自衛隊ニュース
空自配偶者団体「ますみ会」が
「ともしび会」に寄付を贈呈
写真=ますみ会の森田会長(右)とともしび会の新宅本部事務局長(左)
航空自衛隊幹部自衛官の配偶者で構成される親睦団体「ますみ会」(会長・森田由夏氏=航空幕僚長夫人)は、10月29日、東京都新宿区のホテルグランドヒル市ヶ谷において、自衛隊遺族会航空部会「ともしび会」への寄付金贈呈式を執り行った。寄付金は、ともしび会の本部事務局長を務める航空幕僚監部人事教育部厚生課長・新宅完彦1空佐に手渡された。
「ますみ会」は、航空自衛隊員とそのご家族の支援を目的として活動しており、ともしび会への寄付は昭和51年から毎年継続して実施されている長年の取り組みである。今回の贈呈式は、同ホテルで開催されたますみ会総会に先立って行われ、会員の皆様が見守る中、森田会長から新宅本部事務局長へ心を込めた寄付金が丁重に贈呈された。贈呈に際し、森田会長は「ますみ会として、亡くなられた隊員のご遺族の心に寄り添い、皆さまが安心して穏やかに過ごせるよう願っております」と温かい言葉を述べた。これに対し、新宅本部事務局長は「ますみ会の皆さまから頂戴しましたご厚意は、本部事務局から各地方支部事務局を通じてご遺族の皆様へお届けします」と謝意を表した。さらに、新宅本部事務局長からは、10月に執り行われた自衛隊殉職隊員追悼式の様子についても紹介があり、会場は改めてその意義を共有する場となった。
機略縦横(106)
最大の失敗は失敗しない事
中部方面隊最先任上級曹長
准陸尉 八木 慎吾
こんなことを言うと少し変わっていると思われるかもしれませんが、私は「失敗」という言葉がきらいではありません。
しかし多くの人は失敗に対して良いイメージを持っていないと思います。むしろ「悪いこと」や「避けるべきもの」などのマイナスのイメージが強いのではと思います。
失敗のイメージが悪い理由には、個人の経験だけでなく、社会的・文化的な背景や教育・組織の在り方が深く関係していると考えます。
自衛隊では「迷惑をかけてはいけない」「空気を乱してはいけない」という考えが根強く、失敗=周りの人に迷惑をかける=恥ずかしい・責められるという考えが定着していると感じています。
教育訓練の場に焦点を当て、考えた場合「失敗」は、決して恥ずべきことではありません。むしろ、今この訓練で経験しておくべき貴重な経験です。なぜなら教育訓練は実戦と違い命に直結することはなく、繰り返し是正が可能だからです。
実戦での失敗は許されません。しかし教育訓練では、失敗を通じて自分の個癖や弱点を明確にし、仲間と共有・改善していくことができます。失敗の原因を自ら分析し、なぜうまくいかなかったのか、どうすれば次は成功できるのかを考える。この繰り返しが、現場における状況判断能力の向上にもつながると思います。
教育訓練は、ただ正解をなぞるための時間ではありません。失敗しても安全であるという、この環境を最大限に活かし、何事にも積極的に挑戦し、失敗から学びを得るとともに、自分と仲間を高めていくことが大事だと考えます。