自衛隊ニュース

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防衛省・自衛隊
地方協力本部

写真=横断幕前での記念撮影(大阪)


入隊・入校激励会<大阪>

 大阪地方協力本部(本部長・安田百年陸将補)は3月8日、大阪市北区の「グランキューブ大阪」で「令和8年大阪入隊・入校激励会」を実施した。

 入隊・入校予定者とその家族、教員等学校関係者、近隣自治体の長、陸海空自衛隊の近隣部隊長等が出席し、厳粛かつ温かい雰囲気の中で執り行われた。

 第1部は国歌斉唱の後、主催者である大阪地方協力本部長、自衛隊協力大阪連絡協議会の吉川会長があいさつに立ち、激励の言葉を述べた。

 来賓祝辞では、南川第3師団長、牛尾貝塚市長が祝辞を述べた。小泉防衛大臣及び吉村大阪府知事からのビデオメッセージも上映され、祝意が伝えられた。

「精いっぱい精進」

 現役の先輩隊員からも、自身の経験をもとに温かいメッセージが送られた。

 これを受け、入隊・入校予定者が各種目を代表して決意を表明。航空自衛隊に入隊する幹部候補生代表の杉本英鈴音(えりん)さんは「有事にお役に立てる人材となるため、国防を担う指揮官となるため、精いっぱい精進してまいります」と力強く抱負を述べた。

 第2部では中部方面音楽隊による音楽演奏が披露され、会場は一転して和やかな雰囲気に包まれ、力強く親しみやすい演奏は入隊・入校予定者の新たな門出を祝った。

 入隊・入校予定者たちは今後、それぞれの道を進み厳しい訓練と学びを通じて国防の一翼を担うべく成長していく。会場には、若者たちの前途を祝福し、今後の活躍を願う温かい拍手がいつまでも響いていた。


母娘で予備自補J修了

<岐阜>

 岐阜地方協力本部(本部長・川口裕史1空佐)はこのほど、大津駐屯地において、最終の教育訓練となるJ訓練に参加した予備自衛官補(一般)の母娘を激励した。

 予備自衛官補(一般)は3年以内に50日(A~Jタイプ)の教育訓練を修了することにより予備自衛官に任用されるが、母娘は令和6年7月に岐阜地本で採用されて以降、ほぼ最短のスケジュールで教育訓練に参加しており、一般公募予備自衛官のモデルケケースとなっている。

 訓練を終え、予備自衛官に任用された母娘にこれまでの訓練の感想とこれからの抱負を語ってもらった。(なお娘のほうは4月から一般曹候補生として常備自衛官となった)

【母】水野稚子予備2陸士

 ――予備自衛官補を親子で志願することになったきっかけは。

 「年齢制限が52歳に引き上げられたと知り、迷わず志願書を手にしました。以前から抱いていた『国のために』という思いを、今こそ形にする時だと確信したからです」

 ――J訓練まで修了した時の率直な感想は。

 大学4年生の娘と共に挑んだ予備自衛官補の訓練。約20キロの装備を背負い、25キロの山道を行く訓練はきつく辛く、泣けるほど過酷でした。それでも国を守る一助となる為の試練、共に挑む娘に〝母の強さ〟を見てほしい一心で歯を食いしばりました。同時に、傍らで支えてくれる教官ら現役自衛官の崇高な志と姿に、親娘で深い感銘を受けました。娘はこの経験を経て、卒業後は自衛官として入隊することを自ら決意しました。

 ――どんな予備自衛官を目指すか

 「女性にしかできない役割を全うしたいという私の願いと、新たな道を選んだ娘。私たちはこれからも、それぞれの立場からこの国を守る誇りを胸に歩んでいきます」

【娘】水野愛子予備2陸士

 ――予備自衛官補を親子で志願したなったきっかけは。

 「志願したきっかけは、自衛官として勤務する兄の存在です。能登半島地震の報に接した瞬間、覚悟の表情に切り替わった兄の姿を目の当たりにし、胸が震え思わず涙があふれました。国防や災害対応の最前線で力を尽くす自衛官の強さと責任感に深く心を打たれ、私たちにも何かできることはないかと調べる中で予備自衛官補制度を知り、親子で志願を決意しました」

 ――J訓練まで修了した時の率直な感想は。

 「J課程までの訓練は厳しくも充実した日々で、年齢や職業の異なる仲間と共に限界に挑む経験は、自分自身を大きく成長させてくれました。訓練で出会った班長方も、人として目標としたい素敵な存在ばかりでした。初めは、最後までやり遂げられるか不安もありましたが、修了後訓練ロスを感じて寂しくなるほど夢中になった50日間は人生の宝物です」


各地でPR<滋賀>

 滋賀地方協力本部(本部長・𠮷田修造1陸佐)は1月25日から2月28日までの間、滋賀県内各地の商業施設で「自衛隊サテライトブース」を開設し、広報活動を行った。

 草津エイスクエア(草津市)、イオン近江八幡ショッピングセンター(近江八幡市)、ビバシティ彦根(彦根市)でそれぞれ開設し、防衛省・自衛隊に対する認知の向上を図った。

 特に、ビバシティ彦根のサテライトブースでは、市内最大級の商業施設の正面入口に開設できたこともあり、連日たくさんの親子連れや若者らが訪れ、休日には千人を超える来訪者でにぎわった。

 屋外に2分の1トントラック(パジェロ)、屋内には宿営用天幕や偵察オートバイなどを展示、300インチのモニターで自衛隊のPR動画を流すなど=写真=、施設側の協力を得て、自衛隊の魅力をアピールすることができた。

 期間中、約9500人の来訪者があり、「もっと詳しく知りたい」と訪れた希望者に対し採用制度等について説明し、予備自衛官補に7名、自衛官候補生に1名の方が志願していただいた。滋賀地本は、今後も地域社会との連携を強化し、広報活動の推進に全力で取り組んでいく。


OB講話を<福岡>

 福岡地方協力本部(本部長・久田茂将1陸佐)は1月16日から2月27日までの間、「令和7年度第2回援護キャンペーン」を小郡・福岡・久留米・小倉・飯塚の県内5個駐屯地において実施した。

 本キャンペーンの目的は、就職の援助を希望する定年制退職予定隊員の再就職に対する意識振作及び資質の向上、中隊長等の就職援護指導能力の向上を図るとともに、予備自衛官等の志願率向上及び隊員自主募集等の推進を図ることであり、定年制隊員及び中隊長等計119名が参加した。

 本キャンペーンでは、援護課から現在の経済情勢、再就職にあたっての心構え、退職予定者に対するインターンシップ、早期離職の防止、再就職の準備事項等について教育するとともに、各駐屯地で定年を迎えたOB隊員を招へいして講話を実施した。

 OB講話では企業が求める人物像、在職間やっておくべき事項等についての話があり、隊員たちは熱心に耳を傾けていた。

 また予備自衛官課より予備自衛官等制度の説明を、募集課より自衛官募集の現状及び隊員自主募集の依頼を行い、隊友会各地区会長からは隊友会の概要を説明した。

 隊員からは「民間の仕事の厳しさを知ることができて良かった」、「リアルな現状等が聞けてとても参考になった」。また、中隊長等からは「定年前の心情や仕事を決めた考え方は大変学びがあった。部隊の定年前の隊員にも聞かせたいと感じた」、「本日得た知識、感じたことを隊員指導等に役立てたい」とそれぞれ感想が寄せられた。

 福岡地本は「次回も参加隊員の意見を反映した充実した教育を実施するので、ぜひ多くの隊員に参加してほしい」としている。

読史随感<第194回>
神田 淳

戦争による世界情勢の悪化

 戦争が起き、世界情勢が悪化している。ウクライナ戦争が4年経ってなお終わりが見えない中、2月28日アメリカとイスラエルが突如イラン国内の軍事関連施設や指導部を爆撃、最高指導者ハメネイ師を殺害した。イランはイスラエル本土や湾岸地域の米軍基地、エネルギー施設などにミサイル攻撃で報復し戦争状態となった。イラン革命防衛隊はホルムズ海峡封鎖を宣言。海峡は事実上閉鎖され、石油供給途絶の不安から世界の石油価格が高騰。アメリカは、さらなる攻撃を示唆して封鎖解除を要求しているが、イランは要求を拒否している(4月7日時点)。最高指導者を殺害する攻撃を犯罪行為とみなし、これに対する報復を正当な義務と明言するイランは、アメリカに屈することなく戦うだろう。

 ウクライナ戦争、そしてアメリカ・イラン戦争、共に世界を悪化させている。戦争は多くの人を殺し、ものを破壊し、人々に大きな苦しみをもたらす。ウクライナ戦争では、ウクライナ軍兵士の8万人から14万人戦死したと推定される。また、民間人が1万5千人死亡している。ロシア側兵士の戦死者数はウクライナ側より多く、20万人を超えると推定されている。

 ウクライナ戦争とアメリカ・イラン戦争を見て思う。戦争によって政治目的を達成しようとするのは犠牲が多すぎて良くない結果をもたらす。特に、戦争によって相手国の主権を奪おうとすることは、相手国が徹底抗戦する場合、不可能である、と。プーチン大統領もトランプ大統領も戦争による政治目的の達成に失敗している。軍事行使による政治目的の達成は犠牲が多すぎ、厄災をもたらし、非効率であると悟るべきである。為政者はもっとすぐれた知恵をもたなければならない。

 ウクライナ戦争の目的は、ウクライナをロシアの政治的・軍事的な支配下に置くこと、即ち、ウクライナを属国化することであるが、この目的は果たして膨大な犠牲を払ってでも実現すべきことなのか、また容易にできることなのか、深い内省を要する。プーチン氏は「ロシアとウクライナは実際は一つの民族で、この意味でウクライナ全体が我々のものです」と言うが、そのような考えが正しいことなのか。ウクライナ戦争はロシアの戦争目的に正当性がないと私は思うが、これを実現しようとする戦略も杜撰である。

 アメリカ・イラン戦争はどうか。トランプ大統領はイラン攻撃の直後、この軍事作戦の目的はイランのミサイル能力の壊滅、海軍の殲滅、核兵器保有をさせないこと、そして政権によるテロ組織支援を止めることだと語る。空爆による奇襲攻撃は成功したが、この戦争の着地点は見えず、長期化の様相を呈している。トランプ氏の発言も、戦争は終わりに近いと言ったり、無制限の攻撃を述べたり、一貫しない。ホルムズ海峡閉鎖はアメリカ人の使う石油と関係ないと思っていたふしがあるが、世界の石油マーケットでアメリカの石油価格も確実に高騰する。トランプ氏はガソリン価格の高騰に怒るアメリカ国民の支持を失いつつある。

トランプ氏の高関税政策も失敗との評価が定まりつつある。関税のほとんどが国内価格に転嫁され、消費者が負担する形になった。食品・日用品・自動車関連など輸入依存度の高い分野で消費者物価が上昇。製造業の雇用は増えず、むしろ減少。高関税政策はGDPを低下させ、賃金を減少させるとの評価が定着しつつある。

 国の指導者には普通の人をずっと上回る能力、知力、判断力、洞察力、ものを見通す英知が必要であるとつくづく思う。

(4月8日アメリカとイランが2週間停戦し、協議に入るとの報道があった。協議が進み、戦争終結を念じてやまない)

(令和8年4月15日)

  

神田 淳(かんだすなお)

 元高知工科大学客員教授。著作に『すばらしい昔の日本人』(文芸社)、『持続可能文明の創造』(エネルギーフォーラム社)、『美しい日本の倫理』(https://utsukushii‐nihon.themedia.jp/)などがある。

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