自衛隊ニュース
高工校69期生、新たな道へ
写真=卒業証書を授与される学生
陸上自衛隊高等工科学校(学校長・星指𠮷見陸将補)は3月20日、小泉進次郎防衛大臣立会の下、荒井正芳陸上幕僚長のご臨席を賜り、第69期生(326名)の卒業式を挙行した。卒業生家族約850名も全国から駆けつけ、卒業生の晴れやかな瞬間を見守った。
卒業生の門出にあたり、高市内閣総理大臣より「自らの意志で国を守る任務に就く皆さんは、まさに国の宝である」と語り、最先端技術を学んだ若き自衛官への期待とともに、処遇改善と社会的地位の向上を約束するとのビデオメッセージを頂いた。
小泉防衛大臣からは「新しい戦い方に素早く柔軟に対応できる人材になってほしい。武山で得た経験と同期の絆を支えに、どんな場面でも諦めずにチャレンジして欲しい。皆さんは日本の宝だ。これから一緒に日本のために頑張ろう」との訓示を頂いた。
星指学校長は式辞で校風の「明朗闊達・質実剛健・科学精神」を具現し「らしくあれ」と激励。「困難な道でも同期との絆を糧に、最新技術と人間力を磨き、国民の負託に応える自衛官として歩むよう期待する」との言葉をはなむけとして贈った。
在校生代表・上村悠人生徒による送辞では卒業する先輩へ、卒業生代表・安田隼翔生徒による答辞では後輩へ、それぞれ感謝とエールを送りあい、ともに涙を浮かべる場面が印象的であった。
卒業生は4月1日付で陸士長に任官。生徒陸曹候補生課程(各陸曹教育隊)に進み、陸上自衛官としての第一歩を踏み出した。
なお、一部の生徒は防衛大学校、海上自衛隊・航空自衛隊の航空学生に進み、新しいステージへの道を歩み始める。
OB息子そろって
航空学校の第2教育部長である湯浅征幸1陸佐は3月20日、陸上自衛隊高等工科学校の「第69期生徒卒業式」に参加した。湯浅1佐の長男の翔太君が同校を卒業するため、湯浅1佐は保護者として参加した。
湯浅1佐は、昭和60年3月に第31期陸上自衛隊少年工科学校(現高等工科学校)生徒として入隊し、今年で自衛隊生活42年目になる。
平成29年8月には、高等工科学校教育部長として着任、後輩の人材育成に携わった経験を有している。また、翔太君が令和5年3月に第69期高等工科学校生徒として入校したことから、親子で陸上自衛隊生徒の道を歩むことになった。
当日は、湯浅1佐と生徒同期で大宮駐屯地業務隊付(4月1日に定年退職)の寺戸眞志2陸佐も卒業式に参加しており、仲の良い同期が令和5年10月の同校の体育大会以来、約2年半振りに再会した。
2人は昭和60年3月に入隊後、3個学年の区隊替えで2回も同じ区隊になり、卒業時の職種も同じ施設科となった。その後、湯浅1佐は陸曹航空操縦課程を経て、航空科職種に変更となったものの、41年経った今でも連絡を取りう仲である。
寺戸2佐の次男陽哉君も第69期生徒であり、「少年工科学校生徒同期の息子達が高等工科学校生徒同期」、「3学年の時は、父親の2人と同じく、息子たちも同じ区隊」という非常に珍しい状況となった。
卒業後は、翔太君は父親と同じ航空科に、陽哉君は高射特科にそれぞれ希望通りの職種に決まった。父親の2人は、「同期は一生の宝。今後も仲良くするとともに自ら学び、自ら考え、自ら行動する隊員になってもらいたい」とそれぞれ語った。
一方、湯浅1佐が勤務する航空学校第2教育部で勤務している第38期生徒の市川修司3陸佐の長男新之助君及び第41期生徒の今村貴春3陸佐の三男天慧君も第69期生徒だった。
新之助君はシステム通信科で希望通りの職種に決まり、天慧君は防衛大学校に入校する。なお、天慧君の兄2人は、長男が第65期生徒、次男が第67期生徒であり、陸上自衛隊生徒一家でもある。
航空学校(明野駐屯地)は、近年の少子化の進行による募集対象者の減少、コロナ禍後の民間企業の積極的な新規及び中途採用、大学生の就職内定の早期化及び内定率の上昇など、自衛官等募集を取り巻く環境がますます厳しくなっている中、各地方協力本部等と連携し、募集対象者の視点に立った部内外広報や学校・駐屯地見学支援を積極的に行い、1人でも多くの方々を入隊・入校させ、募集目標の達成に寄与するとともに、航空学校としても隊員自主募集の目標達成に向けて邁進する所存である。
札幌病院「准看護師」も
写真=病院長褒賞を受ける学生
自衛隊札幌病院准看護学院(学院長・本間健一1陸佐)は3月5日、北部方面総監部医務官、北部方面衛生隊長等のご臨席を賜り、第49期初級陸曹特技課程「准看護師」の卒業式を挙行した。卒業する第49期生25名は、准看護師として必要な知識と技術を身に付け、新たな一歩を踏み出した。
式では、本間学院長が一人一人に卒業証書を授与。「信頼される衛生救護陸曹になれるよう日々前進してほしい」と、期待を込めた言葉を贈った。
病院長(菊池陸将)は訓示で「自主的に学べ」、「新たな風を吹き込め」の2点を要望。
1点目の「自主的に学べ」については、「衛生科隊員としての役割について理解を深め、与えられる知識を詰め込むだけではなく目的意識を持って貪欲に知識・技能を習得することが大切。我々は、仲間の命に係わる任務に従事しているという自覚と危機感をもって、今後もあらゆる機会を捉え自主的に学んでもらいたい」と求めた。
新たな風吹き込め
2点目の「新たな風を吹き込め」については、「自衛隊衛生は今、さまざまな分野で注目されている。新たな任務等に従事する時、組織は使命感とともに活性化されるが長期化するとマンネリ化する。順調に従事している時こそ惰性に陥りやすい。新天地へ旅立つがそれぞれの場所で最初に感じる違和感はとても重要。現状で良いのか常に問題意識を持ち、組織に新たな風を吹き込める存在になってもらいたい」と今後の職務遂行への心構えを諭した。
来賓を代表して北部方面総監部医務官(佐藤1佐)は、新天地でのさらなる活躍を祈念するとともに「迷うことがあれば任務分析を繰り返し実施し、任務・地位・役割を明確にして立ち止まらないこと。若さを生かし部隊の原動力となる新風を巻き起こしてほしい」と祝辞を述べられた。
また、菊池病院長は式終了後、「組織において与えられた任務は必ず完遂させること、組織の中で上下だけを見ることなく左右にも目を配り、お互いにフォローし合うように、そして仲間を大切にするように」と激励の言葉を贈った。
卒業生たちは2年間で学び培った知識と技術、仲間を助ける気概を胸に、それぞれの新任地で衛生救護陸曹として誇りを持ち、職務に邁進していく。
陸幹候校は106期生
写真=見送られる卒業生
陸上自衛隊幹部候補生学校(学校長・香川賢士陸将補)は3月6日、第106期一般幹部候補生(部内選抜)課程(後段)216名に対する教育を修了、陸上幕僚副長(德永勝彦陸将)立会の下、卒業行事を執り行った。
覚悟もって原隊へ
卒業式では福岡県隊友会会長、林田和彦様、西部方面総監(鳥海誠司陸将)等多数の部内外来賓が見守る中、学校長が候補生一人一人に卒業証書を授与した。式辞において学校長は「訓練を重ねるにつれ、自主自律の精神が芽生え、教官たちに言われなくても『常にベストを尽くしていく』姿が見られた際は、学校長をはじめ我々学校職員にとって本当にうれしい思いがしました。何よりも困難な状況下でもやり抜く、オールアウトしようとする姿勢から、陸曹、陸士時代に部隊で鍛えられてきたI幹部の意地と誇りが伝わってきました」とねぎらいを述べた後、「全国各地の部隊で部下たちが待っている。自信と誇り、覚悟をもって原隊へ復帰せよ」とはなむけの言葉を贈った。
德永陸上幕僚副長は「本日より諸官が歩んでいく道は平坦な道程ではないかもしれない。しかし、諸官には共に学び合った同期生がいる。その絆は卒業以降も続くものであり、困難に直面した際に心の支えになる。本校卒業以降も同期の絆を継続し、共に助け、支え合う存在であってもらいたい」と陸上幕僚長の訓示を代読された。
記念会食では、来賓の方々や学校職員、家族へ感謝の意を伝え、約6カ月の教育を終えた候補生は、盛大な拍手と激励に見送られ自信と誇りを胸に雨の中、笑顔で幹部候補生学校から羽ばたいていった。
空幹校は指揮幕僚課程
写真=卒業証書を授与される学生
東京の桜開花宣言が発表された3月19日、東京都目黒基地にある航空自衛隊幹部学校(学校長・倉本昌弘空将)で森田雄博航空幕僚長臨席の下、第73期指揮幕僚課程卒業式が執り行われた。今回、空自46名、陸自海自各1名、留学生(オーストラリア、インド、インドネシア)3名の合計51名が卒業した。
まずは、航空自衛隊中央音楽隊による国歌の独唱に式場内は静まり返った。卒業証書授与では、倉本学校長が一人ずつに言葉をかけながら手渡した。「頑張れよ」、「よく頑張った」、「おめでとう」等、かける言葉もそれぞれ違い、しっかり卒業生の目を力強く見ながらの授与がとても印象的だった。
学校長は「皆さんが本課程で培った知識、技能、そして『融和団結』の精神で深化させた『同期の絆』、これらを原動力として航空自衛隊に新たな風を吹き込み、新たな航空宇宙自衛隊という最適解へと進化していかなくてはなりません」などと訓示したのち、「僕が昔言われて常に心している言葉がある『今やれ すぐやれ 絶対やれ できるまでやれ 俺がやる』この言葉を送りたい」と締め括った。
次いで森田空幕長は、「益々統合運用を深化させる必要がある中、陸海の学生と共に切磋琢磨し研究を行った皆さんが学んだ事項は今後の勤務に大きく活きてくるものであり、大変貴重な経験を積んだものです」等と訓示し、将来特に求められる資質や能力について「統率力」「総合判断力」「戦略的見識」の3点を花向けに送った。これから部隊等に戻る彼らの瞳は未来を見据えて輝いていた。