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第176回定期演奏会
<陸上自衛隊中央音楽隊>

写真=音楽科新隊員後期教育による大合唱


 9月19日、東京池袋の東京芸術劇場コンサートホールで陸上自衛隊中央音楽隊(隊長・志賀亨1陸佐)が第176回定期演奏会を行った。倍率3・7倍の抽選で当選した約1700名が中央音楽隊の演奏に酔いしれた。

 演奏会の幕開けとしては隊長志賀亨1陸佐の指揮により「君が代」から始まった。第1部の指揮は副隊長柴田昌宜2陸佐。1曲目は、イタリア第2の国家として歌い継がれている『歌劇「ナブッコ」序曲』を指揮。普段はオーケストラによる演奏が多い作品であるが、今回の吹奏楽の演奏も力強く艶やかな平和への祈りの演奏であった。2曲目は『斐伊川に流るるクシナダ姫の涙「2022年版」』で、出雲の国の時の流れを受け継いできた祈りの精神が宿る曲だという。音楽で語るように表現される悲しみや戦いはグッと来るものがあった。3曲目『行進曲「美中の美」』、この曲は行進曲の中でも最も美しい旋律を持っていると言われるスーザの代表曲。4曲目、中央音楽隊のために八木澤教司氏が戦後80年を背景に「祈り」をテーマとして作曲した『遙か祈りの書」の世界初演。音楽の力で世界の平和を願う正に祈りの音楽だ。演奏前の「間」に指揮者の祈りを感じ、そこから導かれる迫力と優しさ…。八木澤教司さん本人も演奏前のプレトークに参加し、「言葉を超えた祈りの声、音楽が紡ぎ出す祈りの声が平和への道しるべとなることを祈っています」と語っていた。また、演奏後にも登壇し、鳴り止まない拍手のシャワーを浴びていた。

 第2部からは、中央音楽隊長志賀亨1陸佐による指揮となった。まずは『祝典序曲「祈りは時の流れに輝く」』これは仙台第一高校吹奏楽部50周年記念のために作られ、冒頭の祝典ファンファーレから駆け抜ける疾走感溢れる作品。来場者への「感謝と発展」の祈りがこもった演奏であった。6曲目は中音のために書き下ろした三浦秀秋さんの新アレンジでラフマニノフ作曲の「ヴォカリーズ」。中音の歌詞なき声が楽器の音色に乗せて聴こえてくる。哀愁の漂うこの作品は、まるで祈りの波のようだ。

 最後は、『吹奏楽のための交響詩「ぐるりよざ」』。第1楽章「祈り」では、変奏を重ねて重ねて原型を留めない終焉の音楽、形を変える祈りだ。第2楽章「唄」は、遠い昔に聞いたことのある旋律の上を物悲しい祈りの音が流れる。神聖すぎて体が固まってしまった最後から、一転して元気な第3楽章「祭り」へと移り変わっていく。コーラスと打楽器とで大きな波を作っていき、太い水柱が上がり天に登っていくような高揚感の壮大なクライマックス~~是非、一度聴いていただきたい。

 アンコールでは、映画プライベートライアンから今年4月に入隊し各地の音楽隊へ入隊予定の51名がコーラスとして参加。コーラス入りの「戦没者への讃歌」と行進曲「木陰の散歩道」。改めて行進曲は中央音楽隊の十八番だと思わされた。全ての祈りが届きそうな、中央音楽隊らしいビシッとした終わり方にいつまでも拍手が鳴り止むことはなかった。志賀隊長は「戦後80年の節目に来場頂いた皆様と最高の時間を共有することができた」と思いを語った。

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昭和世代から令和世代へ

陸上自衛隊情報学校
最先任上級曹長 准陸尉 羽立 英幸

 人生の価値は、成功の数ではなく経験の質によって形づくられます。特に失敗や挫折は避けるべきものではなく、学びの機会として重要な意味を持ちます。成功は一時的な結果に過ぎませんが、困難に直面した時に考え、選択し行動した過程こそが人を成長させ、人生に重みを与えます。

 若い世代はしばしば「効率的な道」や「正解」を求めがちです。しかし現実には最短の道が必ずしも最良の道ではありません。遠回りや失敗を通して得た経験は、将来の意思決定において大きな資産となります。たとえば、計画通りに進まなかった経験は、柔軟性や問題解決力を育みます。また、困難を共に乗り越えた人との関係は、長期的に強固な信頼を築きます。

 重要なのは「失敗を恐れて行動しない」ことではなく、「行動し、その結果を糧にする」姿勢です。挑戦しなければ新しい発見も成長もありません。転んだ回数は問題ではなく、立ち上がり続ける姿勢こそが評価されるべきです。

 人生は白紙のキャンバスに例えられます。描く内容を決めるのは他人ではなく、自分自身です。軽さを避け、経験を積み重ね、思考と行動を伴った「重みのある人生」を築いてください。その選択は、今日から始めることができます。

グラヒル館長からお知らせ!

 いつもグランドヒル市ヶ谷をご利用いただきありがとうございます。

 お知らせがございます。

【その1】

 10月限定でエンドレスハッピーアワーを実施します!グラヒルのハッピーアワーは時間制限がありません(笑)。ビールが450円、赤ワイン、白ワインがそれぞれ290円、ハイボールも290円でご提供。サルビア、ふじの両店で実施予定です。

【その2】

 月曜日限定で12時30分から提供していたカレー、10月以降は11時30分からランチタイム限定でご提供します(1300円)。

【その3】

 年末までの月曜日限定でチラシの割引券をご持参いただくと防衛省職員及びOB・OGの方は、ランチ2割引になります。

 チラシは厚生ニュースやホームページからダウンロードしてください。代表者が防衛省職員及びOB・OGであれば、防衛省職員等でない同席者の方も2割引になります!

 詳しくは、当ホテルのホームページをご覧ください!ご利用をお待ちしております!(館長・三貝哲)

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