自衛隊ニュース
自衛隊指揮官幹部会同
高市首相と小泉大臣が訓示
写真=訓示に立つ高市首相
令和8年度自衛隊指揮官幹部会同が9月2日、防衛省で開かれ、自衛隊最高指揮官の高市早苗首相と小泉進次郎防衛大臣が、事務次官、統合幕僚長、陸海空自衛隊幕僚長をはじめ、各指揮官や幹部等約160人に訓示した。高市首相は、安全保障環境が一層複雑化する中、今年中に改定する「三文書」について、AIや無人アセット、事態の長期化への備えなどを主要課題とする考えを示し、「これまでの『常識』を疑う目」を持ち、組織や制度を不断に見直すよう求めた。また、現場の声を意識的に吸い上げ、「衆知」を結集する重要性を指摘した。小泉大臣は、防衛力の変革は現場の課題に向き合い、知恵を出し合い、試行錯誤を重ねる中で実現するものとし、幹部に「変革の受け手ではなく担い手」として先頭に立つよう求めた。さらに、同盟国・同志国との連携強化と、隊員や家族が安心して任務に専念できる組織づくりを求めた。
熊本地震 被災者支えた自衛隊
首相「全ての隊員に心からの感謝と敬意」
写真=掃海母艦「うらが」による入浴支援「浜の湯」の利用者から届いたメッセージ=佐世保地方総監部Xより
7月28日午後4時27分ごろ、熊本県熊本地方を震源とする最大震度7の地震が発生してから約1カ月半が経過したが、自衛隊による災害派遣活動は今も続いている(9月9日時点)。
8月末時点では約5100人態勢で、給水や入浴支援のほか、PFI船舶「はくおうⅡ」による宿泊・食事支援などを実施。その後、活動地域や内容を絞り込み、9月2日には約1100人態勢に縮小。9月6日には宇土アリーナでの入浴支援を終了し、9月6日からは約800人態勢となった。9月9日には、宇城市の小川防災拠点センターでシャワーによる入浴支援を行うとともに、八代港の「はくおうⅡ」で入浴支援等と、9月7日からの2泊3日の宿泊・食事支援を実施した。小川防災拠点センターでの自衛隊による入浴支援と、「はくおうⅡ」による入浴・宿泊支援は、いずれも9月13日をもって終了する予定となっている。
高市早苗首相は9月2日の自衛隊指揮官幹部会同で、発災直後からの航空機による情報収集や人命救助、物資輸送、給水、入浴支援などを挙げ、「できることは、全てやる」という決意を現場で具体的な行動として実現していると評価。自身や家族が被災するような困難な状況の中で、任務に当たっている全ての隊員に対し、「改めて、心からの感謝と敬意を表します」と述べた。
小泉進次郎防衛大臣は9月4日の会見で、自衛隊の活動を振り返り、迅速な初動や、24時間以内のクーラー輸送、人命救助と生活支援を同時に実施できたことなどを評価した。また、関係省庁や自治体、民間との連携、「はくおうⅡ」による支援、日米の迅速な協力にも言及し、今回の課題を次の災害対応につなげる考えを示した。
中部方面隊は給水支援に従事
7月28日に発生した熊本地震において、中部方面隊は、被災地での生活インフラの支援と住民の方々の不安解消のため、7月31日から8月13日までの間、現地で災害派遣活動に従事した。
中部方面後方支援隊が支援隊長として全期間従事したほか、第3後方支援連隊・第13後方支援隊が7月31日から8月7日まで、中部方面衛生隊・第10後方支援連隊・第14後方支援隊が8月7日から8月13日まで、給水支援を実施した。
各給水支援隊は、断水により深刻な水不足に陥っていた地域や施設に対し給水活動を行い、被災者に迅速な支援を行った。
【災害派遣に従事した隊員の声】
派遣隊長 中部方面後方支援隊 第101補給大隊 小崎勇佑3陸佐
「熊本までの長距離にわたる機動、不慣れな土地における活動など、不安な面もありましたが、無事に任務を完遂することができ、ひとまず安心しています。被災した方が一日も早く元通りの生活を送れることを願っています」
中部方面後方支援隊 第101補給大隊 第1補給中隊 豊村秀太1陸士
「私は今回、災害派遣に初めて従事しました。八代市や宇城市の病院に給水支援を行う中で、断水により逼迫した被災地の状況を目の当たりにし、必要な場所において迅速に支援を行うことの重要性を改めて実感しました」
中部方面衛生隊 第304救急車隊 岩渕颯3陸曹
「病院等への給水支援任務を遂行する中、倒壊・損傷した家屋を実際に目の当たりにし、被害の大きさを実感しました。今回の経験を忘れず、引き続き有事に備える意識を持ち、今後の任務に生かしていきたいです」