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自らの道場は自らが整備!秋季演習場整備

写真=横一列になり不発弾を捜索(然別演習場)(第6即応機動連隊)


第6即応機動連隊

 第6即応機動連隊(連隊長・中津健士1陸佐=美幌)は、10月6日から13日までの間、令和7年度秋季然別演習場定期整備に参加するとともに、10月20日から24日までの間、美幌訓練場及び美幌射場定期整備を実施した。

 本整備の目的である、部隊の練度を向上するために練成しやすい道場にするべく、約200名の隊員が参加した。

 整備開始に先立ち、中津連隊長は「目的意識をもって実施せよ」、「実員指揮能力を向上せよ」、「安全管理を徹底せよ」の3点を要望し、各中隊は与えられた整備担任地域を各級指揮官による明確な企図・命令・指示のもと、日々の進捗管理を適切に行い、然別演習場整備では弾着区域整備(不発弾捜索・防火帯整備)、各種9コ射場の整備及び道路整備(全長約20キロ・溜桝等33カ所)を10月12日までに概成させ、旅団の整備進捗に寄与した。

 また、美幌訓練場においては、96式装輪装甲車(WAPC)や16式機動戦闘車(MCV)の走行に支障のある高枝や倒木の伐採、道路脇の除草、溜桝整備、蜂の巣駆除等を実施するとともに、将来の新装備の導入を見据えた訓練構想に基づき、その支障となる財産木の調査を行い、来年度以降の整備に向けた基盤を確立した。

 作業開始前には、各中隊に、その日の整備内容に応じた安全教育を行い、作業間においては、安全係による作業規律指導及び周囲への危害予防、警笛による注意喚起を徹底し、安全に整備任務を完遂した。


北部方面航空隊

 北部方面航空隊(隊長・安達弘典1陸佐=丘珠)は、11月3日から7日までの間、令和7年度袴腰山登山道環境整備及び秋季演習場定期整備を実施した。

 袴腰山登山道環境整備は、平成29年に生起したLR57号機の墜落事故現場の登山道を維持・管理するために毎年実施しており、今年度は、安全ロープ支柱交換、草刈り・草払い、階段補修、側溝等の整備を重点的に実施した。

 また、新着任者を含み整備に参加した隊員は、航空隊航空安全幹部補佐による航空事故の概要説明を受け、事故の風化防止及び安全の重要性を再認識した。

 演習場定期整備は、訓練基盤の機能強化を重視して、北部方面隊の道場化を推進することを目的として実施しており、北海道大演習場(西岡・島松・千歳・恵庭地区)、矢臼別演習場の着陸場等の機能維持を図るため、各地域の使用目的に合致するよう草刈り、支障木の除去、側溝・溜枡の補修等を実施した。

 航空隊長は、着陸場等の現地指導において、隊員を激励するとともに、整備状況を確認し、厳冬期を迎える準備を万全にした。


第5普通科連隊

 第5普通科連隊(連隊長・菊池裕紀1陸佐=青森)は、11月4日~10日の間、岩手山演習場において師団が実施した令和7年度秋季岩手山演習場整備に参加した。

 本整備は、第9師団の道場たる岩手山演習場の機能維持を目的として毎年実施されているものである。第9師団は当初、演習場の機能向上及び機能維持を目的とした師団全力での整備を予定していたが東北地域でのクマ被害対応に伴い演習場整備の規模、範囲も縮小となり、危害予防のため天幕露営も禁止となったことから連日、青森駐屯地から岩手山演習場へ前進する要領となった。同整備において、弾着地域での不発弾捜索及び伐採の任務を付与された連隊の隊員たちは、起伏の激しい足場に苦戦し、かつ自分の背丈まで伸びた大量のススキに行く手をさえぎられつつも、任務間終始安全管理に留意し、最後まで粘り強く整備を実施、一件の事故もなく整備任務を完遂した。

〝影の功労者達〟が活躍

定年前最後の演習場整備

 本整備に参加した重迫撃砲中隊小川曹長は、来年6月に定年退官を迎えることから、本整備が自衛隊生活最後の演習場整備となった。小川曹長は、補給・訓練陸曹として若手隊員に対して機械操作、整備要領等について、これまで培った経験に基づいた整備技術や知識の伝統継承を行った。整備を終えた小川曹長は、自衛隊生活を振り返りながら「機械操作も草の集め方もわからなかった後輩たちが、僅かな指示で機械を持ち、草集めのやり方等を新しく配置になった後輩たちに指導している姿を見て、もう自分達は指導しなくてもよいと感じた。これからも先輩が背中を見せることで伝統の継承をしていってほしい」と述べた。

 また、連隊集成の炊事班は2中隊齋藤3曹を炊事班長として、日の昇らない早朝からおいしく温かい食事の提供に努めた。特に6日の昼食で提供された油淋鶏風からあげとニラかきたまスープは好評であり、整備参加隊員の士気の高揚に大きく寄与した。

 連隊は、整備隊と〝影の功労者達〟が、これまで以上に一致団結したことにより、安全かつ早期に任務を完遂、わが第9師団の道場たる岩手山演習場の機能維持向上に貢献することができた。


第12施設群

 第12施設群(群長・福永信彦1陸佐=岩見沢)は、10月27日から11月5日までの間、「令和7年度秋季演習場定期整備」を北海道大演習場(島松地区)及び然別演習場で実施した。

 整備開始に先立ち、整備隊長である群長は開始式で、「施設科らしい整備」「安全管理の徹底」の2点を要望した。

 北海道大演習場(島松地区)では、第398施設中隊(中隊長・香田1尉)が2戦車道の装軌車道路盤強化整備(D・BOX施工50m)、第399施設中隊(中隊長・市川1尉)が10号道の装軌車道路盤強化整備(ズリ敷設200m)、RC道堆積土除去支援及び装軌車道整備、第400施設中隊(中隊長・中山1尉)が装輪道整備(路面成形・側溝構築)、通信中継所拠点整備及び溜ます浚渫の整備をそれぞれ実施した。

 また、第400施設中隊が機械力をもって、第5旅団を支援し、然別演習場整備に寄与した。

 5日、整備隊長の完成点検を実施し、第12施設群の施設技術及び来年度の春季演習場定期整備に向けた構想について指導し、本演習場定期整備を無事に終了した。

 1日には、駐屯地モニター等の演習場整備見学会を実施した。駐屯地モニター1名、隊員家族2名及び希望する中学生1名の計4名が参加し、旭ヶ丘宿営地の指揮所、宿営天幕及び炊事所等の様子を見学した。その後、野外炊事で調理したジンギスカンを食べていただきき、「とても美味しいです」等の嬉しいお言葉を頂戴し、和やかな雰囲気で昼食を終えた。最後に島松駐屯地広報班長の協力のもと、島松駐屯地の史料館を見学し、演習場整備見学会を終了した。

 今回の演習場整備では、群長要望事項である「施設科らしい整備」「安全管理の徹底」を具現化し、全ての整備任務を完遂する事が出来た。引き続き、方面隊の演習場道場化に寄与するため、特有の施設技術を積極的に発揮して、練度の維持・向上に努めていく。

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