自衛隊ニュース

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令和7年度通常総代会
<防衛省職員生活協同組合>

 防衛省職員生活協同組合(理事長・武藤義哉、以降「防生協」)は9月25日、ホテルグランドヒル市ヶ谷で、陸海空自衛隊および機関等の総代114名の出席を得て(書面議決書・委任状を含む)「令和7年度通常総代会」を開催した。

 審議に先立って武藤理事長が挨拶を行い、防生協の現状をアンパンマンになぞらえて説明した。翌日がNHKの朝ドラ「あんぱん」の最終回放送日だった。アンパンマンは絵本の出版から十数年が経って、テレビアニメの放送をきっかけに広く知れわたり大ヒットした。武藤理事長は、防生協の共済も大ヒット前のアンパンマンと同じで、その良さがまだまだ浸透していないのではないかと惜しむ。「コスパに優れた防生協の共済が、結婚等の機会で保険を見直す時に選択肢として挙がらないのは、組合員の方にとってももったいないことだ」と述べ、この日参加した総代等にそれぞれの持ち場で認知度を上げてもらうよう協力を呼び掛けた。

 ついで、陸上自衛隊中央業務支援隊総務部長の小林豊1陸佐が議長に選出され、亀山慎二専務理事の説明のもと、(1)令和6年度防衛省職員生活協同組合事業報告書及び附属明細書承認の件、(2)令和6年度貸借対照表、損益計算書及び附属明細書報告並びに令和6年度剰余金処分案承認の件、(3)令和7年度事業計画案承認の件、(4)令和7年度予算案承認の件、(5)火災共済の総支払限度額引き上げ案承認の件、(6)防衛省職員生活協同組合定款等の一部改正案承認の件、(7)役員の任期満了等に伴う新役員選任の件、(8)役員退職慰労金支給承認の件、(9)役員報酬等案承認の件の9つの審議がなされ、全てが議決、総代会は滞りなく閉会した。

時代のニーズに合わせて進化する防生協

 令和5年に小手指のコールセンターが本格稼働、翌年には50代で定年を迎えた自衛官も60歳までは現役時代とほぼ同じ保障が受けられる「延長プラン60」が始まった。そして来年7月からは大きく改訂された火災共済がスタートする予定だ。また今後、デジタルトランスフォーメーション(DX)化を推し進め、ペーパーレス化をはじめとした組合員が利用しやすいように業務を効率化する。

 武藤理事長が「アンパンマンも子どもが親しみを覚えるように3頭身になったり、キャラクターが増えたりと変化していった」と言うように、防生協も組合員のため、時代のニーズに合わせて進化している。


ノーサイド
北原巖男

「一つ一つ」「一歩一歩」

 嬉しいニュースが飛び込んで来ました!

 10月6日、ノーベル財団は、今年のノーベル生理学・医学賞に、大阪大学免疫学フロンティア研究センター特任教授の坂口志文(さかぐち しもん)博士の受賞を発表しました。個人での日本のノーベル賞受賞者は4年振り。湯川秀樹博士以来、アメリカ国籍を取得した人を含めて、29人目の日本人ノーベル賞受賞者とのことです。

 受賞決定を受けた当日の記者会見。坂口博士は、免疫反応をいかに負に制御するかの研究を行って来た旨を、穏やかに話されると共に、学生の皆さんや共同研究をして来られた皆さんに心からの感謝を表明されていました。

 そして、今後共研究を続け、患者さんの治療につながるようなことをやって行きたい、寄与出来るように努めて参りたい旨、語っていました。翌日の各紙は、「ガン・糖尿病治療に道」等、大きく報じています。

 席上、記者から座右の銘・信念について問われた坂口博士は、チョット困ったような表情をされ、少し間を置いてから、次のような趣旨を答えられました。とても印象的で、筆者はドキッとしました。

 「四文字熟語のような信念はありません。高尚な四文字熟語ではありませんが、敢えて言えば、自分に言い聞かせていることとすれば、〝一つ一つ〟ということだと思います」

 共同研究者の一人である齊藤 滋富山大学長は、「坂口先生は、非常に穏やかで本当にまじめな方で良い人」と語っています。筆者は、坂口博士にお会いしたことはありませんが、何か人間的な親しみを感じました。

 併せて、坂口博士の答えぶりを拝見していて筆者の頭に浮かんで来た方がいます。今から50年前、1975年に女性で初めてエベレスト(8848m)に登頂された登山家の田部井淳子さんです。

 おっしゃっていたことは、「どんな山も、一歩一歩なのよ」

 田部井さんは、生涯76の各国の最高峰や最高地点を登頂され、2014年には、筆者も関わっている東ティモールの最高峰であるラメラウ山(2963m)にも登られています。事前に否定的なことばかり聞かされていた東ティモールを訪問されて、「行ってみなければわからない、会って見なければわからない、初めて実感した」と何度もおっしゃっておられました。同国が平和で穏やかあること、人々がとても優しいこと、そして人々の先頭に立って国造りに努めているかつての独立闘争の英雄・国父シャナナ・グスマン首相の魅力等について、帰国後、機会を捉えて発信されて来られました。更には、こんなことも。自ら淹れたての東ティモールコーヒーをポットで持参され、周りの皆さんに「どう、美味しいでしょ!」と勧めてくださっていました。

 そんな田部井淳子さんでしたが、残念ながら2016年に病にてご逝去されました。本年9月末、埼玉県日高市高麗本郷の高麗郷古民家にて開催されていた田部井淳子さんの足跡を偲ぶ回顧展に行って参りました。目の前は有名な巾着田。真っ赤な曼殊沙華が咲き誇っていました。久しぶりに田部井さんの笑顔にお会いして嬉しかったです。なお、今月末からは、女優の吉永小百合さんが田部井淳子さんを演じている映画「てっぺんの向こうにあなたがいる」が公開されます。

 坂口志文博士、田部井淳子さん。取り組んで来られた道は違います。しかし、そんなお二人に共通する思いや覚悟、自らを奮い立たせる不思議な力を持った言葉を大切されておられることを知りました。

 自衛隊員・ご家族の皆さんそして本紙読者の皆さんも、それぞれに直面し、取り組んでおられることがあるのではないでしょうか。

 頑張ってください!

  

北原 巖男(きたはらいわお) 元防衛施設庁長官。元東ティモール大使。現日本東ティモール協会会長。(公社)隊友会理事

感謝状を拝受

 10月11日、中谷元 防衛大臣より防衛ホーム新聞社吉田佳子代表取締役社長が感謝状を拝受いたしました。これまで「自衛隊のできないことで自衛隊を応援する」をモットーとした「防衛ホーム」と共に防衛省・自衛隊そしてそのご家族等を微力ながら応援して参りました。このような栄誉を賜り、身に余る光栄に存じます。ありがとうございました。

 また同日、自衛隊体育学校長 江頭豊一陸将補からも感謝状を拝受いたしました。日頃より部隊の体育格闘指導者の育成やオリンピアン輩出、メダル獲得にご尽力されている皆さまとのご縁に、改めて感謝申し上げる次第です。誠にありがとうございました。

 これらもひとえに、関係各位のご支援とご厚情の賜物と深く感謝いたしております。今後とも、防衛省・自衛隊の皆さまのご活躍を心より応援し、地域と国の安全、そして自衛官の士気高揚に少しでも貢献できますよう努めてまいります。

 引き続きご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。防衛ホーム新聞社

 (大臣感謝状の受賞者一覧は次号に掲載します。)

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