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宮様スキー・バイアスロンで

5普連隊員 優勝と6位

写真=㊤20キロインディビジュアルで伏射を行う高畑3曹、㊦滑走する同3曹


 第5普通科連隊(連隊長・伊藤裕一1陸佐=青森)の枋木(こぼのき)司2曹、高畑弘也3曹ほか5名は3月1、2の両日、西岡バイアスロン競技場(札幌市)で行われた「第96回宮様スキー大会国際競技会(バイアスロン競技)」に参加した。

 「個人戦・男子20キロインディビジュアル(競技銃)=参加選手21名=で枋木2曹は2位に2分22秒の大差をつけ優勝を果たした。高畑3曹は参加選手中唯一20発全弾命中させる活躍を見せ、堂々6位に入賞した。

 枋木2曹は2月の「アジア冬季競技大会」でバイアスロン日本代表チームのリレー競技アンカーを務め、見事金メダルを獲得している。本大会優勝の要因は、アジア大会以降好調な射撃精度を維持したこと、またワックスマン(スキー板を調整する補佐者)と連携し気象条件に合ったスキーを選定できたこと。

 枋木2曹は「気温が暖かくスキー選択が難しい状況だったが、ワックスマンとの連携がうまくいきスキーの滑りは最高だった。射撃も20発中18発命中と自分の持っている力を十分に発揮することが出来た。チームとしても、今シーズンなかなか調子が上がらなかった高畑3曹が20発全弾命中させ、6位に入賞する事が出来た。今後も連隊の名を背負ってチーム一丸となって頑張っていきたい」と決意を語った。

 高畑3曹は「思うように体が動かず不安が残るシーズンになっていたが、チームの先輩がアジア大会で活躍したことで改めて宮様大会での入賞を目標に定め、トレーニングに集中した。札幌に移動した後、射撃訓練を行う中で本来の感覚を取り戻すことが出来た。今後もチーム一丸となって頑張っていきます」と自信をみなぎらせていた。



11分隊が3冠偉業

佐世保教育隊競技会で


12分隊退く

 佐世保教育隊(司令・井上貴嗣1海佐)は3月14日、第18期海曹予定者課程(142名)2個分隊による水泳競技を開催した。

 修業を目前に控えた学生にとって、入隊から約2カ月半の鍛練成果を発揮する最後の競技。持久走と球技で2連勝しグランドスラムを目指す第11分隊と悲願の1勝を目指す第12分隊の熱い意気込みが競技前の練習からも感じられた

 溺者救助レースやロングビート板リレーなど異色の競技も行われ、盛り上がりを見せた。序盤から第11分隊優勢のまま最終競技の分隊対抗リレーへ。第12分隊が健闘したものの第11分隊が勝利して分隊優勝を収め、グランドスラムを達成した。

 学生たちは、日々の教育訓練等で培った気力、体力及び技術を遺憾なく発揮するとともに、競技を通じて敢闘精神や団結心を強め、心身ともに強くたくましく成長した。

◇    ◇

 佐世保教育隊は3月6日、第18期海曹予定者課程(142名)の持久走競技を開催した。

 第11分隊は前回の球技競技の分隊優勝に続く連覇を目指し、第12分隊は球技競技で第11分隊に負けた雪辱を果たすべく、全力を尽くして時折小雨が降る中を激走した。

 体育実施基準に基づく平均得点で争われた分隊対抗では、自己記録の更新と分隊優勝を目指して各学生がベストを尽くし、78・185点を記録した第11分隊が約3点差をつけて勝利した。

 個人対抗男性の部は、第11分隊の木村学生が1位(10分35秒)、女性の部は同分隊の大久保学生が1位(11分47秒)となった。分隊対抗の部及び個人対抗の部ともに第11分隊が制した。




父のように強く誠実に


 私は幼いころから、父の背中を見て育ってきました。父は自衛官として国を守る仕事に就きながら、剣道にも打ち込み、ついには八段を取得しました。その姿は、私にとってまさに理想の武人です。

 剣道八段の厳しさは、剣道を少しでもかじったことのある人なら分かると思います。全国でも限られた人しか到達できない高みであり、何度挑戦しても合格しないことも珍しくありません。そんな険しい道を乗り越えた父の努力と精神力を、私は心から尊敬しています。

 私はそんな父の影響を受けて、自衛官の道を選びました。そして、剣道も続けています。現在の段位は三段ですが、次の目標は四段です。自衛官としての職務を果たしながら、稽古の時間を確保するのは簡単ではありません。訓練や任務で疲れ果てた日もあります。それでも竹刀を握り、面をつけ、道場に立つと、不思議と気力が湧いてきます。それは、幼いころから父に教えられた「剣道は心を鍛えるものだ」という言葉を思い出すからかもしれません。

 剣道においても、自衛官としても、大切なのは強さだけではありません。礼節を重んじ、仲間を思いやり、常に己を磨き続けることが求められます。剣道の稽古を通じて養われる精神力や忍耐力は、そのまま自衛官としての職務にも生かされます。だからこそ、私は剣道を続けることに意味を感じますし、父のような強く、誠実な自衛官でありたいと願っています。

 今はまだ父の背中は遠いです。しかし、一歩ずつ近づいていくことが私の目標です。まずは四段を取得し、さらにその先へと進んでいきたいと考えています。そしていつの日か、父と同じように剣道と自衛官の両方で後輩の手本となるような存在になれたらと思います。

 剣道の道も、自衛官の道も、終わりのない鍛錬の連続です。それでも、私は歩みを止めない。父のように、いや、いつか父を超えることを夢見て、これからも剣を振り続ける。

 中原瑠美陸士長(第1普通科連隊第3中隊=練馬)



全自レスV


 第5普通科連隊の柳谷将広3曹は3月1、2日に埼玉県朝霞市で行われた「全自衛隊レスリング大会(個人戦男子フリースタイル86キロ級)」に出場し、初優勝の栄冠を勝ちとった。

 柳谷3曹は高校でレスリングを始め、第5普通科連隊配置以降も青森駐屯地レスリングクラブに所属し課業外の時間を活用して技に磨きをかけてきた。

 ここ数年は陸曹教育隊への教育入隊、格闘指導官取得のための準備等により練習機会を確保できなかったが、今年に入り練習機会も増え、再びレスリング魂に火がついたことから、全自大会への出場を決意、6年ぶりにエントリーした。

 大会初戦から順調に勝ち上がり、準決勝で強豪、第37普通科連隊(信太山)の助田選手との対戦を迎えた。厳しい攻防が繰り広げられた試合終了間際、相手からポイントを奪い小差で勝利。決勝ではその勢いのまま試合開始直後にテクニカルフォールを奪って見事優勝し、青森駐屯地及び第5普通科連隊の名を全国自衛隊に轟かせた。

 柳谷3曹は「レスリングを通して、対人競技の闘争心や人と向き合う難しさなどを身をもって実感した。それらを踏まえて今後、隊員の近接戦闘能力の向上にも寄与していきたい」と決意を新たにしていた。

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