自衛隊ニュース

102名が羽ばたく
陸自幹部候補生学校で卒業式
荒井陸幕長「積極進取の気概を持て」
写真=卒業証書授与
陸上自衛隊幹部候補生学校(学校長・香川賢士陸将補=前川原)は、9月8日、第106期一般幹部候補生(部内選抜)課程(前段)102名に対する教育を修了し、陸上幕僚長(荒井正芳陸将)立会の下、卒業行事を執り行った。
卒業式では久留米市副市長の橋本政孝氏、教育訓練研究本部長の戒田重雄陸将等多数の部内外来賓が見守る中、学校長が候補生ひとりひとりに卒業証書を授与した。
式辞において学校長は、「約5カ月間の期間にわたり、日々の研鑽、努力を積み重ね、本日ここに102名全員が卒業の日を迎えることができたことは、学校職員にとって嬉しく誇らしい」と労いを述べた後、「部隊や部下隊員の先頭に立ち、環境の変化に柔軟に対応しつつ、困難な課題に常にベストを尽くして挑戦していく姿を期待している」と餞の言葉を贈った。
続いて、荒井陸上幕僚長が「積極進取の気概を持て」「実力を涵養せよ」の2点を要望し、「諸官は自らの意思で幹部としての厳しい道を選び本日ここに立っている。その道は決して平坦なものではないだろう。しかし、諸官には共に学び苦楽を分かち合った同期生がいる。その絆は困難に直面した際に心の支えになる。同期の絆と本校で学んだことを糧に精励し続けることを強く期待する」と餞の言葉を贈った。
卒業式後には記念会食が行われ、来賓や学校職員、家族に対し感謝の意を伝え、約5カ月の教育を終えた候補生は、職員、家族の盛大な拍手と激励に見送られながら自信と誇りを胸に幹部候補生学校から羽ばたいていった。
機略縦横(102)
仲間と共に
北部方面隊最先任上級曹長
准陸尉 中田 峰夫
令和7年2月26日付で第9代北部方面隊最先任上級曹長を拝命した中田准尉です。上番にあたり私はスローガンを「仲間と共に」としました。
価値観の多様性や個人主義が進展する時代といわれますが、我々自衛官の任務に変化はありません。時代とともに戦い方の変化や装備品の進化が著しい現在ではありますが、個人の努力だけでは国を守ることはできません。いま自衛隊だけではなく、日本社会全般として人員不足が問題になっておりますが、人員が増えれば任務を完遂できるのか?私見ではありますが、それだけでは不十分だと考えています。ただ人が集まっているだけでは烏合の衆であり、相乗効果はありません。任務完遂には真の意味での相互信頼・連携といった「仲間」となる必要があると思います。「仲間」とは共通の目的・価値観・活動などを共有する人々、心を通わせる相手などの意味があります。それぞれの個人や組織が、友達や同僚ではなく「仲間」になった時に最高の力が発揮され、任務を完遂できると信じています。
北部方面隊最先任上級曹長として、上級曹長業務系統の団結を更に強固なものとし、「仲間と共に」任務完遂できるよう日々精進いたします。