自衛隊ニュース

自覚と使命感芽生える
入隊式
28普連
写真=同期と共に困難も乗り越える!
第28普通科連隊(連隊長・廣山俊一1陸佐)教育隊は4月5日、函館駐屯地において、令和7年度自衛官候補生課程入隊式を挙行した。
本行事は、自衛官候補生の入隊を祝うとともに、自衛官候補生としての自覚を保持させ、課程教育に臨む意気を高揚させることを目的として行われた。
入隊式は、八雲町長代理・田中智貴氏、道南地区自衛官志願推進協議会副会長・高橋征二氏、自衛隊家族会道南自衛隊家族会会長・杉本幹雄氏、函館地方隊友会会長・笹森時太郎氏、有斗高校校長・小高亮氏、柏陵高校校長・扇柳尚英氏をはじめ多数の来賓の方々と自衛官候補生の家族が来隊し、自衛官候補生の門出を祝福した。
自衛官候補生は緊張しつつも、自衛官になる覚悟と誇りを持って士気高く申告及び服務の宣誓を行った。
執行者(連隊長)の式辞では祝福の言葉とともに「日々前進」、「仲間を大切に」の要望事項が贈られ自衛官候補生達はこれらの言葉を胸に刻み込んだ。
自衛官候補生20名は、これから約3カ月にわたりさまざまな訓練や困難を乗り越え一人前の自衛官をめざし成長を続けていく。
1師団
第1師団(師団長・鳥海誠司陸将)ではこの春、採用された自衛官候補生の入隊式が、第1普通科連隊(練馬)、第32普通科連隊(大宮)及び第34普通科連隊(板妻)でそれぞれ挙行された。4月5日の各部隊で行われた入隊式には18歳から32歳までの約150人が参加した。式では新たに入隊した自衛官候補生たちが整列し、号令に応じて整斉と動作する姿を喜ぶ家族も多く見られるとともに、真新しい制服に身を包んだ我が子を誇らしげに見つめながら一緒に写真を撮る微笑ましい風景が広がった。
新隊員はこの日、平和と独立を守るという強い覚悟を胸に自衛官候補生の「服務の宣誓」に臨み「専心自衛官として必要な知識及び技能の修得に励むことを誓います」と力強い声で誓った。凛とした空気の中、その一言一言に彼らの覚悟と責任感がにじみ出ており、宣誓を終えた表情には、自衛官としての自覚と使命感が芽生えていた。式後に「今日この日から自衛官になっていくんだという強い実感が湧きました」と話す新隊員の目は、強い意志の輝きを放っていた。
会場には多くの家族や友人が駆けつけ、晴れ姿をカメラに収める姿があちらこちらで見られた。特に印象的だったのは、制服姿のわが子を見て涙ぐむ親の姿と、それに照れながらも笑顔で応える新隊員の姿。中には成長した姿に「まだ子どもだと思っていたが、制服を着た姿を見て将来が楽しみだ」と感慨深く話す母親の姿もあった。
新隊員の一人は「台風19号で洪水が発生し災害派遣で来てくれた陸上自衛官の姿を見て自衛官を志しました。いつかは自分も災害派遣等で活躍できる自衛官になりたい」と意気込みを話してくれた。
今後の彼らは自衛官として必要な知識と技術を学び、体力づくりや射撃訓練などを行う約3カ月の基礎教育を経て、自衛官候補生から自衛官(2等陸士)となり、引き続き全国の駐屯地に分かれて専門教育を受けたのち、9月末に部隊へ配属され、真の自衛官へと成長していくこととなる。
姫路
「今よりも強く」
姫路駐屯地(司令・米村謙一1陸佐)は、4月11日、姫路駐屯地において令和7年度自衛官候補生課程教育入隊式を挙行した。
当日は、天候に恵まれるとともに駐屯地には満開の桜が咲き誇り、最高の入隊式日和となった。29名の自衛官候補生達は、真新しい紫紺(しこん)の制服に身を包み、緊張感と真剣な眼差しで式に臨んだ。人事発令通知では区隊長が1人ずつ名前を呼び上げると力強く返事をし、堂々とした態度で申告・宣誓を行い、自衛官候補生として大きな一歩を踏み出した。
執行官(教育隊長・中垣喜裕3陸佐)は式辞の中で、「伝統を継承しつつ、国の安全と発展のため、訓練等に汗を流し、信頼される自衛官として活躍することを期待する」と述べた。また、立会官である駐屯地司令は「今よりも強くなってもらいたい」と要望し、自衛官候補生達は真剣に耳を傾け、厳粛な雰囲気の中、整斉と式が執り行われた。
今後、自衛官候補生課程約3カ月間の教育で、自衛官としての必要な知識・技能を身に付けるため、同じ釜の飯を食べる仲間達と共に切磋琢磨し、厳しい教育訓練に挑み、自衛官という目標達成に向かって進んでいく。
12旅団
第12旅団隷下各駐屯地では新隊員教育隊を編成し、3月下旬から逐次自衛官候補生の受け入れを行い、入隊式を経て課程教育を開始した。
新町駐屯地(第12後方支援隊)、新発田駐屯地(第30普通科連隊)、高田駐屯地(第2普通科連隊)、松本駐屯地(第13普通科連隊)に、計81人の自衛官候補生が着隊した。
機略縦横(94)
人材育成
写真=第9師団最先任上級曹長
准陸尉 山田 博己
自衛隊の作戦戦闘の骨幹である准曹士の人材育成の推進には、各部隊、熱意をもって工夫し、取り組んでいることと思います。陸上自衛隊第9師団准曹士隊員においては東北人の特徴である「粘り強い性格」と、「内向的な性格」を踏まえて人材育成に取り組んでいます。特に「内向的な性格」から、目立ちたくない、注目されたくない気持ちが強く、平凡な環境を好み、変化することを苦手とする傾向にあります。そのため、隊員が自主的に能力の進化に取り組めるよう、「チャレンジするきっかけ」と「失敗を恐れることなくチャレンジできる環境」を構築し、隊員の心理的安全性を高めることを重視しています。もちろん、失敗や挫折をすることもあるでしょう。その失敗や挫折は隊員が飛躍するきっかけになるように、まずは、「チャレンジしたことを褒め」、「失敗の原因改善を整理し、目標を突破する道筋を、丁寧に分かりやすく引き出す」を行うことと、その過程において教え過ぎは隊員の主体性が無くなるため、隊員の考えを引
き出すようにしています。
最後に、自衛隊准曹士全ての隊員に共通することは「失敗は成功のもと」であり、目標を持ってチャレンジしなければ、衰退することはあっても進化はありません。失敗を恐れることなく、訓練や趣味など「思い切って、思う存分」、取り組んでいきましょう。