自衛隊ニュース
8年版「防衛白書」刊行
「未来につながる安全保障」テーマ
防衛省はこのほど、「令和8年版防衛白書」=画像=を刊行した。
白書は前年度の年次報告書で、8年版は昨年4月から今年3月(一部重要事象は5月)までの国内外の防衛動向、主要施策等を伝えている。
防衛省によると、8年版白書のテーマは、安全保障関連三文書の改定が行われる節目の年であることも踏まえ「未来につながる安全保障」とした。
「安全保障政策が広く国民の未来につながっていること、防衛分野への投資は経済、国民生活に広く裨益(ひえき)することをご理解いただきたい」と同省担当者。
全5部構成
全5部で構成。このうち1部では、「新しい戦い方をめぐる動向」について1章を設け、ウクライナ戦場でのドローンなど無人アセットの大量運用・用途拡大の実情を詳述する。
4部では、昨年までは章としてまとめていた「防衛生産・技術基盤の強化」を「部」の格上げし、記述を拡充。デュアルユース(軍民両用)の領域が拡大しているとし、スタートアップ企業活用の施策等について触れている。
白書の合間に掲載しているコラム「VOICE」も充実させた。米英両国の軍高官、防衛産業を支える企業、科学技術研究者、さらに隊員の子供からの〝声〟も掲載した。
5部では「プロフェッショナルな自衛隊員」の章を新たに設けた。「さまざまな場所で誇りある任務にまい進している」(担当者)隊員たちの任務等を伝えている。
イラストレーターの刈谷仁美さんによる表紙も魅力的だ。表紙・裏表紙を〝見開き(1枚)〟にして、近未来に生きる若者たちを透明感のあるイラストで描いている。
白書は書店等で購入(価格はおよそ1500円=発行会社が決定=)できるほか、防衛省HPからの電子版でも閲覧できる。また、SNSを用いてショート動画を発信するほか、白書の巻頭特集を要約したビジュアル版小冊子も作成・配布する予定だ。
日米豪3か国空軍種間
後方部門の協力に署名
藤永空幕装計部長、渡豪し
航空幕僚監部装備計画部長、藤永国博空将補は7月7日から9日までオーストラリアを訪問し、アメリカ空軍参謀本部後方部長、エリザベス・アルレッジ少将及びオーストラリア空軍本部後方部長、ナターシャ・プルフォード准将とともに日米豪3か国空軍種間の後方部門の協力に係る文書に署名した。
本文書は、日米豪の後方部門における調整枠組みの運営要領を定めるものであり、3か国の後方分野における連携強化及び具体的な協力の促進を目的としている。
近年、インド太平洋地域を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、日米豪3か国は「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、防衛協力・交流を深化させている。今回の署名は、後方分野における相互運用性及び相互互換性の向上を図るとともに、3か国の協力関係をより強固なものとする重要な節目となった。
藤永装備計画部長は「日米豪3か国の後方分野における協力について継続的な協議を通じ、実効的な協力の実現に貢献していく」と述べ、今後の連携強化の実現に向けた所信を表明した。
航空自衛隊は引き続き米空軍及び豪空軍との協力・連携を強化し、インド太平洋地域の平和と安定に貢献していく。
陸中音、東京音楽大教授へ感謝状
能力向上等へ謝意
写真=広上教授(左)に感謝状を贈る志賀中音隊長
陸上自衛隊中央音楽隊(隊長・志賀亨1陸佐)は7月14日、東京音楽大学の作曲指揮専攻指揮の広上淳一教授へ感謝状と記念の盾を贈った。これは、令和6年度から続く陸上自衛隊音楽隊幹部の幹部特修教育への貢献と指揮研修講座による音楽科幹部の能力向上へのご尽力に対し、感謝の意を表したもの。
これに対し、広上教授は「陸上自衛隊音楽隊は我が国を代表する音楽団体のひとつであり、その人材育成に本学が携わることは、日本の音楽文化のさらなる発展にも寄与するものと考えております。また、本学の学生にとっても、陸上自衛隊音楽隊は卒業後の進路のひとつとして広がりをもたらす存在であり、教育面においても非常に大きな意義のある取り組みです。本学の教育活動がこのような形で評価されたことは、誠によろこばしく思います」と喜びを語った。
機略縦横(122)
ゴミ拾う二つの観点
第3師団最先任上級曹長
准陸尉 東良一
突然ですが皆さん、自分の目の前にゴミが落ちていたら拾いますか?
拾う人または見て見ぬふりをする人とさまざまだと思いますが、ここでゴミを拾う二つの観点からお話ししたいと思います。
一つ目は落ちているゴミを拾うことで目の前がきれいになり、自分自身の心が澄んで気持ちが良くなること。
二つ目はゴミを拾うことで痕跡の除去につながること。
個人的な見解ですが、一つ目の観点は、落ちているゴミを拾うことは強制されるものではなく自分自身の意思でやってみようと自発的な思いが生まれる、また見方を変えれば目の前にゴミが落ちていることに気づくことで、周囲に対する意識等が芽生え心に余裕ができることで隊員にも関心を持つ気持ちになり、それが声掛け、コミュニケーションを含めた心情把握につながり、隊員の服務指導になるのではないでしょうか。
二つ目の観点は、時代の背景により刻々と変化する安全保障環境の中、ドローン攻撃及び衛星等による監視下で行動に制約を受ける新たな戦い方が主流となり我々を脅かしていることを踏まえ、自分の活動している作戦地域において痕跡の除去をすることは重要であり、敵からの秘匿及び隊員、部隊を守るための基本基礎につながるのではないでしょうか。
最後に、ただゴミを拾うのではなく「ゴミを拾う二つの観点」から普段の生活の中で少し意識をして、部隊における士気・団結・規律につながる心の在り方を醸成させ将来を担う准曹士の人材育成に邁進していきます。