛隊
地方協力本部

写真=第1級賞状を受け取る熊本地本本部長。後ろには左から千葉、旭川各地本本部長


全国地本長等会議を開催

厳しい募集状況の中、一丸となって任務を遂行


 6月10日と11日、九段会館テラスで「令和7年度全国自衛隊地方協力本部長等会議」が行われた。全国の地方協力本部を指揮・監督する陸幕長の訓示、施策説明や意見交換等が行われ、一堂に会した地本長等は募集・援護等の目標達成に向けた強い意志を共有した。

 森下泰臣陸上幕僚長は参集した地本長らを前に、「厳しい募集状況においても、皆が目標に向かって一生懸命に頑張ってくれたものと感じている」と労うとともに、「今年度の募集業務等の推進にあたり、ここに集まった地方協力本部長、その下にいる事務所長等の指揮官がどれだけ熱意をもって、それを部下に伝えられるか、そして広報官がどれだけ熱意をもって募集対象者に自衛隊の良さを伝えられるかが重要である」と説いた。そして「地方協力本部に勤務している本部長以下、広報官を含めて、非常に素晴らしい任務に就いていると認識してもらいたい。人を採用し、人を育て、送り出すという重要な職責を担っているという責任感を皆が共有し、皆が、その任務を遂行しているのだという誇りを持ち、一丸となって今年度も頑張ってもらいたい」と求めた。


優秀地本、広報官等を表彰

 

 会議にあわせて、「募集業務」「就職援護業務」「予備自衛官等管理業務」等、業務全般に対して優秀な成績を収めた地本や広報官等を讃える「優秀地本等表彰」が行われた。第1級賞状については、副大臣室で本田太郎防衛副大臣から授与された。

 各受賞地本、広報官等は以下の通り。


【優秀自衛隊地方協力本部表彰】

・第1級賞状

 熊本、千葉、旭川

・第2級賞状

 帯広、秋田、山形、茨城、東京、神奈川、岐阜、滋賀、大阪、兵庫、徳島、香川、高知、佐賀、沖縄

・陸上幕僚長褒賞

 長野、山梨


【優秀広報官表彰】

・第2級賞詞

 井上直人1陸曹(旭川)

 高橋智洋陸曹長(帯広)

 小沼茂樹2陸曹(秋田)

 冨樫寛人2陸曹(山形)

 田原健治3陸曹(茨城)

 加耒俊和1陸曹(千葉)

 内藤廣行2陸曹(東京)

 照井優介2海曹(神奈川)

 佐々木麻貴2陸曹(岐阜)

 乾友彦3空曹(滋賀)

 福岡基1陸曹(大阪)

 阿藤敬陸曹長(兵庫)

 後藤武史3海曹(徳島)

 西岡圭一准空尉(香川)

 平野彰治2陸曹(高知)

 志水裕子1海曹(佐賀)

 山元隆司准陸尉(熊本)

 宇江城正好1海曹(沖縄)

・陸上幕僚長褒賞

 比内一徳2陸曹(札幌)

 西田友也3空曹(函館)

 佐々木晋陸曹長(青森)

 吉田一平2陸曹(岩手)

 今田潤2陸曹(宮城)

 山根芳之2陸曹(福島)

 法師人克行2陸曹(栃木)

 武井健司2陸曹(群馬)

 高柴玲央3陸曹(埼玉)

 伊藤健太郎1陸曹(新潟) 浅利仁士1陸曹(山梨)

 木戸一臣2陸曹(長野)

 谷川允未陸曹長(静岡)

 松岡大樹2陸曹(富山)

 多田衣世2空曹(石川)

 水谷内映志2海曹(福井)

 髙橋佑斗2陸曹(愛知)

 奥村正登2陸曹(三重)

 古島武陸曹長(京都)

 和田安弘1陸曹(奈良)

 北畠大毅1陸曹(和歌山)

 土屋勝文2陸曹(鳥取)

 川上準治陸曹長(島根)

 桑室省吾2陸曹(岡山)

 大丸明子2陸曹(広島)

 川本雅史2陸曹(山口)

 勝部順子陸曹長(愛媛)

 横溝直行陸曹長(福岡)

 山田達也3海曹(長崎)

 別府和樹2空曹(大分)

 下田真也空曹長(宮崎)

 田野敦子1海曹(鹿児島)


【隊員自主募集優秀部隊等表彰(第2級賞状)】

・師・旅団の部

 第1師団、第1普通科連隊、第12高射特科隊

・直轄部隊の部

 第2施設団、北部方面衛生隊、中部方面音楽隊



サテライトブースを開設

<愛媛>

 愛媛地方協力本部(本部長・真部亮太1陸佐)は6月5日、松山市最大級の商店街「銀天街」にサテライトブース「J・Booth」開設に伴うオープニングセレモニーを実施した。

 セレモニーは、第14音楽隊の隊員5名による管楽器演奏で幕を開け、式典では真部本部長が、地本勤務者に対し本ブース開設の意義を訓示するとともに、商店街を通行する市民に向けて、「本ブースを通じて自衛隊をより身近に感じていただきたい」と呼びかけた。引き続いて、今治市出身の真部本部長、松山市出身で松山駐屯地司令の玉井2陸佐、松山駐屯地で勤務する中部方面特科連隊第4大隊の明石陸士長、第14高射特科隊の三根陸士長、愛媛地方協力本部の村上空士長の5名によるテープカットが行われた。

 セレモニーの締めくくりとして、再度音楽隊による演奏が行われ、「となりのトトロ」や「美空ひばりメドレー」が流れると、通行していた市民の皆さんの中には、足を止めて演奏に聴き入り、時折手拍子しながら楽しむ姿も見られ、アンコール曲の「また逢う日まで」が終わると盛大な拍手が送られた。

 また、セレモニーには地元テレビ局やメディア4社が訪れ、本部長や広報担当者を取材するなど、初めての試みであるサテライトブースに関心を寄せていた。

 本ブースは7月27日まで毎日開設し、広報官と本部勤務員が常駐して広報活動を行うもので、愛媛地本では「本ブースを通じて自衛隊の認知度を高めるとともに、募集目標達成につなげていく」としている。



大阪医科薬科大学生が

阪神病院を見学<大阪>

 大阪地方協力本部茨木地域事務所(所長・北口誠海曹長)は、5月12日、大阪医科薬科大学の薬科学生6名を引率し、自衛隊阪神病院(川西駐屯地)を見学した。

 本事業は、地域担当広報官である前田幸二2陸曹が担当区域に所在する同大学との連携強化のために提案したもので、大阪地本募集課で臨時勤務中の阪神病院薬剤官の井上亜記統1陸尉の案内により、薬剤師を志す2年生4名、5年生2名に対し、自衛隊病院の概要説明と各施設見学を実施した。

 概要説明では、自衛隊病院が地域においても役割を果たしており、新型コロナウィルス感染症の流行に伴う大規模接種センターでの活動実績などを紹介した。また、各施設見学では薬剤官としての業務内容に関する質問のほか、休日の過ごし方に関する質問も飛び交うなど、6名の学生は、初めて訪れる自衛隊病院を終始熱心に見学していた。

 学生からは、「自衛官にも薬剤官という職業があることを知り、今後の進路の参考になりました」「初めて自衛隊病院の中を見ましたが、雰囲気も明るくて印象が変わりました」などの声が聞かれ、今後の同大学との連携強化や募集への期待を感じることのできる事業となるとともに、大阪府内の各医療系大学、専門学校等への同種事業の提案などにも多くのヒントを得ることができた。

 このように、自衛隊大阪地方協力本部では、各部隊、機関や臨時勤務員の支援も受けながら、大阪府内の各学校に対して部隊見学や職場体験などを提案し、それらを通じて学校との連携を深め、一人でも多くの学生や生徒、学校職員などが自衛隊の活動や魅力に触れて入隊や入校に繋がるよう、本部各課、地区隊、各所、広報官がワンチームとなって募集活動を展開していく。



就職補導教育を実施

<富山>

 富山地方協力本部(本部長・宮内雅也1陸佐)は、5月20日及び21日、富山駐屯地(砺波市)において、任期満了退職予定隊員4名及び定年退職予定隊員4名に対し、再就職に対する心構え、就職援護状況等について周知させるため「令和7年度就職補導教育」を実施した。

 教育内容については、援護情勢、就職準備、予備自衛官等制度説明のほか、部外講師を招いての「ビジネスマナー教育」、各企業等による「業種説明(製造、建設、運輸、警備、自動車整備業、警察庁、警察署)」及び「OB講話」を実施した。

 今回初めて実施した「OB講話」では、任期満了退職後の再就職先を製造業又は建設業とした2名のOBから、「再就職先を当該企業に決めた経緯」、「援護を利用しての再就職について」、「自衛隊と一般企業との違い」、「当該企業で働き苦労したこと良かったこと」、「これから再就職する者へのアドバイス」について講話をいただいた。参加隊員からは「自衛官目線の話を聞けてためになった」「同じ立場の人から話を聞くとわかりやすい」「定年退職したOBの話も聞きたい」等の意見があった。

 OBからは「やりたいことや興味のある仕事を探して下さい」、また、企業採用担当者からは「私は前職で周りに流されて仕事を選んでしまい、仕事を続けられませんでした。今は昔からやりたかった仕事に就き、やりがいをもって仕事をしています」とアドバイスが述べられた。

 参加隊員からは「退職後の再就職先を更に本気で考えるきっかけとなった」等の意見があり、合同企業説明会に向けて業種選択の幅を広げる良い機会となった。

 今後、参加隊員は就職活動として9月3日に実施される富山地域合同企業説明会に臨み採用試験を経て退職までに就職を決定させる。

 富山地本は「隊員が退職後も充実した人生を送ることができるよう、隊員が希望する企業への就職の援助を行っていきたい」としている。




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