自衛隊ニュース

皆さま、フェリシタシオン(おめでとうございます)!
堂々の銀メダル3個獲得
パリ五輪で "精強" 示す
パリ五輪(7月26~8月11日、32競技・329種目実施)に防衛省・自衛隊を代表して、自衛隊体育学校(朝霞)から高谷大地1陸尉(レスリング班)、石黒隼士2陸曹(同)、新添左季2陸尉(柔道班)、佐藤大宗2海曹(近代五種班)、内田美咲3陸曹(同)、蝦名愛梨2陸曹(水泳班)、梶木真凜3陸曹(女子ラグビー班)の7人の「自衛官アスリート」が出場(梶木3曹は2大会連続2度目、他の選手はいずれも初)。佐藤2曹が近代五種で日本勢初、また海上自衛官としても初となるメダルを獲得するなど、3競技で合わせて銀メダル3個を獲得し、国内外に "精強" を示した。
レスリングF74キロ
「応援の力感じた」
高谷1尉、力強く
明るく豪放磊落(らいらく)なキャラクターで会場の観衆も "味方" につけ、激戦中量級のフリースタイル74キロ級で銀メダル獲得という大仕事を成し遂げた。
高谷1尉は、2回戦、準々決勝をそれぞれ10点以上の差をつけ、テクニカルフォール勝ち。
このうち、セルビア人選手との準々決勝では、ロンドン五輪(2012年)フリー66キロ級金メダリストで、今回コーチとしてセコンドに付いた米満達弘3陸佐の同五輪決勝をほうふつさせる大技を見せた。相手の胴あたりへ高いタックルを仕掛けて一気に左肩まで担ぎ上げ、投げ倒した。
準決勝では、一度対戦経験があり、「とてもリスペクトしている。戦えることに感謝し、戦いを楽しもうと思っていた」というアメリカ人選手にポイントを先制されるも逆転。足首を固めて回転させるアンクルホールドも決め、20-12で辛勝した。
一方、ウズベキスタン人との決勝は、「(金メダル獲得の)プレッシャーを感じ、必要以上に緊張していた」こともあり、バックを取られてうまく返され、固められてフォール負けを喫した。
「応援の力を感じた。自分の力以上の力が出せた。いろいろな方に直接お礼を申し上げたい」と語る高谷1尉。
「(メダリストとして、機会があれば)自衛隊体育学校、自衛隊の広報関係のお仕事にも協力させていただければ。レスリングの普及と、スポーツを始める方が一人でも多くなるような活動ができればとも思っている」と "恩返し" にも努めていくつもりだ。
柔道混合団体戦
新添2尉、強気で
日本のお家芸、柔道。日本チーム(選手は男女7人ずつ14人)の一員として出場した新添2尉が、しっかりと務めを果たした。
個人戦女子70キロ級と混合団体戦(男女3人ずつ6人出場)に挑んだ新添2尉。
このうち個人戦では悔し涙を飲んだ。「(出場内定後)約1年間かけ対策を立て調整してきたが、準備してきたことをほとんど出せなかった」
ウズベキスタン人との3回戦は袈裟固めで一本を奪ったが、オランダ人との準々決勝は、一瞬のすきに小外刈りで技ありを奪われた。敗者復活戦も勝ち切れなかった。
団体戦までの2日間は気持ちを立て直すのに苦労したが、「メダルを取れなかった選手、特に女子選手は多く、最終日(団体戦)は頑張ろう、と励まし合った」。
迎えた団体戦。「一丸となって戦った」というチームは、トーナメントを順当に勝ち上った。
セルビアとの準々決勝はチームの二番手として登場。映像を世界配信する仏テレビ局のスタッフが思わず「ビューティフル・ウチマタ!」と実況する鮮やかな内股で一本を奪った。
ドイツとの準決勝は一番手として臨み、延長戦に大外刈りで技ありを奪って勝利し、チームを勢い付けた。
開催国フランスとの決勝は出番がなかったが、チームの銀メダル獲得に大きく貢献。「泥仕合できれいな柔道とは言えなかったが、がむしゃらに戦った」ーー。静かに控えめながらも強く、そう振り返った。
防衛省 600人が出迎え
選手7人は8月27日、東京・市ヶ谷の防衛省で木原稔防衛大臣に対し帰国報告を行った。
同省講堂で行われた帰国報告には、木原大臣、三宅伸吾、松本尚両政務官、番匠幸一郎防衛大臣政策参与、増田和夫事務次官、吉田圭秀統、森下泰臣陸、内倉浩昭空各幕長ら最高幹部が出席。また内局、各幕等の幹部約600人が整列し、選手たちを盛大な拍手で出迎えた。
選手を代表して、高谷1尉が木原大臣に対し力強く帰国を申告。
木原大臣は「一人一人が世界最高の舞台において全力を尽くすことで、日本国民に感動と勇気を届けてくれました」とねぎらった。
続いて、七嶋剛士体育学校長が「選手は日本の代表として誇りを持って世界の各国・地域を代表する強豪と戦ってまいりました。体育学校としまして、銀メダル三つ、入賞二つの成果を得ることができました」と成果を報告した。
各選手の戦いの様子が映像で紹介され、さらに選手一人一人が応援への謝意などを語った。