自衛隊ニュース
防衛省入省式
小泉大臣から辞令
写真=小泉防衛大臣(左)から辞令を受ける入省者代表
4月1日、全国の防衛省の機関や部隊等で入省式が行われ、約900名の事務官・技官等が社会人としての道を歩み始めた。桜が満開を迎えた市ヶ谷の本省では小泉進次郎防衛大臣が、76名に対して訓示を行った。新規入省者を代表して、石井貴大事務官が辞令を受け、続いて服務の宣誓を読み上げた。小泉大臣は訓示に立ち、「我が国を取り巻く安全保障環境は、かつてないほど急速に厳しさを増している」と述べた上で、「皆さんのこれから取り組む仕事は、私の防衛大臣としての判断と意思決定を支え、自衛隊が任務を果たす上で不可欠の要素となること、ひいては我が国の将来を左右する重要なファクターになる」とあらためて自覚を促した。式後、新規入省者の2人が取材に応じ、野本悠太朗事務官は「まずはひとつずつ目の前の仕事に取り組んでいきたい」、伴星佳事務官は「できるだけ早く日本の平和と安全に貢献できる人材になりたい」とそれぞれ意気込みを語った。
「雲外蒼天」心に励め
防衛大学校入校式
来賓、先輩からエール
写真=本科入校生を代表し宣誓する渡辺学生
防衛大学校(神奈川県横須賀市)の入校式が4月5日、桜咲く同校で行われ、本科74期生をはじめとする学生らが国防への決意、信念を胸に新たな一歩を踏み出した。4月1日付で制服組(自衛官)トップから就任した吉田圭秀学校長は学生らの前途に期待を寄せた。観閲式では先輩学生らがエールを送った。
本科74期生ら決意固む
静寂の中に、りんとした決意の声が響いた。
入校式会場の防大・記念講堂。国歌斉唱に続いて、吉田学校長から「防衛大学校学生」となることを任命された本科第74期生の代表、渡辺蒼士学生(岡山県出身)が会場に響き渡る気迫に満ちた声で、「全力を尽くして学業に励むことを誓います」と宣誓、入校を申告した。
宮﨑政久防衛副大臣は訓示で、「我が国を取り巻く安全保障環境は大きく変化し、一層、急速に厳しさを増しています。皆さんの先輩方は今この瞬間も厳しい任務にあたっています。先輩方を見習い、それに続くためにも、一歩一歩着実に自らの能力を高め、自信をつけてほしいと思います」と激励した。
来賓代表祝辞では、統合幕僚副長の松永浩二陸将があいさつに立ち、「どんなに厚い雲に覆われていても上昇を続ければやがて紺碧の空に至る、これを『雲外蒼天』と言います。心が折れそうになったときは、この言葉を思い出し、自らを奮い立たせてください」と語り掛けた。
会場を陸上競技場に移して行われた観閲式では、先輩学生らが祝賀飛行、観閲行進で入校を祝した。
観閲官・吉田学校長による学生隊(5大隊で編成)の巡閲に続いて、会場右手上空から次々と航空機が進入した。陸自からCH47J輸送ヘリなど、海自からP1哨戒機など、空自からC2戦術輸送機など、卒業生らが搭乗する全7機種・8機が整斉と航過した。
観閲行進では、第1~5大隊がそれぞれ範を示すかのように、観閲台横に整列して見守る新入生の前を歩き過ぎた。
今年の入校学生は、本科第74期528人(うち女子104人)、同留学生23人(3人)。理工学研究科前期課程第65期52人(2人)、同後期課程11人(1人)、総合安全保障研究科前期課程第30期13人(2人)、同後期課程第18期3人(0人)。
吉田学校長(初の生え抜き自衛官)就任
自らも新境地を開く吉田学校長が学生たちに対し、さらなる研さんを求めた。
吉田学校長は東大工学部を卒業し1986年3月、陸自に入隊。8師団長、北部方面総監、陸上幕僚長、統合幕僚長等を歴任し2025年8月に退官した。
久保文明前学校長の後を受け4月1日付で第11代学校長に就任した。歴代学校長は学者や官僚出身者が多く、元制服組トップからの就任は異例。自衛隊の最高幹部の就任は、元陸幕長(元内務官僚)の大森寛・第2代学校長以来で、生え抜きの自衛官出身者では初めてとなる。
吉田学校長は「今我々は一世紀前の苦難の歴史を繰り返すのか否かの、分水嶺に立っています」と難局の時代にあることを示し、本科学生に対しては、①志を立てること、②信頼を構築すること、③自主自立を体現すること、の3点の実行を求めた。
さらに「ここで習得したリーダーシップの素地は、諸君の今後の幹部自衛官としての基盤になるだけでなく、難局の時代に直面する我が国の羅針盤にもなっていく」と期待を込めた。