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北海自衛太鼓創部60周年

写真=熱演する北海自衛太鼓


 幌別駐屯地(司令・橋本隆之1陸佐=当時)は、2月22日、登別市民会館大ホールにおいて、北海自衛太鼓創部60周年記念行事を挙行した。

 本行事は、長年にわたる活動に対しての理解と支援への感謝と、節目を祝うことを目的として行われた。当日は、地元の和太鼓チーム及び北海みゆき太鼓、幌別中学校吹奏楽部が共演し、優美かつ迫力ある演奏を披露した。特に、和太鼓と吹奏楽が融合した新たな演出であった。吹奏楽部との「まつり」「宝島」の2曲の共演や、サプライズでの防衛大臣から応援ビデオレターに、会場は大きな盛り上がりを見せた。北海自衛太鼓はその他「北海激流流れ打ち」「噴火出陣太鼓」「栄光のSL」を演奏し、力強い太鼓の響きが会場いっぱいに広がった。

 来場者には、市民の皆様をはじめ国会議員、道議会議員、登別市長、各協力団体、歴代駐屯地司令、歴代北海自衛太鼓リーダー、全国の自衛太鼓リーダーなど大勢の方々が出席し、記念すべき節目をともに祝った。

 北海自衛太鼓リーダーである石中曹長は、「多くの方々の支えによって60年の伝統が受け継がれてきたことを改めて実感した。今後も北海自衛太鼓の魅力を発信していきたい」と語った。

 幌別駐屯地は、今後も地域との連携を深め、北海自衛太鼓の良き伝統の継承に邁進していく。

機略縦横(114)

隊員育成

第11旅団最先任上級曹長 准陸尉 荒川 努

 第11旅団では『旅団陸曹実務訓練』を実施しています。旅団隷下各部隊で選考した、年度優秀隊員を他方面隊や海上自衛隊、航空自衛隊、機関、史跡などの研修を通じ各人の知見を深め、今後、部隊での更なる活躍を促す取り組みとして、旅団最先任上級曹長が平成27年度から実施している事業です。本事業に参加した隊員が、幅広く知識を得て自衛官として深化し、自ら成長しようとチャレンジしている姿や積極的に後輩育成に係わっている姿を目にすると、本事業を立ち上げ継続して実施してきた歴代最先任上級曹長の人材育成に懸ける思いを感じるとともに、旅団最先任上級曹長事業として継承していかなくてはとの思いを強く感じているところです。

 また、本事業の成功の裏には、研修先の各最先任上級曹長との繋がりがとても重要です。今の情勢の特性を捉え参加隊員に必要なものは何かを考え、研修先部隊の最先任上級曹長等と調整し、本事業の趣旨を理解し積極的に協力していただくなど、最先任上級曹長等のネットワークが最大限活用されていることに感謝しかありません。引き続き、このネットワークを活用し全国の最先任上級曹長との繋がりを大切に、本事業が各部隊で実施されることで隊員育成の一助となればと感じています。

ノーサイド
北原 巖男

勝手に体験的新隊員声援
勇気を出して声をかけてください!

 全国の自衛隊員・ご家族の皆さん、本紙読者の皆さんをはじめ、日本国民は、それぞれ折々に、人生の節目に、どこかで桜に接して来ています。今を盛りと咲き誇る満開の桜に圧倒されるとき、桜吹雪となって次々と散り行くひとひらの花びらが手に触れるとき、えも言われぬ感動や思いが湧き上がって来ます。全国津々浦々、桜は、いつも私達の身近にあって最も愛されている不思議な花ではないでしょうか。

 そんな桜たちの祝福を受けるようにして全国の防衛省・自衛隊の門をくぐられたのが、新自衛隊員の皆さんです。自衛官・事務官・技官・教官等の違いはあっても、等しく常に国民と共に在る国民の自衛隊の若き自衛隊員として、「服務の宣誓」を行い、国民の負託に応えて行く皆さんです。皆さんの入省・入隊を心から歓迎いたします。(ちなみに、筆者は、つい最近、自衛隊に出来ないことで自衛隊を応援し続けている本紙の吉田佳子社長の勧めで、3月6日公開の柿崎ゆうじ脚本・監督、前川泰之主演 映画「宣誓」を観賞しました。多くの隊員や国民の皆さんにもご覧いただきたいと思いました。)

 映画「宣誓」が取り上げている東日本大震災を始め、頻発する各種大規模自然災害への迅速かつ的確な対応、被災者の皆さんに寄り添う対応が防衛省・自衛隊には一段と求められています。そして目を外に転ずれば、これまでにない厳しさと複雑さを増している国際軍事情勢。ロシアのウクライナ侵略、一方的な現状変更を目論む中国の覇権主義的行動、台湾問題、核・ミサイル開発に邁進する北朝鮮、そしてイランがあります。

 こうした中に在って、我が国は、防衛力の抜本的強化を急いでいます。

 しかし、そんな我が国が直面している最大の問題は少子化です。歯止めがかからないどころか加速度的に進んでおり、若年人口は減る一途です。今や年間の出生数は僅か70万人さえも切っています。防衛力の最も重要な根幹が人であることは、論を待ちません。危機的な状況に陥っている防衛力の人的基盤。大変困難な、しかし一刻を争う大問題です。

 こうした中で、新たに自衛隊員になられた皆さんです。一人ひとりが将来の防衛省・自衛隊を担う、正にかけがえの無い若き人材です。

 しかし、これまでの学生時代やご両親等の無尽の愛情や庇護に包まれた環境とは一変します。

 もちろん、これから皆さんは、幾多の楽しいこと、嬉しいこと、ワクワクしたり幸せを感じること、人生意気に感じること、自衛隊員としてのやりがいや誇りを

感じる瞬間にも出会います。

 他方、苦しいこと、辛いこと、絶望することなどにも直面します。でも、そうした厳しい体験は、あなただけに限ったことでは決してないことを知っておいて頂きたいのです。上司や先輩も経験して来たり、体験しています。筆者もそうです。そういうものなのだということを忘れないでいて欲しいのです。

 老婆心ながら、新隊員の皆さんにこれから申し上げることは、一自衛隊OBの筆者自身の体験です。

 抱いていた夢や希望とのギャップに落胆されたり、大きな違和感を覚え、緊張と不安で心身ともに疲れてしまい、体調を崩すこともあるかもしれません。更に、自信を失い、自分を信じられなくなることもあるかもしれません。毎日の通勤が辛くなることもあるかもしれません。(筆者は、急性十二指腸潰瘍になりました。朝、駅のホームのベンチにしばらく座ったままだったことが時々ありました。「・・・しょうがないな。ケセラセラ(Whatever will be,will be)だ。行くか。よし!」と自分に言い聞かせ、奮い立たせて腰を上げたことも、一度や二度ではありません。ケセラセラは、心に秘めた魔法の言葉でした。)

 知らない人たちばかりに囲まれ、とっつきにくく孤独感や自分の殻に引きこもりたくなるような気持ちが続くこともあるかもしれません。(ある時、筆者は人生の先輩から言われました。勇気を出して、思い切って自分から話しかけてみてごらん。自分から話しかけたときに自分が傷つくのではないかと怯えていた筆者。立ちふさがる大きな壁を超えるのは自分には容易でない気持でした。・・・でも、勇気を出して声をかけてよかったです。そして、意外にも相手が自分に心を開いてくれることも感じたのです。気持ちが楽になった気がしました。)

 3月9日、筆者は高校時代のクラスメイトが20年前に創立し学園長を務める通信制の「さくら国際高等学校東京校」の卒業式に参加しました。それぞれの道に向かって巣立って行く卒業生の皆さんが全員で歌ったのは、Mrs.Green Appleの「僕のこと」。こんなくだりがあります。(筆者抜粋)

  僕と君とで何が違う?

  おんなじ生き物さ分かってる

  でもね僕は何かに怯えている

  みんなもそうならいいな

   (中略)

  僕と君とで何が違う?

  それぞれ見てきた景色がある

  僕は僕としていまを生きてゆく

  とても愛しい事だ

 歩き始めた新隊員の皆さんに向けて、一OBが勝手なことを綴って参りました。なにがしかの参考になれれば嬉しいです。

  

北原 巖男(きたはらいわお) 元防衛施設庁長官。元東ティモール大使。現日本東ティモール協会会長。(公社)隊友会理事

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