自衛隊ニュース
GCAPにカナダがオブザーバー参加
協力拡大に向け新たな一歩
写真=小泉大臣(右)と左から、加・英、伊の各国防衛相(防衛省提供)
日本、英国、イタリアの3カ国が共同で進める次世代戦闘機開発計画「グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)」に、カナダがオブザーバーとして参加することが7月21日、ロンドンで開かれた4カ国の防衛相会合で発表された。日英伊3カ国は参加を歓迎するとともに、4カ国は協力のさらなる深化への期待を表明した。
GCAPは、空自F2戦闘機が退役を始める2035年の配備を目標に、AIや無人機との連携を含む次世代戦闘機の共同開発を進めている。
今回のオブザーバー資格の取得により、カナダはGCAPの運営体制や能力要求、企業参画の枠組みなどへの理解を深めることになる。これにより、GCAPは日英伊3カ国の枠組みを超え、価値観を共有する国々との連携を一層広げる契機となることが期待される。
GCAPは、次世代戦闘機の共同開発にとどまらず、防衛産業基盤の維持・強化や、インド太平洋と欧州を結ぶ安全保障協力を推進する戦略的プロジェクトとしての位置づけもある。小泉防衛大臣は記者会見で、「インド太平洋と欧州・大西洋をつなぐGCAPの意義を、カナダがさらに高めてくれることを強く期待している。また、カナダ以外の国との協力についても、GCAPがより良いプログラムとなるよう、引き続き、英国、イタリアと連携していく」と協力拡大に意欲を示した。
陸自の国連TPP支援に高い評価
カレ事務次長が謝意伝える
写真=懇談する荒井陸幕長とカレ事務次長
7月13日、荒井正芳陸上幕僚長は、PKOなどの現地活動に対する後方支援を統括する国連活動支援担当事務次長のアトゥル・カレ氏と、防衛省で意見交換を行った。カレ氏は、国連三角パートナーシップ・プログラム(国連TPP)を通じた陸上自衛隊の能力構築支援をかねてから高く評価しており、今回の会談でもその貢献に改めて謝意を表した。日本が主導する国連TPPは、各国PKO要員の任務遂行能力を向上させ、PKOの実効性を高めることで、国際社会の平和と安定に寄与している。
荒井陸幕長は、国連による国際社会の平和と安定に向けた取り組みに敬意を表明した。また、陸上自衛隊施設学校が国連TPPの拡大・発展に大きく貢献したとして、カレ氏から学校長の吉春隆史陸将補に感謝状が手交された。さらに、国連活動支援局に出向中の皆木2陸佐についても高く評価し、派遣期間の延長に対する謝意が述べられた。
今回の意見交換は、国連と陸上自衛隊との信頼関係を改めて確認する機会となった。今後も国連TPPをはじめとする能力構築支援を通じ、双方の連携を一層深め、国際社会の平和と安定への貢献が期待される。
日米豪の連携を強化 サザン・ジャッカル‐26
新たに3カ国の共同調整所も設置
写真=訓練開始式での日米豪指揮官(中央が7連隊長)
中部方面隊は「自由で開かれたインド太平洋」の維持・強化に一層寄与すべく、5月29日から7月3日までの間、オーストラリア連邦クイーンズランド州タウンズビル演習場等において、米豪軍との実動訓練「サザン・ジャッカルー26」を実施した。本訓練は、今年度で13回目であり、第3師団第7普通科連隊を基幹とする部隊が参加した。
参加部隊は、豪州の広大な演習場を使用し、長期間連続状況下において一連の戦術行動を演練し、作戦・戦闘の任務遂行能力の向上を図った。
今年度は、新たに日米豪共同の調整所を設置して、情報、機動、火力等の連携を演練し、米豪軍とより一層の連携強化を図ることができた。
中部方面隊は、国民の皆様の信頼と期待に応えるため、より強靭な中部方面隊となるよう隊務に邁進していく。
<奮闘 7普連>
第7普通科連隊(連隊長・山﨑聡一1陸佐=福知山)は、本訓練の参加にあたり、連隊主力に機甲科部隊、特科部隊、情報科部隊等を増強した約350名の戦闘団を編成し、出国前から各種訓練及び諸準備を着実に積み重ね、豪州へ赴いた。
現地では、陸上戦闘訓練及び実弾射撃訓練を通じて、作戦遂行能力の向上を図るとともに、米豪軍との相互理解及び連携強化を推進した。
また、長期にわたる豪州での訓練環境下においても旺盛な士気を保持し、隊員一人ひとりが与えられた任務を着実に遂行し、訓練の目的を達成した。連隊は、本訓練の成果、教訓・研鑽を踏まえ、引き続き練成に励み、更なる練度向上、部隊の精強化を図る。
現代戦見据え ACITESC<第7師団>
写真=敵部隊を警戒する隊員
第7師団(師団長・武田敏裕陸将)は、6月3日から22日までの間、北海道大演習場恵庭・千歳地区において、機械化部隊戦闘訓練評価支援センター方式(AC‐TESC)による対抗方式の実動訓練を実施した。
本訓練は、レーザーを用いた交戦訓練装置(バトラー)を使用した実戦的な戦闘行動により中隊長、小隊長等の戦闘指揮能力と各職種の戦闘力を組織化する能力の向上を目的とするものであり、14日間の運営期間内で北海道内の各師・旅団から計28コ中隊が参加し、真剣勝負を繰り広げた。
訓練の実施にあたり、北部方面隊の考える戦い方検討や師団の取組みなどを踏まえ、今年度は、基幹となる戦車、普通科部隊は現有編成装備を基準とするほか、民生通信(LTE音声システム)、攻撃用・偵察用ドローン、ドローン対処資材(コープケージ)などといった民生品・創意工夫資材等を積極的に活用した。現代の作戦環境に即した戦い方の検証・進化を推進し、訓練を通じて多くの貴重な教訓を得ることができた。
また、本訓練状況を報道各社等に公開するとともに、演習場近隣の自治体、協力団体、防衛関連企業等の皆様に研修してもらい、師団の活動に対するご理解を深めていただいた。
第7師団は、「今戦える師団への進化」「新生機甲師団の創造」のため、引き続き実戦的な訓練を実施して、いかなる任務をも完遂し得る陸上自衛隊唯一の機甲師団として進化を続けていく。