自衛隊ニュース

ゲッキーのイラスト

陸自の屋台骨を支える業務隊

駐屯地業務隊等に対する陸幕長表彰式

写真=荒井陸幕長から表彰状を受け取る小林朝霞駐屯地業務隊長


 陸上自衛隊は7月9日、「令和8年度駐屯地業務隊等に対する陸幕長表彰式」を実施し、全国の駐屯地等で優れた成果を挙げた業務隊等を表彰した。受賞部隊は、部隊支援や駐屯地運営、隊員の生活・勤務環境の改善などにおいて創意工夫を重ね、部隊の任務遂行に大きく貢献したことが評価された。

 部隊の任務を支える業務は、日々の地道な積み重ねによって成り立っている。本表彰は、そうした努力や創意工夫を称えるだけでなく、その成果を陸上自衛隊全体で共有し、より良い駐屯地運営や部隊支援につなげることを目的としている。

 陸上幕僚長は訓示で、「各部隊の態勢等を支えるのは、各駐屯地であり、各演習場であり、その機能を維持管理する業務隊等である」と述べ、厳しさを増す安全保障環境の中で、業務隊等が部隊の即応性と持続性を支える不可欠な存在であることを強調した。また、「諸官たちの努力は時に目立たないもの」であるとしながらも、「陸自の屋台骨を支えていることに誇りを持ち、引き続き誠実に業務に励んでもらいたい」と激励。演習で得られた教訓を平素の業務に反映するとともに、隊員の生活・勤務環境の改善や部隊育成を通じ、常に「運用にいかに寄与するか」を念頭に任務に取り組むよう期待を寄せた。

 受賞部隊と主な功績は以下の通り(カッコ内は部隊長)

【北方】

〇留萌(大嶺和彦2佐)

※3年ぶり4回目

・段階的な訓練を計画・実施し、部隊能力を向上

・補給品受領時の駐屯地内渋滞防止のため迂回路を整備

・独自掲示板「駐屯地KAIZENポスト」を運用

〇遠軽(津國孝広2佐)

※3年ぶり3回目

・補給品交付・物品引継ぎに関する練度を向上

・各種演習等で隊員名簿と家族支援ツールとの照合を行い、実効性を向上

・草刈りロボットなどを導入し省人化を推進

〇上富良野(角楯真一2佐)

※13年ぶり2回目

・支援実績を蓄積し、補給品受領時間を把握

・演習場共通資材を管理・貸出し、部隊負担を軽減

・カーシェア導入で営内の生活勤務環境を向上

【東北方】

〇岩手(清野寛光2佐※連続受賞部隊長)

※2年連続3回目

・キッズルームを常設し緊急登庁支援態勢を確立

・熊出没に対し自治体等と連携して対策を実施

・マイクロバス運行で営内者の生活環境を改善

〇大和(宮川治彦2佐)

※初受賞

・演習場手続きを効率化するシステムを構築

・宅配ボックス設置で宿舎の利便性を向上

・車両運行管理システムを整備し安全管理を強化

【東方】

〇相馬原(堀川佳紀1佐※連続受賞部隊長)

※3年連続5回目

・物流業務移管訓練で円滑な移管要領を確認

・中央病院と連携しオンライン診療を実施

・休日シャトルバスを運行し生活環境を改善

〇朝霞(小林將浩1佐)

※6年ぶり4回目

・通過部隊の動線を改善し通過支援を効率化

・関連企業との協定で緊急調達体制を確立

・方面隊初のシッターサービスを開始

〇施設学校(𠮷春隆史将補)

※5年ぶり2回目

・交通統制要領を具体化し通過部隊支援の実効性を向上

・各駐屯地・協力団体と連携し家族支援を推進

・診療体制を整備し医務室利用の利便性を改善

〇駒門(田中亨2佐)

※12年ぶり2回目

・災害時の駐屯地運営の実効性および部隊練度を向上

・補給品集積地域を整備し集積・交付能力を向上

・五感に訴える生活・勤務環境改善を推進

〇古河(佐野能秀2佐)

※5年ぶり3回目

・業務マニュアルの見直しにより能力を向上

・「つぶやき板」で隊員要望を把握

・委託業者と応急献立訓練を合同実施

【中方】

〇姫路(倉本貴史2佐)

※初受賞

・防災演習で情報共有要領を確立

・家族安否確認要領と協力団体との連携を強化

・生活隊舎にWi‐Fiや大型冷風機などを整備

〇八尾(川端浩義2佐)

※5年ぶり2回目

・防災演習と連携し災害対処計画の実効性を向上

・安否確認実働訓練で家族との連携手順を確立

・緊急登庁支援訓練で備品組み立てなどの作業時間を確認

〇守山(大森亮1佐※連続受賞部隊長)

※6年連続8回目

・家族会と連携し実動による安否確認訓練を実施

・車両整備地域を拡大し利便性を向上

・子育て支援研修で緊急登庁支援要員の技量を向上

〇高知(西森英二2佐※連続受賞部隊長)

※2年連続4回目

・防災ヘリ連携や応急給電訓練を実施

・営内居室を改修し生活・勤務環境を改善

・イートインルームを整備し利便性を向上

〇出雲(堀裕次2佐)

※8年ぶり2回目

・子弟預かり所を設置し家族支援への理解を促進

・宅配ボックス設置など生活環境を改善

・「業務隊PRESS」を発行し積極的に情報発信

【西方】

〇健軍(小田島邦弘1佐)

※2年ぶり2回目

・給油給水、宿泊提供など展開部隊の支援態勢を確立

・災害時の駐屯地運営要領を見直し

・女性専用相談窓口を開設し支援を強化

〇久留米(木原好浩2佐※連続受賞部隊長)

※6年連続10回目

・狭小化に対応した通過部隊支援要領を確立

・「KIDS・MAMA」を開設し女性活躍を支援

・WRS会同の意見を早期反映し生活・勤務環境を改善

〇北熊本(大江良治1佐)

※2年連続2回目

・体育館に生活環境を整備し通過部隊を支援

・部外講義によりメンタルヘルスを強化

・臨時健康診断計画を策定し即応性向上に寄与

〇湯布院(山下雄二2佐)

※7年ぶり3回目

・演習成果を蓄積し通過部隊支援要領を確立

・道路舗装・排水整備で安全な車両走行を確保

・疾患保有隊員の完治を促進

 ※部隊長名は受賞時点のものです。


スペシャルコンサートin仙台

<陸上自衛隊中央音楽隊>

写真=中央音楽隊&東北方面音楽隊によるアフリカン・シンフォニーの熱演!動物の鳴き声が聞こえたようだった


 7月26日、全国防衛協会連合会(会長・泉澤清次)と宮城県防衛協会(会長・藤崎三郎助)主催の「陸上自衛隊中央音楽隊スペシャルコンサートin仙台」が、仙台市にある東北大学百周年記念会館川内萩ホールで開催された(協力・陸上自衛隊東北方面総監部と自衛隊宮城地方協力本部)。

 全国防衛協会連合会が地域の防衛協会と陸上自衛隊中央音楽隊の演奏会を主催するのは、沖縄(西方)・北海道(北方)に続いて3回目。陸上自衛隊中央音楽隊の仙台での演奏会は28年ぶりだという。世界水準の音響設計されたホールに「杜の都に響く 伝統の音」をテーマとした華やかな時間が流れた。

 国歌斉唱から続く第1部は、演奏科長鈴木聡3等陸佐の指揮によるもの。「オリンピック東京大会ファンファーレ」から始まった。陸上自衛隊中央音楽隊は、昭和39年のオリンピック東京大会でも演奏、歴史を感じられる。3曲目の「アヴェ・マリア」のサクソフォーンは仙台出身の小笠原3曹による独奏で、4曲目の「SEIMEI」は、仙台市出身のフィギュアスケーター羽生結弦さんがアイスショーで使用する曲…と今回は全体を通して地域の色彩が楽器の輝きと共に光を放っていた。

 第2部(指揮・志賀亨隊長)の1曲目は、陸上自衛隊中央音楽隊のために昨年委嘱された行進曲「天つ矛~Lightning Spear」。闇を照らす光のような凛とした精神と、秘めた熱き想いを伝統の技で奏でた。2曲目は打って変わって「もしもピアノが弾けたなら」を陸上自衛隊中央音楽隊が誇るCBボーイズの4人が爽やかに歌い上げた。次の「ジャパニーズ・グラフィティXⅡ」では、銀河鉄道999~宇宙戦艦ヤマト~銀河鉄道999が演奏された。音の流れがうねりとなって宇宙の世界へ迷い込むような、連れて行かれるような感覚に陥った。その後続く「交響的序曲」「東北復興記念作品・キボウノカゼ」「アフリカン・シンフォニー」は、東北方面音楽隊との共演だった。志賀隊長は東北方面音楽隊長の勤務もあり、11年ぶりの同音楽隊との共演となった。

 今回の合同演奏は音楽隊同士も繋ぎ、地域の方々と共に前へ進む推進力となっていることだろう。演者も観客も会場も身体を全て使って操る志賀隊長のコメントの一部「心を通わせてくれてありがとう」の一言にグッとくるものがあった演奏会だった。

 全国防衛協会連合会は「自分の国は自分で守る」をモットーに、防衛意識の高揚を図り防衛基盤の育成強化に寄与するとともに、自衛隊の活動を支援・協力することを目的とした民間の全国組織であり、来年度も音楽を通じて自衛隊との国民の距離を繋げようと「陸上自衛隊中央音楽隊 スペシャルコンサート」を計画している。「今回のコンサートが自衛官の募集や就職援護に貢献できることを期待する」と全国防衛協会連合会は期待を述べている。

ユーカラコンサート ザ・ファイナル
64年間の感謝を込めて

<第1特科団音楽隊>

写真=今年度で活動を終了する第1特科団音楽隊


 第1特科団音楽隊(隊長・佐野曹長)は、6月21日、北ガス文化ホールにおいて「ユーカラコンサート ザ・ファイナル2026」を開催した。

 64年間にわたり地域に親しまれてきた第1特科団音楽隊は、今年度で活動を終了することを予定しており、今回が最後の「ユーカラコンサート」となるため、これまで支えてくださった地域住民の皆様への感謝の気持ちを込めて演奏を披露した。

 当日は、第7音楽隊の支援を受けるとともに、ゲストとして市内中学校吹奏楽部が出演し、合同演奏では音楽隊OBにも参加いただき世代を超えた音楽の魅力を届けた。

 会場を埋め尽くした来場者からは、大きな拍手がおくられ、64年の歴史を締めくくるにふさわしいコンサートであり、感動あふれるフィナーレとなった。

紙面一覧
紙面一覧
close