自衛隊ニュース

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「防人」応援隊

小泉大臣へ手交

<笹川平和財団>

写真=小泉大臣に政策提言書を手交


 9月2日、笹川平和財団は「新たな時代における国家安全保障モデル~防衛力の人的基盤強化の視点から~」と題する政策提言を小泉防衛大臣へ手交した。

 同財団は、「笹川平和財団 日米・安全保障研究ユニット総括・交流グループ内に「安全保障戦略のあり方(人的基盤の強化)研究会」を設置しており、昨年5月に政策提言した「防衛力における人的基盤の強化にむけて」に続き第2弾となる。

 今回の提言者は下記の7名。提言書本文も9月2日に公開されており、下記二次元コードより提言書を読むことができる。

 <提言者一覧、敬称略>

 黒江哲郎(元防衛事務次官【座長】)、山崎幸二(元統合幕僚長/元陸将)、村川豊(元海上幕僚長/元海将)、宮川正(元情報本部長/元空将)、柴田弘(元防衛装備庁装備官/元海将)、桜林美佐(ライター/防衛問題研究家)、河上康博(笹川平和財団日米・安全保障研究ユニット総括・交流グループ長/元海将補)



論考集「現代戦研究2026」

出版記念セミナー

<陸修偕行社>

 (公財)陸修偕行社の現代戦研究会は9月5日、東京・市ヶ谷で、論考集「現代戦研究2026」の出版記念セミナー「現代戦を考える」を開いた。座長の鈴来洋志元陸将補のほか、住田和明、山根寿一の両元陸上総隊司令官、本松敬史元西部方面総監、城戸正志元東部方面航空隊長が登壇した。

 「現代戦研究」は、今年で4回目の発刊となる。本書は、我が国の防衛・安全保障の最前線に身を置き、その現場を知り尽くした幹部自衛官が、退官後もなお弛まぬ探究心と危機感を持って研究を続け、現代における戦争の実相を抉り出そうとしている。

 現代の戦争は陸・海・空という従来の領域に留まらない。宇宙、サイバー、電磁波といった「新たな領域」における戦い方の研究は、今や一刻の猶予も許されない喫緊の課題となっている。こうした時代背景を踏まえ、今年は9名の執筆者が、それぞれの研究テーマについて寄稿した。

 出版記念セミナーでは、執筆者代表5名が現代戦の問題点を熱く語る時間となった。



ライフプランセミナー開催<フコク生命>

 富国生命保険相互会社は、「不安をあおらず、正確な金融経済知識を得る機会を習慣化することが重要」として、毎年「ライフプランセミナー」を開催している。8月20日には、陸上自衛隊旭川駐屯地で開催され、29名が参加した。今回のテーマは「老後破産しないための大切な心得」だった。

 セミナーは、「若者向けマネー講座」「老後設計に関する講座」「資産運用」と、聴講者によって内容を変えている。講師は、FP1級(ファイナンシャルプランナー)の資格を持つフコク生命専任講師が行う。毎年120回ほど実施し、約3000名が聴講し、今年度はすでに70回程実施しており、「自衛官の特性を反映した内容で分かりやすい」などと大好評だ。

 自衛官の金融リテラシー向上を目的としたこのセミナー、自衛官のキャリア特性に応じた内容を提供できるので、興味のある駐屯地・基地は連絡をしてみてはいかがだろうか。

【連絡先等】フコク生命業務部基盤管理グループ

 担当:鈴木

 <03‐3593‐7413>


機略縦横(124)

成長するために

航空自衛隊南西航空方面隊准曹士先任
准空尉 屋嘉比 雅亜

 私は自衛隊に入隊して30数年が経過しましたが、これまで多くの方々との出会いや支えによって成長することができたと感じています。その中で、日頃から心掛けていることがあります。

 勤務や生活の中では、思うようにいかないことが少なくありません。そんな時、他人や環境のせいにすることは簡単ですが、それでは自身の成長にはつながらないと考えています。

 私は常に「自分に何ができるのか」「どうすれば状況をより良くできるのか」を考え、前向きに行動するよう努めています。また、人は周囲の影響を大きく受けるものです。私自身、尊敬できる方々や前向きに努力を続ける仲間から多くのことを学んできました。そのため、良い刺激を与えてくれる方々とのつながりを大切にしています。

 また、人を許す心も大切だと感じています。恨みや怒りにとらわれていては前に進むことができません。過去に執着せず、気持ちを切り替えて前進することが成長につながると考えています。

 そして、言葉には人を励ます力と傷つける力があります。だからこそ私は、「ありがとう」や「おはようございます」といった感謝の言葉や挨拶を大切にしています。こうした小さな積み重ねが信頼関係を築き、より良い環境をつくるものと信じています。成長に近道はありませんが、日々の考え方や行動の積み重ねが、自分自身をより良く変えていくのだと思います。

ノーサイド
北原 巖男

今年の「防衛白書」を手にして

 先日発表され、本紙(8月15日付)も紹介している「令和8年版防衛白書」。

 皆さん、もう、ご覧になられましたでしょうか?

 いいえ、中身ではありません。その表紙絵。

 防衛白書と大きく書かれた漢字が無かったら、これが防衛白書だと思う人は、まず、いないと思います。それだけに、インパクト抜群、前代未聞の表紙絵です。

 「表紙の作画 刈谷仁美 氏 ・・・本白書のテーマである『未来につながる安全保障』を表現するために、技術などが発展した先にある未来感のある街並みと、その未来に生きる若者たちの笑顔を表現しています。」(同白書 6ページ)

 ずっしりと重い本白書を手に取る時、少し中身を読んで閉じる時、この屈託のない若い家族(?)の皆さんの笑顔に会います。いいなぁ・・・。筆者が現役の頃には、全く想像することすらあり得なかった表紙です。仮に考える稀有な人がいたとしても、一笑に付されるどころか、一喝され、あっという間にTheEndではなかったか。何かとてもふんわりした温かいものを感じ、ホッとします。

 こういう笑顔がずっと続く平和な日本でなければ絶対ダメ。

 かつてない厳しさ、底知れぬ空気や危惧がつのるわが国周辺の国際情勢。国民の理解と支持の下、抑止力として、最後のよりどころとして、わが国自身の防衛力の整備・強化に努めると共に、唯一の同盟国米国との日米安保体制を揺るぎないものにして行かねばならないことはもちろん、同志国との一層の連帯強化は焦眉の急です。

 今を生きる私たち国民を主導し、国の舵取りをする首相はじめトップリーダーの皆さんには、謙虚に歴史に向き合い、学び、平和を未来に繋げるしたたかな戦略外交、防衛外交の展開が求められます。その最たるものは、「中国の対外的な姿勢や軍事動向などは、わが国と国際社会の深刻な懸念事項であるとともに、これまでにない最大の戦略的な挑戦であり」(白書 40ページ)とする対中国外交・・・こんなことを考えさせられる表紙絵でもあります。

 そんな今年の防衛白書の巻頭言。筆者は、小泉進次郎防衛大臣の次の言葉に目が止まりました。

 曰く「今回の白書では、『プロフェッショナルな自衛隊員』と題する章を新たに設けました。自衛官のみならず、事務官、技官、教官などから構成される自衛隊員一人ひとりが、わが国の平和と独立を守る普遍の使命を担い、それぞれの分野で重責を果たしている姿を紹介しています。」

 具体的には、第Ⅴ部の「人的基盤の強化」の中で、「様々な勤務場所で任務を全うする自衛隊員」および「自衛隊員のキャリアアップ」との見出しの下に、自衛官であると事務官、技官、教官であるとを問わず、等しく防衛力の中核である自衛隊員としての活躍を記述しています。

 かつて筆者は、世の中の関心が、ひたすら約22万人の自衛官の皆さんに向かい、その処遇改善等が大きな脚光を浴びている中、約2万人の事務官・技官・教官の皆さんのことを忘れないで欲しいと訴えたことがあります。「・・・関係閣僚会議の皆さんや国民の皆さんに忘れないで頂きたいのは、防衛省・自衛隊に在って、自衛官の皆さんと一体になって防衛力の重要な基盤を構成している人たちの存在です。・・・彼らは、自衛官と同じ自衛隊員なのです。自衛官同様、自衛隊法施行規則第39条に定める「服務の宣誓」(「・・・事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努め、もって国民の負託にこたえることを誓います。」)を行っているのです。今回の閣僚会議での検討に際しては、こうした彼らの現状や課題等についても、その実態把握等に努める等により、総合的な方策を行っていただきたいと思います。」(2024年11月1日付本欄筆者拙稿「人的基盤の強化、速やかな決断と実行を!」より)

 今回の白書(551~552ページ)は、「・・・2026年3月、防衛省として初めて、事務官、技官などを対象とした「人財戦略」を策定した。防衛省では、この「人財戦略」において職員一人ひとりを人財と位置づけ、「働きがい」の向上と、個人の可能性を最大限引き出すような施策を進めている。昨今の様々な取組と、「人財戦略」に基づく様々な施策を通じて、一人ひとりの職員が、成長実感や国防に貢献している実感を持ち、戦後、最も厳しく複雑な安全保障環境において、国民の期待に真に応えられる組織を目指していく。」としています。この「『事務官・技官等』人財戦略」(防衛省大臣官房秘書課 令和8年3月発行)も明言しているように、「防衛省においては、組織目標を達成するために必須の要素としては、人、予算、装備、情報があると考えられるが、このうち、人が最も重要である。」ことは、論を待ちません。事務官・技官・教官などの皆さんの士気は高揚することと思います。

 しかし、白書の同じページ(552ページ)には、同時に、こんな記述があります。「まずは本省内部部局において、個々人が成長実感を持てる施策や人財マネジメント制度を構築することを目的にしている」と。少なからず肩透かしを受ける感を禁じ得ません。

 「まずは本省内部部局において」ではなく、陸・海・空自衛隊・統幕は言うに及ばず、防衛省・自衛隊全体を巻き込んでの技官・事務官・教官などを対象にした構築を、大変でしょうが、「急がばまわれ」、最初から目的にするほうがよかったのでは・・・。

 当該「人財戦略」の中に掲載されているデータを見ても、本省の事務官・技官等の定員は2万人の僅か7%。しかも、内部部局の構成は、事務官・技官等がほとんどを占める組織。自衛官は極少。反対に、自衛官が圧倒的に多いのが陸・海・空・統幕。その中で頑張っている事務官・技官等の皆さんの定員は、2万人の62%に及びます。

 「まずは本省内部部局において」構築されたものが、各自衛隊を含む防衛省・自衛隊全体に対して普遍性を持ち得るだろうか・・・。内部部局だけに留まってしまうようなことにならなければいいが・・・。一OBである筆者の杞憂であることを願って止みません。

 今、この時間も、全国各地の事務官・技官・教官などの皆さんは、自衛官の皆さんと一緒に、常に国民と共に在る国民の自衛隊員として、いかなる事態の生起に際しても、しっかり国民の負託に応えて行くべく黙々と頑張っています。

 全ての自衛隊員の皆さんに、静かに力いっぱいの声援を送りつつ白書を閉じます。


北原 巖男(きたはらいわお) 元防衛施設庁長官。元東ティモール大使。現日本東ティモール協会会長。(公社)隊友会理

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