自衛隊ニュース
殉職隊員追悼式しめやかに
写真=特別儀仗隊による拝礼
10月11日、防衛省慰霊碑地区(メモリアルゾーン)で「令和7年度自衛隊殉職隊員追悼式」へご遺族、来賓、防衛省関係者ら約300名が参列して、しめやかに執り行われた。不幸にして任務遂行中に職に殉じた隊員を追悼するため、防衛大臣主催で昭和32年から毎年行われており、今年度(令和6年9月1日から同7年8月31日までに公務災害認定された殉職隊員)は、30柱(陸自13柱、海自10柱、空自6柱、機関1柱)が新たに顕彰された。これにより昭和26年の警察予備隊時代からの顕彰者数は、2142柱(陸自1151柱、海自513柱、空自445柱、機関33柱)となった。
中谷元・防衛大臣(当時)による殉職隊員名簿の奉納に続いて、特別儀仗隊が入場し、参列者全員が拝礼と1分間の黙とうを捧げた。
石破茂内閣総理大臣(当時)は追悼の辞で「自衛隊の隊員は防衛力の最大の基盤であり、職務の遂行に全身全霊を捧げた隊員を失ったことは正に痛恨の極みだ」と悼んだ。
中谷大臣は「御霊の御功績を長く継承し、その御遺志を受け継ぎ、国民の命と平和な暮らし、そして我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜く」と誓いを立てた。
続いて総理、防衛大臣、ご遺族、来賓、防衛省関係者の順で献花が行われ、それぞれが故人に想いを馳せた。
ご遺族を代表して昨年11月に発生した掃海艇「うくしま」の火災事故で身を挺した消火活動を行い、帰らぬ人となった古賀辰徳2海曹の母が挨拶を行った。定年後の母を気遣う優しい心を持った我が子。数年前に「俺が死ぬことがあったら、面白おかしく笑って生きてほしい」と唐突に言われて戸惑ったと明かし、「万が一の時に備え、私たち家族のことを深く考えてくれたのだと思う」と言葉に詰まりながら話す姿に、会場ではすすり泣く声が漏れた。
最後に特別儀仗隊が再び入場し、弔銃を3発、秋雨がしとしとと降る灰色の空に向けて放ち、追悼式は閉式した。
地雷除去コアリションに教官派遣
写真=激励を受ける派遣要員
防衛省・自衛隊は、リトアニア共和国で、同国と北欧5カ国が共同で実施する、ウクライナ兵に対する人道地雷除去に関する教育訓練課程に、陸上自衛官を教官として2名を派遣する。期間は11月3日から12月5日まで。リトアニアとアイスランドが主導して欧州等の有志国が参加するウクライナ支援のための「地雷除去コアリション」は、昨年6月に立ち上げを表明。日本も昨年12月に参加を公表していた。
11月17日、教官を務める施設学校と中央即応連隊所属の2名および要員3名が中谷大臣(当時)に出国報告を行った。中谷大臣は「日本が持つ地雷除去の技術をいかんなく教えて、将来のウクライナの平和のために努力していただきたい」と激励した。