自衛隊ニュース
初級らっぱ集合教育
練度判定を実施
<34普連>
写真=気持ちを込めて吹奏
第34普通科連隊(連隊長・鈴木攻祐1陸佐=板妻)は1月30日、駐屯地体育館において「令和7年度初級らっぱ集合教育」における練度判定を実施した。
本教育は1月から3月下旬まで実施され、各中隊等から選抜された隊員が参加してらっぱ手として必要な知識及び技能の修得のため教育に励んでいる。
練度判定当日は、各中隊の隊員が見守る中、吹奏者は判定員の前で一人ずつ課題曲を吹奏し、緊張しつつもこれまでの練成の成果を発揮して一生懸命、気持ちを込めて吹奏した。
今回の練度判定で教育参加者は、自己の現在の技量を把握するとともに人前で吹奏する度胸を身に着け、引き続き必要な知識・技能の修得のため教育に邁進する。
料理の腕を競う
写真=カレーを調理中
また、1月28日には、板妻駐屯地において「令和7年度連隊野外炊事競技会」を実施した。
競技会は各中隊の炊事能力の向上及び要員の拡充、部隊・隊員の士気高揚を図る目的で行われ、各中隊1コ組6名編成で野外炊具を使用し、指定された食材をもって自由メニューにより料理の腕を競った。
各中隊は炊事班長の指揮の下、中隊のプライドをかけ連携を図りながら示された制限時間の中で調理技術を精一杯駆使した。
調理終了後は、連隊長をはじめ各中隊長、部外協力者等による味の審査を行うとともに調理実施間における班長の指揮及び隊員の基礎動作、衛生管理、安全管理等、総合評価を行った結果、第5中隊(メニュー=キャベツと豚肉の豆乳煮込み)が優勝を果たした。
イクメン懇談会<東北補給処>
パパの子育て~仕事と家庭を
もっと良くするヒント~
写真=昼食をとりながら和やかな雰囲気で行われた
東北補給処(処長・圓林栄喜陸将補=仙台)は1月22日、育児と仕事の両立をテーマとした「イクメン懇談会」を開催した。本懇談会は、昼休みの時間帯を活用し、育児に関心を持つ父親隊員が気軽に参加できる場として企画されたものである。
また、本企画は、以前実施した女性隊員向け懇談会において、「男性隊員向けの同様の機会も設けてほしい」との要望が寄せられたことを受け、実現したものである。
当日は、現在育児真っ最中にある隊員に加え、中隊長や1科長としての経験を持ち、子育てを振り返りながら助言を行う立場の隊員、さらには年の離れた子供を育てる父親など、さまざまな立場の参加者が集まった。
懇談では、育児休業や各種両立支援制度の利用方法、職場の理解を得るための工夫、教育費や習い事に関する考え方、子供の食事や栄養管理、休日の過ごし方や遊び場の情報など、実生活に即した質問が多く寄せられた。
昼食をとりながらの開催ということもあり、和やかな雰囲気の中で懇談は進み、参加者からは「普段、父親として育児の話をする機会がなかったため、集中して話をきくことができた」「他の隊員の考えを知り、視野が広がった」といった声が聞かれた。また、「各種制度について理解を深めることが重要であり、制度を利用する際には、業務をカバーしてくれる同僚への感謝を忘れず、日頃の勤務を率先して行う姿勢が大切だと感じた」との声も聴かれた。一方で「時間が足りなかった」「もっと話を聴きたかった」との意見も多く、関心の高さがうかがえた。
なお、事前に寄せられた全18件の質問に対し、懇談会終了後に参加者の中から協力者が、それぞれの経験をもとに文書で回答を作成し、参加者へ共有した。限られた懇談時間を補うこの取り組みに対し、「育児に悩む中で大きな支えになった」「今後の指針として繰り返し読み返したい」と感謝の声が寄せられた。
本懇談会を通じ、父親同士が経験を共有しあうことの重要性と、職場全体で育児を支える意識づくりの必要性を改めて認識する機会となった。今後も、隊員が安心して任務と家庭を両立できる環境づくりに向け、継続した取り組みを進めていきたい。
百里基地航空祭に7万人
救難隊60周年記念塗装機が沸かせる
写真=記念塗装されたUH‐60J
12月7日、令和7年度百里基地(司令・鈴木繁直空将補)航空祭が開催された。全国から約7万人の方が来場し、基地内の様々な催しを楽しんだ。
当日は天候に恵まれ、雲一つない青空の中、F2戦闘機の編隊飛行(航過飛行)からプログラムが始まった。展示飛行は予定通り行われ、小松基地所属のF15戦闘機の機動飛行が会場内を圧倒し、百里救難隊UH60Jの60周年記念塗装機が会場を沸かせ、レベルの高い捜索救助活動を披露した。ブルーインパルスの曲技飛行では、青空に白い航跡を描きながら様々な模様を残し、来場者の目を楽しませ、最後のF2戦闘機の機動飛行と模擬空対地射爆撃(AGG)では、迫力ある飛行を多くの来場者に見せることができ大盛況だった。
また、装備品展示等では、VR体験及び遊覧車の整理券が早々になくなるほどで、他にもF2戦闘機のコックピット展示、ロボドックと警備犬の対決展示、武器弾薬搭載展示等が賑わった。なかでも、百里基地で初めてとなるカードゲーム「エアバト」は、子供たちの人気を博した。
なお、前日6日に実施した事前予行では、基地周辺11市町の住民の皆様等をお招きし、格納庫内で開催した祝賀会では多くの方からご祝辞をたまわった。
百里基地は「こうして、令和7年度百里基地航空祭が、
天候にも恵まれ盛況かつ無事に終了できましたのも、ひとえにご支援ご協力をいただいた皆様のおかげです。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました」としている。
ノーサイド
北原 巖男
前後際断
今回のミラノ・コルティナ冬季オリンピック2026。
全国の自衛隊員・ご家族、そして本紙読者の皆さんをはじめ多くの国民の皆さんが、テレビにくぎ付けになって、それぞれ日本選手の戦い・頑張りに声援を送り、成功や失敗に一喜一憂されたことと思います。筆者もその一人でした。
冬季オリンピック日本人女子最年少金メダリストになった深田茉莉選手(19歳)をはじめ「雑草魂で伸びてきた」(2月18日付け、日本経済新聞の表現)若い男女スノーボード選手たちの、次々と果敢に挑んで行くこだわりの高度な技・滑りの躍進、骨盤などを複数骨折していながらも舞台に立って今ある力の限りを出し切った平野歩夢選手、日本のオリンピック史上最多のメダルを獲得した日本が誇るスピードスケートの超人高木美帆選手の強靭さと不屈の信念等々。皆さんはいかがでしたでしょうか。
筆者が、若者言葉で言う「エモい」気持ちになったのは、フィギュアスケート・ペアの〝りくりゅう〟こと、木原龍一選手(33歳)と三浦璃来選手(24歳)が、金メダルを獲得した時でした。
ショートプログラムの演技の際に、これまで絶対の自信があったリフトで痛恨のミスをしてしまい、まるですべてが終わってしまったかのような失意に打ちひしがれ泣き崩れる木原選手。顔をあげることが出来ません。傍には気丈に労わる三浦選手。結果は、フリーでの逆転は可能とはいえ、5位発進に留まりました。
失敗を引きずる木原選手に最後の最後まで寄り添い、励まし続けた三浦選手は、木原選手に「まだ終わっていない。積み重ねて来たものがあるから、絶対できる!」と伝えていた由。この日、〝りくりゅう〟の二人は、バス停で彼らを待ち構えていた坂本花織選手の温かい激励に助けられたという。(その明るい人柄でチームジャパンを支え続けた坂本選手は、その後、自らも全力を尽くして銀メダルを獲得、有終の美を飾りました。)
そして迎えた翌2月16日(日本時間17日)のフリープログラム。
二人は、最高の演技でやり抜きました。スタンディングオベーションに包まれる中、二人はリンク上にひざまずき抱き合いました。木原選手は泣きながら三浦選手の肩に顔を埋め、その頭を9歳年下の三浦選手が抱きしめ、優しくなでる映像が流れます。息を呑む光景でした。同時に、三浦選手は強い、女性は強いなぁと思いました。
嬉しかったのは、その後、〝りくりゅう〟の逆転金メダルが決定するや、直ぐに対戦相手だった銀メダルのジョージアと銅メダルのドイツの選手が、それぞれペアで〝りくりゅう〟のもとに駆け付けてくれたことです。優勝の祝福を伝えハグをしてくださっている姿はとても感動的で、本当に素敵な選手の皆さん達だなぁと思いました。
授賞式を終えた直後の二人のインタビュー。
三浦選手「昨日のミスからここまで立て直すことが出来て、本当に私たちの強さを出せて嬉しいです。龍一くんに巡り合えたのは奇跡だと言っていただけて、本当に全ての人に感謝しています・・・龍一くんが、ずっと泣いているんですよ。いつも引っ張ってくれる龍一くんが・・・だから、今日は、私がお姉さんでした!」
木原選手「昨日終わった時点で全部終わっちゃったと思っていたんですけど、〝りく〟が力強く引っ張ってくれたので、何とか戻ることも出来たし、諦めないことが本当に良かったかなと思います」
心から信頼し、頼りにしている〝りく〟の前では、いかなる鎧も脱ぎ捨てて裸の自分・弱い自分をさらけ出す〝りゅう〟。反対に、〝りく〟が危機に瀕したいざという時には、〝りく〟を命懸けで守り、守って来た頼もしい〝りゅう〟であるに違いありません。相性抜群・一心同体の二人を心から祝福し、更なる飛躍にエールを送ります。
こうした中、カーリング日本女子チームの戦いを応援しているとき、同チームのメンバーがメンタルコーチの白川一幸さんから言われているという言葉に出会いました。
「前後際断」。
「過ぎ去った過去の失敗や栄光にこだわらず、まだ来ぬ未来の不安や期待に心を煩わせず、今この瞬間に集中して全力を尽くす」という禅の教えとのことです。もともとは、道元上人の「正法眼蔵」に由来する有名な言葉のようです。筆者は、今回初めて知りました。
私たちは、時に励まし、反対に励まされる様々な人間関係の中で生きています。そうした絆の存在は、かけがえの無い宝ではないでしょうか。そして、そうした中で、「前後際断」は、全ての人々、一人ひとりの人生航路に関わる貴重な知恵のような気がします。共有させてください。
オリンピックに続いて、パラリンピックが始まります。どんな感動が待っているでしょうか。
頑張れみんな!
「今」です!
北原 巖男(きたはらいわお) 元防衛施設庁長官。元東ティモール大使。現日本東ティモール協会会長。(公社)隊友会理事