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令和8年熊本地震 総力で被災地支援

写真=給水支援を行う陸自隊員=第8師団HPより

   

即応から継続支援へ

 7月28日午後4時27分ごろ、熊本県熊本地方を震源とする地震が発生。最大震度7を観測した。小泉進次郎防衛大臣は同日、陸・海・空自衛隊に人命救助を最優先とした活動を指示。午後5時30分には熊本県知事から災害派遣要請を受け、第8師団が3600人態勢で活動を開始した。後に約5100人態勢へ増強された。航空機20機による情報収集や熊本県庁などへの連絡員派遣と並行し、第42即応機動連隊等がイオンモール熊本で救助活動に着手。翌29日には重機による瓦礫撤去やドローンによる建物内の確認、日本製紙八代工場でも救助活動を行った。

 人命救助と同時に、生活支援も展開。29日には給水支援を開始し、人工透析に必要な水が不足した病院にも対応した。31日には熊本市の火の君文化センターで入浴支援を開始。8月1日には海自の「えんしゅう」「ぶんご」でも入浴支援を開始した。2日からは「くにさき」も加わり、入浴に加え、洗濯、充電、健康相談、キッズスペースなど支援を拡充した。

猛暑下で

 今回は真夏の発災となったことから、暑さへの対応を早期に実施した。7月29日には発災から24時間以内に、関係省庁と連携して空自C2でクーラー約300台を空輸。8月3日には水循環型シャワーセット80セットをC2、C130で輸送した。4日にはPFI船舶「はくおうⅡ」が八代港に到着し、翌5日から入浴支援とクーラーの効いた休憩場所の提供を開始。自治体の要望を踏まえ、浴槽による入浴ではなくシャワーを中心とするなど、被災者のニーズに応じて支援内容を変化させた。また隊員も冷却ベストやコールドスプレー、保冷剤を活用し、熱中症対策を講じながら任務を継続した。

平時からの連携活かす

 こうした背景には、自衛隊が平時から自治体や関係機関と築いてきた連携がある。熊本県とは、自衛隊、警察、消防、市町村などが参加する訓練を重ね、「顔の見える関係」を築いてきた。今回も発災直後から県や関係機関との情報共有、救助、調整を進め、それぞれの役割を生かした迅速な初動対応につなげた。さらに関係省庁や民間事業者等とも連携。「はくおうⅡ」では内閣府などと連携して船内で初めてJMAT(日本医師会災害医療チーム)による医療支援も実施した。また、米軍も約45トンの救援物資を熊本へ輸送。日米同盟の絆を内外に示した。

大臣、隊員と家族に感謝

 8月23日、小泉大臣は現地を視察し、隊員らを激励した。視察後の会見では今回の活動を「発災から24時間以内のクーラーの輸送、人命救助活動、給水支援活動、入浴支援活動、関係機関との連携など、過去に例のないオペレーション」と評価。「内局、各幕僚監部、各部隊の隊員に至るまで一体となって、スピーディーに対応してくれた」と述べた。現地の隊員の「笑顔で、誠実に、そして黙々と任務に向き合う」姿に触れ、「全ての隊員を誇りに思う」と強調するとともに、活動を支えた家族にも感謝を表した。

 また、今後の支援については「災害対応は、自衛隊だけで全てを担うのではなく、それぞれの関係省庁が持つ能力を最大限に結集することで、より質の高い、きめ細やかな支援を届けることができる。自衛隊は、現在も生活支援を継続しているが、今後も、被災された皆様の生活を支えるため、自治体の要望を丁寧に伺いながら、適切な支援に努めていきたい」との方針を示した。

帰宅困難者をバスで輸送

令和8年8月千葉豪雨

写真=蘇我駅でバスに乗込む帰宅困難者=防衛省提供

 

 8月13日夜から、線状降水帯の発生による記録的な大雨の影響で、千葉県ではJR蘇我駅周辺に約4000人の帰宅困難者が発生した。この豪雨では、死者13人、行方不明者1人、負傷者46人、住宅被害約4100件などの被害が発生した(8月23日時点)。14日午前5時、千葉県知事から陸上自衛隊第1師団長に対し、人員輸送等の支援に係る災害派遣要請があり、同時刻に受理した。

 これを受け、午前6時45分以降、第1空挺団(習志野駐屯地)と高射学校(下志津駐屯地)が輸送支援を開始。第1空挺団の大型バス3両と高射学校のマイクロバス3両、計6両を使用し、蘇我駅から一時滞在施設の千葉県文化会館等へ帰宅困難者を順次輸送した。また、千葉県庁と千葉市役所に連絡員を派遣し、自治体との連絡調整にもあたった。今回の派遣では、約370人を輸送。午前9時14分、必要な輸送任務が完了したことから、千葉県知事から撤収要請を受け、活動を終了した。

 今回の派遣は、大雨によって都市部で大量の帰宅困難者が発生する中、自衛隊の輸送力を活用し、自治体の対応を補完した事例となった。

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