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岩谷2曹 "親子" で出場

海自柔道に長男と

「第38回海上自衛隊柔道・剣道大会」がこのほど、海自呉教育隊体育館(呉)で行われ、各地方大会での予選を制した選手が集結し、大会会長である酒井海幕長による観戦の下、熱戦が繰り広げられた。
 大会では、横須賀地方大会を勝ち進み柔道女子無差別級の代表として出場した海自第2術科学校(学校長・南厚海将補)の岩谷翠華2曹が注目を集めた。
 岩谷2曹は同校総務部で勤務する傍ら柔道家として稽古にも熱心に取り組み、帰宅後は1歳の男の子の母親として家事・育児をこなす。
 日々の過酷な自主トレと屈強な男性隊員との練習で自らを追い込み、出産後の体力低下も克服して横須賀地方隊大会を制した。
 海自大会出場に際しては、2術校先任伍長から呉地方総監部・呉教育隊先任伍長への調整により、試合会場への長男同伴や授乳室等の準備など支援態勢が整えられ、岩谷2曹の「親子出場」が実現した。
 柔道着に黒帯を締め、気迫と熱意にあふれた岩谷2曹は、家族と同僚たちからの声援を背に順調に勝ち進み決勝へ。
 決勝は息を飲む緊迫した空気の中、同じく気合十分の川口3曹(第1整備補給隊)と相互に得意技を仕掛ける展開となったが、わずかに及ばず準優勝で終えた。
 試合後、長男を抱いた岩谷2曹は「今回の結果に満足することなく今後もさらに精進していく」と意気込みを語った。
 南2術校長は「性別にかかわらず、仕事と育児を両立できる勤務環境を整えることも、指揮官としての重要な責務」と述べた。

戦力伯仲

全自拳法団体戦(5人制)では、強豪の普通科連隊に加えて後方部隊等も活躍し "戦力" が伯仲していることを伺わせた。
 第8後方支援連隊は初戦で北方王者の第11普通科連隊を2-1の小差で撃破。中部地区の雄、第33普通科連隊も1-1からの代表戦で破り、後方部隊としては史上初となるベスト8入りを果たした。
 監督の甲斐憲明2曹は「有事には兵站が狙われる。我々後方部隊こそ高い接近戦闘(格闘)能力が求められる。拳法をやることで敵に相対した時の "一歩踏み出す勇気" を学ぶ。そんな思いで連隊長の指導の下、日々錬成に励んでいる」と熱く語った。
 (全自衛隊拳法連盟事務局)

「武士道養う」田村監督

第39回全自衛隊拳法選手権大会団体戦において、優勝を勝ち取ることができました。
 普通科教導連隊としては2回目です。1回目は19年前の第21回大会の時、私は選手であり大将として参加しましたが今回は監督として2回目の優勝を果たすことができました。19年前に味わった団体戦優勝の感動を後輩に味合わせることができ、感無量です。
 初戦から1勝差、1本差で勝敗が決まる接戦が続きチーム力があるほうが勝利する状態でした。大会を終えて感じるのは達成感と優勝することができた安堵感、うれしさで心がいっぱいです。
 これもひとえに日頃から訓練環境を整えてくださった連隊長はじめ連隊の皆様、管理面等のさまざまなご支援を頂いた業務隊の皆様、いつも陰で支えてくださる協力会・OB会の皆様、練成隊員のご家族皆様のおかげであり、この優勝はすべての方を含めた「チーム」として勝ち取ったものだと思っております。深く感謝いたします。
 チーム力をさらに高めて2連覇を目指すとともに、普通科教導連隊として他部隊の指標であり続けるために努力していきます。また、拳法(武道)を通じて武士道精神を養い、人間性の向上を含めて精進していく所存であります。

普教連が "復活" V

全自衛隊拳法

普通科教導連隊(連隊長・新田幸司1陸佐)拳法練成隊(監督・田村友和1陸曹)は3月9日、航空自衛隊入間基地体育館で実施された「第39回全自衛隊拳法選手権大会」に参加した。
 大会は5人制団体戦と個人戦の2部門で実施され、団体戦には普通科教導連隊チーム(以下「普教連」)として出場、個人戦には男子の部の軽量級~無差別級に6名、女子の部に1名がそれぞれ出場した。
 シード権を手にしていた普教連は2回戦目から登場。3回戦の第1空挺団との戦いでは1本負けている中で大将戦(大将・前田3曹)に突入。手に汗握る中2本を勝ち越し、逆転勝利した。
 準々決勝では第13普通科連隊Aと対戦。互角の中、ここでも大将戦で勝利を手にした。
 準決勝では、第41普通科連隊と対戦。2-2と絶対に負けられない場面で3度目の大将戦に。落ち着いた戦いぶりを見せるも両者譲らず迎えた試合終盤、相手のすきをついて立て続けに2本連続で奪い試合を制した。
 決勝戦の相手は昨年度優勝の強豪、第32普通科連隊。先鋒上田3曹は格上を相手に粘り強い戦いで引き分けに持ち込んだ。次鋒の本橋3曹は試合中盤に1本奪われるも、終盤に2本取り返して逆転勝利。キャプテンとしての意地を見せつけた。中堅仙石1曹は互角の試合で引き分けに持ち込み、副将北大路3曹へつないだ。
 ここまで4試合勝ち星のない北大路3曹であったが、得意の回し蹴り、前蹴りで敵副将を圧倒して2本勝ち。優勝を決定づける大きな1勝を挙げたその頬に大粒の涙が流れた。
 一方、個人戦73キロ級では、本橋3曹が団体戦の余勢を駆って敢闘賞を受賞した。
 大会後、駐屯地に帰隊した練成隊を部隊総出で出迎えた。監督の田村1曹は連隊長に対し団体戦の優勝を報告、部隊に対して改めて感謝を述べるとともに来年度の2連覇を誓った。

防衛ホーム スポーツ部

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