自衛隊ニュース

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新たな門出 二十歳の集い

困難に屈せず<久留米>

写真=駐屯地司令に敬礼


 陸上自衛隊久留米駐屯地(司令・山田篤1陸佐)は、1月16日、駐屯地体育館において来賓の方々をお迎えし、盛大に二十歳の集いを執り行った。

 本行事は、令和7年度に二十歳を迎える隊員を祝うとともに、自衛官及び一般社会人としての自覚を醸成し、これまで支えてくださったご家族及び地域の皆様への感謝を再確認することを目的として実施している。駐屯地司令は祝辞で、「自衛官としての真剣な励み」「人としての正しい判断」の2点を激励と期待の言葉として述べ、参加した12名の新成人は、真摯な態度で話を受け止めていた。節目を迎えた新成人は、国民の負託に応えるべく、書初めとともに二十歳の抱負として、「どんな困難に直面しても、決して屈することなく任務を完遂したい」と述べ、新たな決意を固めていた。

 成人を迎えた隊員の今後の成長と活躍、若きエネルギーを大切にしながら、自身の言動に責任と自覚を持ち、周囲からより一層信頼される隊員へと成長することを期待しつつ、陸上自衛隊久留米駐屯地は、これからも地域の皆様のご理解・ご協力のもと、様々な役割を全うし、引き続き任務遂行にまい進していく。


責任感を自覚<久居>

 久居駐屯地(司令・南平勇将1陸佐)は、1月16日に久居駐屯地体育館において令和8年駐屯地二十歳の集いを実施した。

 本行事は、今年度に二十歳を迎える隊員(以下、参加者)の門出を祝うとともに、二十歳を迎えた者としての自覚と責任感の醸成を図ることを目的とし、津市長・前葉泰幸氏をはじめとする13名の来賓の方々、駐屯地各部隊長及び駐屯地の隊員が見守る中、参加者25名の門出を祝った。

 行事では、国歌斉唱後、二十歳を迎える隊員の紹介において一人ひとりが壇上に上がり、所属、氏階級、出身地及び抱負を力強く述べた。その後、執行者(駐屯地司令)は式辞において「自衛官としての使命に立ち返り、目標をもって様々なことに挑戦し、困難を乗り越え、さらに成長してくれることを期待する」(要旨)と述べた。

 最後には、参加者を代表して本部管理中隊の疇地(あぜち)士長は「たとえこの先失敗したとしても臆することなくその原因を追究し、後輩隊員に指示や助言をして自らも行動を律し、責任感を自覚するとともに自分自身を向上できるよう精進いたします」と力強く抱負を述べた。

 行事終了後には、記念撮影、記念会食及び桜の記念植樹が行われ、25名の参加者は二十歳という節目を迎えて新たに大人になるための第一歩を踏み出した。

日本防衛の核心としての自衛官
‐人的基盤はいかにあるべきか‐
<第14回>
笹川平和財団日米・安全保障研究ユニット総括・交流グループ研究員 柴山真里枝

海外調査報告(4) 軍での勤務がキャリア上のメリットとなること

 本海外調査報告では、防衛における人的基盤強化の施策について、日本の参考となる各国の取り組みを紹介している。今回は「軍での勤務がキャリア上のメリットとなる」施策に焦点を当て、各国がどのように軍での勤務を個々人のキャリア形成に結びつけ、その魅力を募集活動に活用しているのかを整理する。今回調査を行った国々では、軍での勤務が個々人のキャリアに資する機会となるよう各種制度が設けられており、その内容は主に2つに分類できる。

1.軍勤務を通じた資格・スキル獲得や研修・教育機会の提供

 第1に、軍での勤務が、資格・スキル獲得や研修・教育の機会として機能し、社会人・職業人として有用な能力の形成に資するよう整備されている。具体的には、軍の経験を社会人としての基礎的スキルから、サイバー分野等を含む専門的資格、さらには大学での学位取得等へと繋げる仕組みが設けられており、こうした点は軍側の募集段階でも全面的に強調されている。これらの取り組みは、将来のキャリア形成を志向する学生や若手社会人に対し、軍勤務を魅力的な選択肢として位置付ける要因となっていることが示唆された。

 たとえばドイツでは、軍で数十種類に及ぶ職業訓練を提供しており、こうした訓練を通じて得られる技能が、修了後に官・民・軍での幅広いキャリアに繋がる点が明示されている。英国では、勤務期間の長短にかかわらず、必要に応じて読み書き・計算等の基礎教育から、職業訓練、民間資格、学位の取得まで、多様な教育機会が提供されている。さらに、英軍がこれらの教育・訓練機会を募集時に魅力として打ち出している例として、大学生が学業と並行して予備役士官訓練を受けるプログラム(UOTC)が挙げられる。同プログラムは一般大学生を対象に、入隊義務を課さずに提供されるものであるが、履歴書に記載できる国際水準のリーダーシップ教育や、創造的思考力・課題解決能力をはじめとする移転可能なスキルを磨ける点など、民間企業からも評価が高い内容であることが強調されている。職業軍人とは性格を異にするものの、軍で培われる能力等が将来の職業人生に資するものであることを、潜在的な候補者に対して効果的に提示しているといえるだろう。

2.軍で培った知識・技能・経験の公式な認定

 第2に、軍での勤務を通じて獲得した知識・技能・経験を、民間社会でも通用する「資格」や「単位」等として公式に認定する仕組みが整備されている。たとえば英国、豪州、シンガポールなどでは、軍で培ったスキル・経験等を国家基準等に基づき正式に認定し、大学の単位、公的資格、マイクロクレデンシャル等として付与する制度が設けられている。これらには専門的な技能等のみならず、リーダーシップ、マネジメント、プロジェクト管理など、業界横断的に評価される能力も含まれる。また、現地では、軍務で得られたスキルを可視化し、民間雇用主が軍人のポテンシャルを適切に理解できるようにすることが、再就職支援の観点でも重要であると指摘されていた。

 以上より、各国は軍勤務を「軍人としての能力向上」のみならず、「個人のキャリア形成に資するもの」としても制度化し、その魅力を募集における重要な訴求要素として位置付けていることが確認された。日本においても、自衛隊勤務が隊員としての職務遂行能力の向上に資するのは勿論のこと、社会人としてのキャリア形成の一環としても機能し、民間でも広く認知される仕組みを整備できれば、より幅広い母集団に訴求し、自衛隊の募集に寄与すると共に、自衛隊の人的基盤、ひいては日本全体の人的基盤の強化にも繋がるとも考えられるのではないか。

 なお、社会人・職業人としての教育や退職後の再就職も考慮した部隊教育については、本研究会の提言3「自衛官の処遇の改善」(4)「部隊教育の強みを活かした個人のキャリア向上に繋がる教育」においても提言しているので、併せて参照されたい。

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