自衛隊ニュース
英戦略コマンド司令官を表敬訪問
<木村自衛隊サイバー防衛隊司令>
連携強化について意見交換
自衛隊サイバー防衛隊司令の木村顕継陸将補は2月12日、英国のロンドンにおいて英戦略コマンド司令官ホッケンハル大将を表敬訪問した。
英戦略コマンドへの表敬訪問は、ホッケンハル大将が昨年の8月に訪日した際に招待されたもので、「サイバー分野における今後の日英連携の強化」及び「サイバー分野における能力向上・人材確保」などについて意見交換を行い、英戦略コマンドとの関係構築を図ることを目的としたものである。
ホッケンハル大将との懇談においては、平時から有事における軍民連携を通じた国家安全保障上のサイバーセキュリティ確保の必要性について意見交換を行うとともに、同分野における日英連携の重要性について認識の共有を図った。
ホッケンハル大将は、木村司令の訪英に感謝し「英戦略コマンドとの関係構築を図っていくことは、日英防衛協力をより一層強化していく上で、極めて有益である」と述べた。
木村陸将補は、「サイバー分野における日英連携の促進は、今後の両国の安全保障・防衛協力において重要な位置を占めるものであり、引き続き議論を重ねていきたい」と述べた。
TPPインドネシア 教官団が出国報告
6月26日から8月6日まで、陸上自衛官24名が国連三角パートナーシップ・プログラム(国連TPP)の一環で、インドネシアにおいて同国とその周辺国の工兵要員に対して重機の操作訓練を実施する。国連TPPとは、国連と日本等の支援国および要員派遣国の3者が協力して国連平和維持活動(PKO)派遣要員の訓練等を行う枠組みで、自衛隊は平成27年以降アフリカ、アジアおよびオセアニア地域の工兵要員407名に訓練を行ってきた。 6月17日、第6施設群(豊川)を基幹とした教官団を代表して、教官団長の玉置宏行2陸佐、企画管理幹部要員の坂本崇3陸佐、統括教官要員の石神充良1陸曹、教務広報陸曹要員の●柳萌3陸曹が森下泰臣陸上幕僚長に出国報告を行った。森下陸幕長は、「日本の施設能力を世界にしっかりと伝えてほしい」と述べるとともに、日本の丁寧な教育姿勢が評価されてきたことをあげ、「ただ物事を教えるだけではなく、日本人としての心をお伝えするということも、心掛けてほしい」と要望した。 |
歓迎 トルコ艦艇「クナルアダ」
<木村自衛隊サイバー防衛隊司令>
6月12日午前8時頃、トルコ海軍コルベット「クナルアダ」(排水量2465トン、全長99・56メートル、横幅14・42メートル、喫水6m、乗員140名)が東京国際クルーズターミナル(東京都江東区)に入港し、親善行事等が行われた。日本とトルコの外交関係樹立100周年と、両国が友好関係を築くきっかけとなったエルトゥールル遭難事故から134周年を記念するもので、トルコ海軍艦艇としては9年振り、「クナルアダ」は初めての日本寄港となった。
式典には、伊藤弘横須賀地方総監、駐日トルコ大使らも列席した。ホストシップを務めた補給艦「ときわ」の有村秀士副艦長と「クナルアダ」艦長のセルカン・ドアン中佐が記念品を交換、終始和やかな雰囲気で歓迎行事が行われた。
「クナルアダ」は、4月8日にトルコを出港し、4カ月半にわたってアジア20カ国を巡る旅の途中だ。日本には6月8日から11日に串本(和歌山県)、12日から16日に東京、18日から21日に呉に寄港し、各地で一般公開も行った。また、航海中の4月には、ソマリア沖アデン湾で、日本の第54次派遣海賊対処行動航空隊のP3C哨戒機と親善訓練を実施した。同隊司令の澤畑祐太2海佐は「本部隊の戦術技量の向上及びトルコ海軍との相互理解の増進を図るとともに、海の友情を深めることができた」と述べた。
「WPS」全体教育を初実施 統幕で
組織全体での反映が重要
6月17日、防衛省は「WPS(Women,Peace and Security)」への取組みを推進するため、初めてとなる全体教育を行った。教育には吉田圭秀統合幕僚長以下、統幕等に勤務する195名の隊員が参加した。 WPSは2000年に国連において紛争予防や平和維持活動等において女性が主体者として参画することを目的に採択されたもので、防衛省では今年4月に初めて同推進計画が策定された。 今回講師を務めたのは、防衛省ジェンダー・アドバイザーの松沢朝子WPS国際連携企画官。松沢企画官は、推進計画は「全員の意識改革」「WPSを推進する体制の整備」、「国際連携の推進」、「防衛省自衛隊の活動におけるジェンダー視点の反映」の4本柱であると述べ、「皆さん一人一人、男性隊員も女性隊員もまずWPSがどのようなものであるかというのを認識・理解をして、その上で日々の業務においてWPSやジェンダー視点を意識的に組織全体で反映していくことが大切だ」と強調した。 |
第5次シナイ半島平和協力隊帰国
塩隊長に第1級賞詞
6月11日、エジプトのシナイ半島で、エジプトとイスラエルの停戦監視活動を行う多国籍部隊・監視団(MFO)に、第5次シナイ半島平和協力隊として約1年間任務にあたった、司令部連絡調整部計画担当副部長の塩崇2陸佐、同運用幹部の永井遼介3陸佐、司令部後方支援部施設幕僚の山田将平3陸佐、同施設幕僚の宮下孝幸2陸曹が、木原稔防衛大臣に対して帰国報告を行った。
なお、隊長の塩2陸佐は、エジプトとイスラエル両国の関係当局間の対話・信頼醸成の促進を支援し、中東の平和と安定に大きく寄与したこと、自身の真摯な姿勢が自衛隊の国際的評価の向上に大きく寄与した功績が高く認められ、第1級賞詞が防衛功労賞を添えて授与された。
翌12日には、森下泰臣陸上幕僚長に帰国報告を行った。今次より派遣要員が2名から4名に増員され、追加された後方支援部施設要員2名はMFOへの初の施設要員派遣であり、また、宮下2曹は陸自では初めてとなる陸曹の現地ミッション司令部への派遣だった。森下陸幕長は、労いの言葉をかけるとともに、「これまでTPPや能力構築支援等では、陸曹の技術を世界に伝えてきたが、今回司令部要員としても貢献できることを示してくれた。このようなやりがいのある仕事があるんだ、ということを部隊や後輩達にぜひ広めて欲しい」と要望した。
塩2佐は「増員されてこれまで以上に組織的に活動でき、良い形で第6次にバトンを渡すことができた」、宮下2曹は「他国の下士官とネットワークを築けたことで、今後様々な事項で細かく調整ができるようになる」と充実した1年間を振り返った。
4月20日に伊豆諸島沖で起きた海上自衛隊所属ヘリコプターSH60K2機の墜落事故におきまして、亡くなられた隊員の方のご冥福を心よりお祈り申し上げますと共に、ご遺族様及び関係者の方々にお悔やみを申し上げます。防衛ホーム新聞社 ・16号機(大村) |