自衛隊ニュース
再就職・家族支援、人材育成 関係機関と協定締結
写真=協定書を手にする鹿子島東京地本長(右)と五島警視庁人事第2課長
警視庁と任期制自衛官再就職で協力
<東京地本>
「任期制自衛官満了後は警察官へ」--。東京地方協力本部は8月5日、警視庁と任期制自衛官の再就職等に係る協定を締結。東京都千代田区の同庁で行われた協定締結式に鹿子島洋東京地方協力本部長が出席し、五島信仁警視庁人事第2課長とともに協定書に署名を行った。
協定は、少子化等に伴い人材の獲得競争が激化する中、同じ公安系職種として採用活動をさらに協力していくことを目指し締結された。東京地本が提案し警視庁が快諾した。
締結された協定は、「募集採用活動に関する協力」と「任期制自衛官の再就職に関する協力」の2項目。
このうち「任期制自衛官の再就職」の協力では、任期制自衛官(陸上自衛官は約2年、海上・航空自衛官は約3年を1任期とする)に対し、任期満了後の再就職先として警視庁を選択してもらうよう、同庁の採用試験を受験するための環境整備などを行う。
鹿子島本部長は協定締結後、「任期制自衛官の中には退職後、警察を希望する隊員が一定数おり、そうした隊員への再就職援助の充実につながる。自衛隊と警察の両方を考えている新規の応募者に対しては、まず任期制自衛官として入隊していただき、その先のキャリアパスの多様性として提案することができる」と語った。
任期制自衛官の退職後、警視庁へ再就職する隊員はこれまでにもいたが、今後は東京地本と同庁が組織的にバックアップする。
五島人事第2課長は「自衛官として培った知見や技能、資格を生かし現在も多くの方がいろいろな職種で活躍している」と語った。さらなる採用増に向けて、任期制自衛官に特化した採用説明会の開催なども予定している。
京都産業大学とは人材育成分野で
<舞鶴地方総監部、海自第4術科学校、京都地本>
舞鶴地方総監部(総監・西脇匡史海将)、海上自衛隊第4術科学校(学校長・貴田幸典海将補)、自衛隊京都地方協力本部(本部長・木ノ下憲一郎1陸佐)は、7月15日、学生数約1万5000名を有する京都産業大学(学長・在間敬子氏)と人材育成を図ることを目的とした包括的連携協定を締結した。
第4術科学校と京都産業大学は、同校創立以来50年以上にわたり各種行事や教育分野において交流を重ねてきた。また、京都産業大学と自衛隊京都地方協力本部は、講師の派遣やインターンシップなどの取組みを実施してきた。これを背景として、より継続的かつ体系的な連携を推進するため、舞鶴地方総監部を加え本協定の4者締結に至ったものである。
協定締結式では、各代表者が挨拶を行い、協定締結に至った経緯や今後の連携への期待が述べられた。続いて協定書への署名を実施し、新たな協力関係のスタートを確認した。
自衛隊側は、大学が有する専門的知見や研究成果に触れることで教育訓練や人材育成の充実、特に、隊員に対する教養の深化に期待でき、大学側にとっては、安全保障に係る実践的な知識や経験に触れる機会が増え、教育の充実、視野の拡大等、実践力を備えた人材育成に期待できる。
京都産業大学の在間敬子学長は、「自衛隊の皆様の豊富な実務経験や高度な専門的知見を学ぶことは、学生が実社会を理解し自ら考え主体的に行動する力を獲得するうえで意義深い」と述べた。
海上自衛隊が大学とこのような協定を締結するのは初めてである。
「後顧の憂いなく」家族支援で連携強化
<小松基地>
小松基地(司令・野村信一空将補)は、8月4日に小松基地において石川県における隊員家族の支援に対する協力に関する協定締結式を開催した。
締結式には、小松基地司令の野村将補、輪島分屯基地司令の田澤2佐、石川県自衛隊家族会の小林会長、石川県隊友会の浅加会長が出席し、隊員家族の支援に対する協力の内容、調整窓口及び情報管理等が記載された協定書に署名した。
その後、小松基地司令は、「日本は世界の大地震の約20%が発生している地震大国で、協力して災害を乗り越えてきた。家族支援は、「自助」、「共助」、「公助」の3つの柱で成り立つもので、今回の協定により「共助」が強化され、隊員が災害派遣に従事する際、後顧の憂いなく「公助」たる任務を完遂できる」と挨拶した。
締結式終了後は、給食小隊の若手隊員が考案した「夏野菜カレー」に舌鼓を打ちながら、和やかな雰囲気で会食を行い、今後の連携強化を確認した。
【メモ】自衛隊は再就職支援を強化しており、令和6年に国土交通省や自動車運送業関係団体と人材確保に関する申合せを締結。その後、警備、建設、農林水産業、郵政事業などへ連携分野を拡大している。また家族支援では、令和7年3月に家族会、隊友会と省統一の協定を締結し、隊員が安心して任務に専念できる環境づくりを進めている。
機略縦横(123)
環境適応能力
海上自衛隊幹部学校先任伍長
准海尉 迫田 和美
誰しも通る道ですが、自衛隊に入隊して、最初の課題のひとつは「団体生活」だと思います。この時に「環境適応能力」を養うことができます。今まで実家暮らしの経験しかない方は、特に不安なことでしょう。
しかし不思議なことに「同じ釜の飯を食う」体験をすると、一体感が生まれるのです。私自身、入隊時出会った同期とは今でも連絡を取っています。また、自衛隊は「転勤」があります。私はこの仕組みがあったおかげで、色んな場所で勤務することができ、色んな方との出会いがあり、今ここにいること感じています。幼少期、海自OBの父は転勤が多く、家族帯同で転勤していました。そのおかげで、どこでもやっていける「環境適応能力」を養うことができました。その意味で両親には感謝しています。
教育隊の話に戻りますが、団体生活になじめず、退職してしまう隊員がいることも事実です。一人でも多くの新入隊員が「同期や班長と出会えてよかった」という想いを胸に、部隊で「環境適応能力」を磨いて頂けると幸いです。先任伍長をはじめ、部隊の隊員は、新入隊員の皆さんを全力でサポートします。