自衛隊ニュース

令和6年能登半島地震
派遣部隊、指揮官を表彰
写真=中谷大臣から第1級賞状を受け取る中部方面総監の遠藤充陸将
9月17日、中谷元・防衛大臣は令和6年能登半島地震に係る災害派遣活動に従事した部隊に対して第1級賞状を、同部隊指揮官に対して第1級賞詞を授与した。第1級賞状を受賞したのは、陸災部隊・同支援部隊、海災部隊・同支援部隊、空災部隊・同支援部隊。第1級賞詞を受賞したのは、小林弘樹陸将=陸上総隊司令官、門間政仁空将=航空幕僚副長。表彰式には、統・陸・海・空幕の4幕僚長と人事教育局長が立ち会った。※第1級賞詞は、当該時期に中部方面隊総監、中部航空方面隊司令官だった2名を表彰。
令和6年1月1日に発生した能登半島地震では、自衛隊は人員延べ114万人、航空機同4,600機、艦艇同350隻が従事した。活動は同年8月31日まで続き、8カ月の災害派遣期間は過去最長だった。
大規模災害に備え関係機関と連携
写真=DMAT隊員と共に患者を搬送<北方ヘリ隊>
DMATと共に<北方ヘリ隊>
北部方面ヘリコプター隊(隊長・若狹芳也2陸佐=丘珠)は、9月6日、大規模地震時医療活動訓練に参加した。
本訓練は、令和7年度カムイガーディアン機能別訓練(北海道防災総合訓練)の一環であり、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震を想定した孤立地域へのDMAT(災害派遣医療チーム)の進出及び患者後送の医療活動支援を目的としており、多用途ヘリコプター(UH1J)が病院へ着陸後、DMAT要員を現場まで搬送、患者をヘリコプターへ搭載し、再び病院へ搬送するという想定の下、訓練を実施した。
訓練を通じて、関係機関との連携を強化するとともに、部隊の基本的行動及び隊員の基礎動作を確行して、災害対処能力を向上させることができた。
宮崎県内の3自・地本・
関係協力団体との間で
家族支援の協定を締結
この度、宮崎県内の陸海空三自衛隊の各部隊、宮崎地方協力本部と関係協力団体の間で「大規模災害時等における隊員家族支援に関する協力に係る協定」を締結した。
隊員家族支援とは、大規模災害等が発生した際、任務等のため隊員が急きょ、あるいは長期間不在にする場合においても、残されたご家族が安心して生活できるように日頃から様々な準備をし、万が一の不測事態が生起した場合でも、不安を払拭・軽減すること、また、これにより隊員がご家族について後顧の憂いなく、安心して職務に臨むことができる態勢を確立することを大きな目的とした家族支援活動である。
中央協定書受けて
宮崎県内における家族支援は、これまで陸上自衛隊と関係協力団体との間で締結された協定に基づき、検証訓練等を行ってきたが、海空自衛隊との連携は不十分であったこと、また、本年3月に全自衛隊員を対象として防衛省と自衛隊家族会及び隊友会の間で中央協定書が締結されたことを受けて、この度、宮崎県下における現行協定書を見直し、海空自衛隊を含む新たな連携態勢による新協定書を締結するに至った。
この協定により、安否確認や生活支援等の活動が広範囲にわたり可能になり、派遣される隊員が安心して活動できる態勢が確立された。また、協力団体各会長からは「新協定の締結を契機に各部隊と連携し、検証訓練や意見交換を通じて協力支援態勢を逐次構築していきたい」と心強いコメントがあった。
今後も、本協定に基づき、関係部内外機関との連携を図り、宮崎県下の家族支援態勢の強化を図っていく。
足湯を体験<10後支>
第10後方支援連隊(連隊長・荒川ゆかり1陸佐=春日井)は8月31日、愛知県田原市白谷海浜公園で実施された「令和7年度愛知県・田原市総合防災訓練」において、入浴支援(足湯)を実施した。
今回実施された「令和7年度愛知県・田原市総合防災訓練」は「県民総ぐるみ防災訓練」の一つとして、災害対策基本法、愛知県地域防災計画及び田原市地域防災計画に基づき、愛知県、田原市、各防災関係機関、地域住民等の参加協力のもと、総合的な防災訓練の実施により、大規模災害発生時における迅速かつ的確な応急活動のための協力体制の確立、地域の連携を活かした防災力の強化を図るとともに、防災意識の高揚を図ることを目的として実施された。
その中で第10後方支援連隊は防災啓発会場(白谷海浜公園ちびっこ広場)において入浴支援(足湯)施設を開設し、気温37度の炎天下の中、来場者の方々に氷を使用した冷水による足湯体験を提供した。約60名の来場者の方に足湯体験をしていただき、「暑い日に冷たい水での足湯は本当に気持ちよかった」などの感想や「災害派遣の時に本当にこのお風呂使っているのか?」等の質問をいただき、自衛隊の活動に興味を持っていただくことができた。
第10後方支援連隊は、今後も各都道府県並びに市町村の防災訓練参加を通じて地域住民の方々との信頼関係の醸成に努めるとともに、自衛隊の魅力を発信していきたい。