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自衛艦隊創設70周年記念式典
海上作戦センター内部を初公開

 自衛艦隊(司令官・齋藤聡海将)は、創設70周年を迎えた7月1日、横須賀基地に停泊中の護衛艦「いずも」の格納庫において記念式典を行った。自衛艦隊は、護衛艦隊、航空集団、潜水艦隊、掃海隊群、海洋業務・対潜支援群、開発隊群、艦隊情報群を隷下に持つ海上自衛隊最大の部隊。水上艦艇約80隻、航空機約190機、潜水艦約20隻を保有し、海自隊員全体の3分の2にあたる約2万8000人が所属する。式典は、海上幕僚副長(海幕長代理)、米第7艦隊副司令官(司令官代理)、横須賀市長、OB等、部内外から約150名が参列した。

 齋藤司令官は式辞で「『自由で開かれたインド太平洋』の実現に向けて、同盟国、同志国と共同して平和と安定に寄与して参ります」と述べた。海幕長祝辞は真殿知彦海幕副長が代読し、「隊員諸官においては、海上自衛隊の作戦の中枢にいるという強い責任感のもと、引き続き高い勤務意欲を維持し、与えられた任務に真摯に取り組み、その使命を確実に遂行することを期待します」と述べた。また、同じ横須賀に所在する米第7艦隊の司令官式辞はエイミー・バウアンシュミット副司令官が代読し、「日米同盟は今後も繁栄し続け、ともに前途の難局を乗り越え、両国のみならずこの地域の全ての国々の方々の安全と繁栄を確保するため、日米の力を発揮していきたい」と述べた。


百数十名収容可能な第1作戦室


 6月27日には、作戦行動を指揮する「海上作戦センター」の内部が報道陣に初めて公開された。自衛艦隊司令部以下6つの主要な司令部を集約し、2020年10月から運用を開始。庁舎は地上6階、地下2階構造で、地上に比べて2倍の広さがある地下には、約1000平方mの「第1作戦室」がある。正面の大小十数個のモニターには、作戦状況が一目でわかるような図面等が映し出される。モニター前にはV時型のテーブル、その後方にはイスやテーブルが多く並べられており、事態発生時には24時間態勢で百数十名が任務に就くことができるという。


意思疎通わかりやすく


 記者会見を行った齋藤司令官は「同じ建物に集約したことで、各司令官や各幕僚同士の意思の疎通がわかりやすくなった」と述べ、それが早い意思決定に繋がっていると説明した。今後は、大規模または長期間の作戦に対応するために、宿泊施設や食堂等を拡充していく予定も明かした。また今年度末に創設予定の、陸海空を一元的に指揮する「統合作戦司令部」との連携についての質問には、これまでに演習等で調整を行って来ているとし、「設立までに課題を一つひとつ潰すことで良い関係を築きたい」と答えた。