自衛隊ニュース
秋田クマ対策で支援へ
小泉大臣と知事が面会
写真=鈴木知事(左)から要望書を受け取った小泉大臣
全国でクマによる被害が多発している。10月28日、鈴木健太秋田県知事が防衛省を訪れ、小泉進次郎大臣にツキノワグマによる被害防止へ支援を求めた。要望書によると、今年の県内におけるツキノワグマの目撃件数は8,000件を超え、過去最多だった令和5年度の3,723件を大幅に上回っており、その大半が市街地だという。人間に対する被害も死者2名を含む54名に上っている。
鈴木知事は「県民が日常生活に大きな支障をきたしている。まさに非常事態だ」と訴え、「私も元自衛官なので、何でも自衛隊に頼めるものではないとよく理解しているが、それでも防衛省自衛隊の力を借りなければ国民の命が守れない」と支援を求めた。小泉大臣は「与えられた能力と権限を最大限に活かし、秋田県と協力して早急に対応策を練りたい」と述べた。同日夕、東北方面総監部の連絡員が県庁を訪れ今後の支援内容について協議を行った。
准看護学院50期生戴帽式 札幌病院
寄り添う衛生隊員に
写真=厳粛な面持ちの50期生
自衛隊札幌病院准看護学院(学院長・本間健一1陸佐)は、10月2日、准看護学院第50期生28名(男性16名、女性12名)の戴帽式を挙行した。式には、北部方面総監部より医務官、最先任上級曹長、人事課長、訓練課長、方面直轄部隊から北部方面衛生隊長が臨席し、厳かな雰囲気の中、緊張の面持ちの学生一人一人に教務班長(星1尉)からナースキャップが授けられた。
ナースキャップを戴帽し、新たなステップへ歩を進めた学生は、力強い眼差しで衛生科精神を唱和し、改めて衛生科隊員として「骨肉の至情と挺身奉仕の精神」を胸に刻んだ。
病院長は、戴帽式を迎えた第50期生に対して、「この春、入校式で贈った哲学者プラトンの言葉『優しくありなさい。あなたの出会う人は皆、困難な戦いに挑んでいるのだから』を実践している?」と訊ね、「医療そして看護は単に病気を診るだけでなく、病気になった人、その周囲の人々を取り巻く様々な問題に寄り添うことが必要である。これから始まる臨床実習では、教科書で得ることのできない知識・経験を積み、患者を人として大切に思うことを学び、准看護師への道を、そして衛生救護陸曹としての道を一歩一歩進んでほしい」と要望した。
そして、戴帽式を迎えた学生に贈る言葉として、「看護とは、患者が生きるよう援助することであり、それは実際的かつ科学的な、系統だった訓練を必要とするアートである」というナイチンゲールの言葉を引用し、「この言葉は、抽象的な概念であり、看護や芸術の価値をどのように捉えるか、例えば『絵』を鑑賞して、良い絵か悪い絵か、『音楽』を聴いて素晴らしいか否か、見た人・聴いた人の捉え方が重要であり、看護の価値も同様に、それを受ける患者や家族がどのように思うかが重要となり、その評価は看護を受ける患者や家族の心の中にあるということである。『看護は芸術である』、これから看護の道を志すものとして、この芸術を学び、基本的な看護技術や知識の習得は勿論大切だが、患者やその家族の心の中に自分の価値を見出す大切さを学び、患者を取り巻く様々な問題に寄り添える、優しい、思いやりのある准看護師・衛生救護陸曹に成長することを心より期待する」と、これから新たなステージに臨む第50期生へ期待を込めて祝辞を贈った。
本戴帽式により、学生一人一人が、看護に対する理解を深め、看護実習に臨む気概を堅持した。
スウェーデン皇太子が
統合幕僚学校を訪問
写真=佐藤学校長、剣道部員らと談笑する皇太子
10月14日、統合幕僚学校(学校長・佐藤網夫空将=目黒)は、訪日中のスウェーデン皇太子ヴィクトリア殿下をお迎えした。ヴィクトリア皇太子は、佐藤学校長らと懇談後、ブリーフィングを受け、体育館では武道展示(剣道)を見学した。
佐藤学校長は、今年6月に自身を長とする研修団がスウェーデンを訪問し、国防省や国防大学等を視察した際の所感を語り、「今後も安全保障分野で、貴国の関係機関との協力を強化したい」と述べた。ヴィクトリア皇太子も昨今の情勢を踏まえ、「今こそ私たちは協力を深めるべきだ」と応えた。
武道展示では、目黒地区剣道部に所属する大門一樹2空佐(航空自衛隊幹部学校)、河野真史2空曹(航空自衛隊幹部学校)、中原智美2陸曹(陸上自衛隊教育訓練研究本部)、江口正由樹1空尉(目黒基地所属)の4名が竹刀と木刀による実演を披露した。迫真の演武に感銘を受けた様子のヴィクトリア皇太子は4名のもとに歩み寄り、しばらくの間談笑を楽しんだ。その後、学校長や職員らに見送られながら統幕学校を後にした。