自衛隊ニュース

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自衛隊指揮官幹部会同
「抜本的強化、着実に進める」

写真=石破首相が約160名の指揮官等を前に訓示


 6月30日、「令和7年度自衛隊指揮官幹部会同」が、自衛隊最高指揮官の石破茂内閣総理大臣を防衛省に招いて行われた。防衛省の政策方針を自衛隊の指揮官等に周知徹底させることを目的に、防衛大臣、統合幕僚長、陸海空自幕僚長、機関や主要部隊の長等約160名が一堂に会した。石破首相は訓示で「ウクライナ、中東、東アジアの情勢は相互に密接に関連する」との認識のもと、「抑止力強化のため、国家安全保障戦略等に基づく防衛力の抜本的強化は、今後も着実に進めていく必要がある」と述べた。今年3月に発足した統合作戦司令部については、「いかにして実効的な防衛力を構築するか、絶えず考えてほしい」と求めた。本会合を対面で開催するのは2019年以来6年ぶり。2020年のVTC(テレビ会議)以降は開催されていなかった。

レッド・フラッグ・アラスカ25‐2

米空軍主催の共同訓練で相互運用性を向上

隊員同士の
相互理解も深まる

写真=米空軍のKC‐135が空自F‐15に空中給油(那覇基地提供)

  


 航空自衛隊は、6月12日から同28日まで、米空軍が実施する演習「RED FLAG ALASKA25‐2」に参加した(展開・撤収を含めると5月30日から7月5日)。

 空自は、日米同盟による抑止力・対処力を強化するために、部隊の戦術技量および米軍との相互運用性の向上を図ることを目的として、1996年から本演習に参加している。

 演習は、米国アラスカ州アイルソン空軍基地及びエレメンドルフ・リチャードソン統合基地ならびにこれら周辺空域で行われ、空自は第9航空団(那覇)、警戒航空団(浜松)および第1輸送航空隊(小牧)から、F15J/DJが6機、E767が1機およびC130が2機、人員約270名が参加した。派遣部隊は演習参加国とともに、防空戦闘訓練、戦術攻撃訓練、対戦闘機戦闘訓練、戦術空輸訓練、物料投下訓練、空中給油訓練を行った。

 演習以外でも、隊員間同士が交流によって親睦を深めた。空自の早期警戒管制機E767部隊と、米空軍早期警戒管制機E3部隊が相互研修および意見交換を行ったり、米空軍第168空中給油航空団において、KC135の見学を行ったりする等して相互理解を向上させた。


空幕防衛部長がパリ・エアーショーを視察

写真=ドミニク仏航空宇宙軍副参謀長(空自提供)


 航空幕僚監部防衛部長の久保田隆裕空将補は、6月17日から21日の間でフランスを訪問し、パリ郊外ル・ブルジェ空港で開催された「パリ国際航空宇宙ショー」を視察した。パリ国際航空宇宙ショーは隔年で行われる見本市で、航空宇宙業界では世界最大級の規模を誇る。

 滞在中、仏航空宇宙軍副参謀長のドミニク・タルディフ空軍中将、仏宇宙コマンド司令官のフィリップ・アダム空軍中将、ドイツ空軍総監のホルガ‐・ノイマン空軍中将、フィリピン空軍司令官のアーサー・M・コーデュラ空軍中将をはじめ、参加国の代表者等と懇談を行い、地域情勢や今後の協力関係の深化等について認識を一致させた。

 航空自衛隊は「欧州・大西洋及びインド太平洋の安全保障が相互に連関している」との考えのもと、今後も仏航空宇宙軍との良好な関係を維持・強化し、地域の平和と安定に寄与していく。

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