自衛隊ニュース

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自衛官としてそれぞれの部隊へ!

写真=修了証書の授与(11普連)


第11普通科連隊・第7特科連隊


 第11普通科連隊(連隊長・太田光1陸佐)及び第7特科連隊(連隊長・西﨑心1陸佐)は、6月、東千歳駐屯地において、それぞれ自衛官候補生課程修了式を執り行った。

 本修了式は、千歳地方防衛協会会長(千歳市長)をはじめとする来賓の方々に参列いただくとともに、多くの家族にも出席いただき、自衛官候補生課程教育修了を祝福する門出の行事となった。

 6月21日に執り行われた第11普通科連隊の修了式において、太田連隊長は自衛官候補生に対し、「入隊にあたり要望した事項である進んで難局に当たったこと、同期の絆を大切にしたことを認める」「これから諸君たちは、職種専門教育を受けることになるが、第11普通科連隊の教育を修了した自信と誇りをもって後期教育に臨み、更に成長することを期待している」と激励した。

 また、28日に執り行われた第7特科連隊の修了式において、西﨑連隊長は自衛官候補生に対し、「約3カ月前、入隊してきたばかりの君たちとはあきらかに顔つきが、目つきが違う。一人ひとりが諦めずに食らいつき、最後までやり遂げてきた目をしている。これから、部隊において任務を完遂すべく我々と仲間となったことは本当に嬉しく、頼もしく思う」「それぞれの職種において、いずれ必ずその中の一員となり、日本を、仲間を、愛する家族を守るのだという気持ちを持ち続けてもらいたい」と激励した。

 本教育を修了した自衛官候補生は、「区隊長や班長が親身になって教育してくれた。今後は、自衛官である父を目標に教育に臨んでいきたい」と語った。また、修了式を終え、久しぶりに家族と再会をした自衛官候補生は、団らんと会食を楽しんでいた。

 自衛官に任命された隊員達は、各職種に分かれてそれぞれの駐屯地で開始される新隊員特技課程教育に参加し、部隊勤務に必要な特技(専門技術)を修得して、一人前の自衛官を目指す。



第43普通科連隊


 第43普通科連隊(連隊長・石岡直樹1陸佐)は、6月22日、都城駐屯地体育館において、令和7年度自衛官候補生17名の課程教育修了式を行った。

 厳しい訓練を乗り越え、一人前の自衛官として踏み出す17名の候補生たちは、家族及び来賓が見守るなか、晴れやかな表情で式典に臨んだ。

 式では連隊長が「諸官らはもうすぐ2等陸士という階級を付け、それぞれの職種・部隊・任地へ配置され、更に約3カ月にわたり特技教育を履修することとなる。どうか初心を忘れず、また失敗を恐れることなく、若者らしく、引き続き一生懸命、取り組んでもらいたい」と候補生らに対し言葉を贈った。

 その後、候補生を代表し、肱岡候補生が「自衛官としての日常生活から教育訓練まで、親身になってご指導いただいた日々に感謝を感じるとともに、一人の社会人として大きく成長できたと感じます。今後とも、連隊長要望事項である『前向きに一生懸命』『明るく、楽しく、仲間を大切に』を肝に銘じ日々精進することを誓います」と力強く答辞をのべた。

 また、本教育における表彰は、総合成績優秀賞・体力優秀賞を福島候補生、学術優秀賞を豊留候補生、射撃優秀賞を二見候補生、濱田候補生、肱岡候補生がそれぞれ受賞した。

 式終了後、新隊員たちは安堵と達成感で満ち溢れた表情を見せ、それぞれの家族との時間を過ごした。その瞳には新たな任地への希望が宿っているようであった。



第34普通科連隊


 第34普通科連隊(連隊長・兜智之1陸佐)は6月23日、板妻駐屯地において「令和7年度自衛官候補生課程修了式」を実施した。

 教育修了を迎えた72名の候補生たちは4月に入隊以来、約3カ月にわたり自衛官になるための基礎的な知識・技能の修得に励んだ。

 式は多数の来賓の臨席の下、自衛官候補生の家族が参加する中、教育修了及び部隊配置申告、宣誓、区隊旗返還を行った。

 引き続き、優秀者に対する褒賞状の授与が行われ、第1師団長による成績優秀者に対する表彰、続いて各種検定等の成績優秀者に対して兜連隊長が表彰を行った。

 続く執行者式辞の中で兜連隊長は「教育を修了して2等陸士となり、晴れて我々と同じ陸上自衛官になることを嬉しく思う。今後はそれぞれの任地で職種に応じた教育を受けることになるが、ここ板妻で学んだ知識や技能の練磨に引き続き邁進することを要望する」と述べた。

 式後は家族等を交えて会食を行い、候補生たちは約3カ月間の思い出を語りながら時間の許す限り和やかなひと時を過ごした。



西部方面混成団


 西部方面混成団(団長・有村義治1陸佐=久留米)は、それぞれの着隊日から6月30日までの間、隷下部隊の第19普通科連隊(福岡)・第113教育大隊(国分)・第118教育大隊(久留米)において、男女合わせて約400名の一般曹候補生及び自衛官候補生の前期教育を行った。

 本教育は、自衛官として基礎的な知識・技能を修得させることを目的とし、自衛官人生で一回しかない唯一の基本教育だ。同期と共に切磋琢磨し、自衛官としての「心技体」の基礎を確立させ、何事にも前向きに、失敗を恐れない自衛官に成長し、修了式では、ご家族の皆さまに逞しくなった姿をお見せすることができた。

 また、一般曹候補生課程では、「将来陸曹となる者」の自覚を確立させるために、「陸曹帝王学」を重視して、教育や指導する側である陸曹の体験や講話も教育の一環に取り入れ、人材育成のための教育を行った。

 それぞれの職種部隊へ配属された新隊員は、引き続き一人一人が様々な志を持つ「自衛官」として、職種部隊においても奮闘していく。

 これから「将来の力」となる新隊員の活躍を、ここ久留米駐屯地より祈念している。

 頑張れ、新隊員!



第2普通科連隊


 第2普通科連隊(連隊長・末本紀彦1陸佐)は、6月28日、高田駐屯地体育館において「令和7年度自衛官候補生課程修了式」を挙行した。修了式は、新潟県自衛隊家族会会長の早川澄夫氏をはじめ多数の来賓、隊員家族の参列を得て厳粛に執り行われた。

 3カ月前と比べ、凛々しくなった顔つきで自信を持った佇まいの隊員たちは、告達で名前が読み上げられると、大きな声で胸を張って立ち上がった。事後、優秀隊員が表彰され西巻自候生が第12旅団長賞、岡庭自候生が家族会長賞を受賞した。

 連隊長は式辞において「この高田の地で培った7名の同期の絆と教育への感謝を忘れることなく、さらなる情熱を燃やし国民の期待と信頼にこたえられる立派な自衛官に成長し、積極・連携、安全・健全を念頭にそれぞれの部隊で活躍することを祈念する」と新たな職種・任地へ向かう自衛官候補生へ言葉を送った。

 修了式後、内田自候生は「初めてのことやギャップがあり苦しいこともあったが、なによりも同期が支えになった。同期がいたからこそ今日を迎えることができたので、後期教育も全力で臨みたい」と今後の抱負を熱く語った。

 自衛官候補生は、6月30日付で晴れて2等陸士に任命され、さらに専門的な知識・技能の教育を受けるため、全国へ旅立った。



音楽隊に敬礼っ‼<第15回>
前陸上自衛隊中央音楽隊長 樋口 孝博

メディア世界の職人魂

写真=2019年モスクワにて


 華やかな衣装をまとう音楽隊は、多くのイベントで写真を撮られたり取材を受けたりします。その写真や映像が音楽隊の姿を世界に、そして未来へと伝えてくれるのですから、記録メディアは音楽隊の姿を伝える貴重な媒体です。

世界の軍楽祭で

 イギリスでは、写真撮影の際に「ハイ!チーズ」と言う代わりに「ウィスキィー!」と笑顔をつくるのですが、隊員たちは照れ笑いしかできません。カメラマンは、「モア! スマイル!」と指示を出すのですが、シャイな日本人はその要求にも応えられません。すると彼は「口を開けろ!」「帽子を振れ!」と、怒涛の指示をするのです。仕上がった写真を見てみると、そこに写る表情は想像もできない笑顔の写真となっていました。それほどアクティブなカメラマンでも、チャールズ皇太子(当時)とのレセプションは、さすがに控えめでした。皇太子が私に握手してくださったアングルは、殿下が後ろ姿になってしまったのですが、正面姿の肩越しに私が写っている写真を瞬時に撮ってわざわざ後日、届けてくださいました。

 BBC放送のインタビューを受けたときは英語のカンペを作成し、目の前のテレビカメラに下げて答えることにしました。しかし、話し終えてもインタビュアーの職人魂は炸裂します。なにせ、参加者のなかで英語が話せない隊長など誰もいないのですから。

 韓国では、音楽隊の初となる海外演奏となったため、新聞社の方が日本から同行取材してくださいました。我々以上に会場を飛び回るその姿を見ていると、職人魂を強く感じさせられたのですが、ある朝、全員が揃ってもその姿が見えません。仕方なく部屋に行ってみると、まだ寝ている様子でした。そのお返しなのか? 音楽隊の派遣記事は、新聞一面に大きく取り上げてくださいました。

 モスクワでは、世界遺産のワシリー大聖堂の前で中央音楽隊とロシア中央軍楽隊との撮影会が行われました。ところが背景には2基の巨大なクレーンがそびえ立ち、美観を損ねてしまうのです。あとでクレーンの先を見てみると、そこには収録用のカメラが据えられていました。その技術で、迫力ある上空からの映像が世界に届けられると知り合点がいったのです。この軍楽祭では、数名の現地スタッフが活躍してくださいました。日程の段取りから通訳、クレムリンやモスクワ音楽院見学の同行など、長期にわたって面倒を見てくださった彼らのホスティング魂は感謝の念に堪えません。何しろ、生命と財産を守る我々自衛官を守ってくださったのですから。

式典会場で

 迎賓館赤坂離宮で、中央音楽隊PR用の撮影をしたときのことです。整列する音楽隊を前にしていても、カメラマンはなかなかシャッターを切ってくれません。被写体のこちらは楽器を持って立ち続けるのですが、寒空の下では限界があります。どうしたのかと聞いてみると、その理由は「迎賓館中央の〝日の丸の旗〟が、風になびく瞬間を待っている」とのことでした。この迎賓館で実施される特別儀仗は、雨天時には館内行事になることもありますが、会場内では声を荒げて数社のカメラマンたちが陣取り合戦をしていました。皇居前の天皇陛下御即位行事でも、それはし烈な戦いであり、立ち位置ひとつにもこだわるカメラマンのプロ根性を見せられたのです。

富士総合火力演習で

 30年ほど前の総合火力演習で、私が《いい日旅立ち》を歌うことになりました。音楽隊は格好の被写体となるため、多くの方々からレンズを向けられます。少しやりづらい面はあるのですが、広報を前提にしている音楽隊はこれを否定するわけにいきません。すると演奏中にもかかわらず、ある男性がカメラを構えてどんどん近づいてくるのです。そして遂には私の目の前で大きなリュックを開き、ペンと色紙を取り差し出してきました。あれだけの群集の前で振る舞うその度胸に敬意を払い、「山口百恵」と書いてお渡しすると、大喜びで戻っていきました。

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