自衛隊ニュース

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関係機関と連携を強化
南海レスキューに参加<14旅団>

写真=通信機材をヘリに搭載する隊員と通信事業者


 第14旅団(旅団長・仲西勝典陸将補)は、1月19日から25日までの間、中部方面隊における最大規模の災害対処訓練「07南海レスキュー」に参加した。本訓練は、南海トラフ巨大地震を想定し、発災直後の初動対処及び孤立地域における対応を焦点とした実動訓練を四国各県で実施するとともに、自治体、関係部外機関等と災害協定に基づく行動を演練して、連携の強化を図った。

 発災直後の情報収集訓練では各隊区担任部隊が災害対処計画に基づき初動対処部隊を派遣して、偵察経路が途絶したという想定の下、NEXCO西日本と連携して緊急開口部の解放・通過要領を演練するとともに、計画に基づき無線中継所適地となる生地や県庁等における中継所の開設・通話を実施して計画の実効性を確認した。

 災害協定に基づく企業との連携訓練として、通信事業者との協同においては、孤立地域において通信インフラが被害を受けたという想定の下、各通信事業者の人員・応急復旧器材等をUH-1Jに搭載・卸下する訓練を実施するとともに勉強会を実施して相互理解を深めまた。併せて、四国電力との協定に基づく協同訓練においては孤立地域において停電したという想定の下、四国電力送配電の人員・器材等をUH1-Jに搭載・卸下する訓練を実施するとともに、駐屯地が停電した際の復旧訓練を実施した。

 また、医療機関との協同訓練では、第14飛行隊(隊長・齋藤翔平2陸佐)が、出羽島(徳島県)が孤立した想定の下、昼間及び夜間のホイスト訓練を実施し、現地に着陸できない状況下でも、昼夜を問わず救難対応できる能力の向上を図るとともに、各部隊の衛生隊員は救助した傷病者を適切に医療機関に引き継ぐために、事前調整・機内での応急処置・救助者の搬送・医療機関への引継ぎまでを実動で確認し、医療機関との連携を図った。

 さらに、国土交通省四国地方整備局が主催する四国南海トラフ地震対策戦略会議に第14旅団長が参加し、有識者をはじめ、国の機関やライフライン等企業との意見交換を実施し、災害発生時においては、防衛省自衛隊だけではなく「オール四国」で各種災害に対応できるよう、平素からの連携強化が必要だということで会議参加者と意見が一致していることを確認した。

 第14旅団は引き続き、関係部外機関・企業とも連携して「四国の護り」に努めていく。


第69回北部防衛衛生学会<札幌病院>

写真=優秀演題表彰者


 1月21日、北海道青少年会館コンパスにおいて、自衛隊札幌病院長(菊池勇一陸将)が学会長となり、「衛生の挑戦~北部方面隊の強靭と信頼のために」をテーマに「第69回北部防衛衛生学会」を実施した。

 本学会には、自衛隊中央病院長、大臣官房衛生監をはじめ多くの来賓が臨席して、北部方面総監が「沖縄と陸上自衛隊」という演題で、地域の住民から陸上自衛隊に対する理解を獲得するために歩んできた足跡を講話した。

 特別講演では、赤十字国際委員会(ICRC)整形外科医長の安藤先生より「近代戦における負傷者対応」という演題で中東パレスチナのガザ地区における医療活動の経験と教訓についてご講演いただき、有事における隊員の生命・身体を確実に救うための「衛生機能の変革」を進める中で、身体的・精神的に過酷な環境において必要なアセスメントやトリアージ等について病院及び各部隊等の隊員が認識を共有することができた。

 また、教育講演では、北海道大学大学院公衆衛生学教授の玉腰先生より「生活習慣と健康」という演題で平素から隊員の壮健性を保持するために必要な健康管理に大きく係るコホート研究の結果などを紹介していただき、衛生科隊員として必要な知識を高めることができた。

 さらに、一般演題では、方面衛生隊、師団・旅団衛生隊、衛生小隊及び業務隊衛生科の隊員が、それぞれの立場で衛生の役割を果たすため実施してきた訓練等の成果を発表し、その中で第11後方支援隊衛生隊の「野外行動時における衛生情報共有」、方面衛生隊の「札幌医科大学病院への患者航空後送訓練の成果と今後の課題について」が優秀演題に選ばれた。

 学会の最後にパネルディスカッションを実施して、「戦(外)傷治療能力向上のための教育・人材育成について」を議題に多様な視点で議論が交わされ、北部方面隊の教育・訓練態勢の更なる強化へとつながる共通認識を得ることができた。

 本学会を通して、北方衛生の隊員は、何があっても必ず仲間を助けるという強い気概を堅持し、現場で直面する課題と真摯に向き合い、「衛生の挑戦」を継続することで実効性をさらに高めて、方面隊の強靭性向上に寄与し、自衛隊に対する確固たる信頼の醸成を図っていく。

戦傷治療集合訓練<衛生学校>

写真=戦傷模型を使ったダメージコントロール手術訓練


 陸上自衛隊衛生学校(学校長・白石智将陸将補=三宿)は1月15日、「令和7年度戦傷治療集合訓練」を実施し、全国の衛生科部隊から約130名の隊員が参加した。隊員たちは、衛生学校階段教場での講義に加え、体育館に設けられた各ブースで実習や見学を行った。ブースは次の4つのカテゴリに分かれて展開された。

①トリアージ・ムラージュ

 患者状況表を用いて緊急度判定を行い、フィードバックを実施。さらに、治療対象となる損傷の簡易模型を、市中で購入可能な資材で作成した。

②FAST検査

 臓器配置の理解(解剖生理)教育の後、プローブ走査法の講習と実習を行い、画像読影および報告までを実施した。

③新教材紹介

 訓練で使用する教材展示に加え、企業も参加し、アプリを活用したトレーニング等を紹介した。

④メンタル強化技法

 ストレスに関する教育の後、心理課程に在籍する学生が主体となり、個人ストレス対処技法の実習を行った。

 午後からは、DCS(ダメージコントロール手術)訓練を実施。衛生学校所属の医官が、手術室環境を模した場で戦傷模型を用いて実践的な手術シミュレーションを行い、手技の解説を行った。

 今回の教育を通じて、戦傷治療能力向上に資する隊員の育成を図るとともに、TCCC(戦術的戦傷救護)を中心とした戦傷治療能力の更なる向上につなげることができた。


相次ぐ林野火災に
災派出動<12旅団>

写真=取水点で汲み上げるCH‐47(群馬県桐生市)


 第12旅団(旅団長・栁裕樹陸将補)は、令和7年12月8日から令和8年1月28日までの間、5件の林野火災に出動した。

 群馬県内における林野火災は3件であり、関係機関との連携を図り群馬県知事から旅団長に空中消火活動に係る災害派遣要請を受理し、旅団は速やかに各地域の隊区部隊から連絡員を現地対策本部に派遣し情報収集を行った。

 第12ヘリコプター隊は即応力を発揮し、群馬県内では12月8日から10日までの間、富岡市妙義町、1月11日と12日には、桐生市梅田町、1月25日から27日までの間には、藤岡市上日野町への林野火災への空中消火を実施した。空中消火は火点への迅速な進入、正確な投下、地上部隊員との連携によって、効果的な消火活動を実施し被害の最小化を図った。

 また県外において、12月23日から25日、神奈川県伊勢原市でCH-47が2機活動するとともに、1月13日から23日の長期にわたる空中消火活動を山梨県上野原市にて実施し、相次ぐ林野火災に出動した。

 旅団は近年頻発する林野火災に迅速かつ的確に対応するため、部隊の即応性、指揮統制能力及び関係機関との連携強化を図り、引き続き対処能力の向上にまい進する。

34普連も

写真=火災現場上空でヘリ(CH‐47)から散水を行う104飛行隊


 第34普通科連隊(連隊長・鈴木攻祐1陸佐=板妻)は1月18日から23日までの間、静岡県藤枝市で発生した山林火災に伴う災害派遣活動に従事した。

 1月17日正午過ぎに藤枝市岡部町の山内で火災が発生し、地元の消防や隣県のヘリコプターが消火活動するも鎮火に至らず、連隊は17日午後7時45分、県からの災害派遣要請を受け、翌18日早朝、連絡要員を県庁及び藤枝市役所に、消火支援部隊を隣接する島田市の大井川緑地公園に派遣した。

 現地到着後、消火支援部隊は空中消火活動を行う第104飛行隊(木更津)のヘリコプター(CH-47)への空中消火用のバンビバケットの運搬・取付け、離発着場周辺の安全確保等の地上任務を実施した。

 火災現場では連日、延焼を防ぐため消防による地上からの消火、空中からは104飛行隊、他県のヘリ等をもって幾度となく放水を行い、懸命な消火活動により火の勢いは徐々に弱まり23日午後12時15分、鎮圧が確認されたため県からの撤収要請を受け活動を終了した。


海自隊員に警備訓練
<対馬警備隊>

写真=海自隊員に銃の操作を教える陸自隊員


 対馬警備隊(隊長・山田憲和1陸佐)は、12月4日、5日、対馬島内に所在する海上自衛隊対馬防備隊に所属する海上自衛隊員に対し、警備訓練を実施した。

 本訓練は、令和6年4月に対馬駐屯地で三自衛隊意見交換会が行われ海自防備隊司令の要望から実現したもので、令和7年度より四半期に一度の計画で訓練を開始、今回で3度目となる。訓練は、基地警備に係る海自隊員の練度向上を目的として、基礎的な銃操作、射撃姿勢、近接戦闘要領を段階的に技術指導しており、対馬警備隊普通科中隊狙撃班が訓練を担任し、プロフェッショナルの技術を伝承している。

 対馬警備隊は、銃の操作に精通していない海自の隊員に、丁寧な説明と展示を折りまぜながら質の高い訓練を目指すとともに、警備のため揺るぎない礎を共に築き上げるため、引き続き協同・連携に励んでいく。


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