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「次へ。今を超えて、ともに先へ」
自衛隊音楽まつり

総勢約740人が奏で、歌う

写真=銃を回しながら敬礼する防大儀仗隊、高工校ドリル部(右)の学生・生徒


 「令和7年度自衛隊音楽まつり」が11月14~15日、東京・日本武道館で開催された。陸・海・空自衛隊各セントラルバンドの隊員をはじめとする総勢約740人が「次へ。今を超えて、ともに先へ」をテーマに奏で、歌った。6回の公演に約2万7000人が来場、自衛隊などによる“音の祭典”を堪能した。


 「第一章:2001年からの光」は、陸自西部方面音楽隊(指揮・同隊隊長、稲積英典3陸佐)による演奏でスタート。

 今回、音楽まつりに初出演した第1師団らっぱ隊・第1音楽隊(全体指揮・中福島昭洋2陸尉、らっぱ手指揮・武田直幸3陸曹)は「百錬成鋼」などを勇壮に吹き上げた。

 陸自中央音楽隊(指揮・同隊副隊長、柴田昌宜2陸佐)は、組曲「惑星」より「火星/金星/木星・ジュピター」を演奏。武道館を埋めた来場者を宇宙世界にいざなった。

 「第二章:2010年からの道」では、海自東京音楽隊(指揮・同隊隊長、植田哲生2海佐)と米海兵隊第3海兵機動展開部隊音楽隊(同・ランデル・メッツィンガー大尉)がそろって出演。「海を越える握手」で〝絆〟を確かめた。

 「第三章:2020年への軌跡」では会場に若い力が満ちた。防衛大学校儀仗隊(指揮・村上堅持学生)と、今回が初参加の陸自高等工科学校ドリル部(同・新井颯生徒)が会場狭しと躍動してファンシードリルを披露した。

 続いて空自航空中央音楽隊(指揮・同隊、原田悠生1空尉)が「ボヘミアン・ラプソディ」などを軽快に届けた。

 場面が一転して、全12チーム・総勢160人による「自衛太鼓」(指導者・北海自衛太鼓、石中大樹陸曹長)が登場。演舞テーマ「STEP」の下、雷鳴のような〝鼓動〟で包んだ。

 フィナーレの「最終章‥2025、ともに超えて」は、全出演音楽隊演奏(指揮・陸自中央音楽隊隊長、志賀亨1陸佐)を届けた。

 西方音の水上珠奈(まりな)3陸曹、東音の三宅由佳莉2海曹、空中音の清水万理子空士長の3人の〝歌姫〟が熱量ある澄んだ声で包んだ。


小泉大臣も来場

らっぱ隊初出演

 第2回公演には小泉防衛大臣も来場し、開幕に先立ってあいさつした。

 大臣は今年の「次へ。今を超えて、ともに先へ」のテーマに触れ、「我が国を取り巻く安全保障環境が一層急速に厳しさを増している中、自衛隊自身も変革が求められています。国民の皆さんからご理解をいただき、皆さんと共に次の時代へ向かって行くという防衛省、自衛隊の置かれた局面とぴったり合致するテーマです」と語った。

 17回目の出演の米海兵隊第3海兵機動展開部隊音楽隊について、「米国は我が国の防衛はもちろんのこと、自衛隊音楽まつりにもなくてはならないかけがえのない存在です」と紹介。

 大臣の地元横須賀市(武山駐屯地)から初出演した高等工科学校ドリル部については、「次の時代を切り開いていく、そんな生徒たちの勇姿をぜひご覧いただきたい」。同じく初出演の第1師団らっぱ隊については、「力強い演奏が魅力です。ぜひらっぱの力強い音色を耳に刻んでください」とそれぞれ述べた。

 さらに「演奏を楽しんでいただきながら、今もどこかで平和のために任務を果たしている自衛隊員に思いを馳せていただければと思います」と語った。

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