防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   887号 (2014年7月15日発行)
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寄せ書き
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教えるために重要なこと
第32普通科連隊(大宮) 3陸曹 武野貴宜
 重迫撃砲中隊は、4月7日から9日の間、民間企業の新入社員33名を受け入れ、隊内生活体験を実施し、私は11名(女性2名を含む)の班長を務めました。
 体験内容は、「基本教練」、「救急法」、「体育」、「格闘」、「ロープ結束法」、「行進」等様々な項目を実施しました。特に基本教練の最終目的として、最終日に「観閲行進」を設定し、これを達成すべく、「団結」を着眼として基本教練を指導しました。
 3日間という大変短い時間の中、まずは各個動作から丁寧に指導しました。体験者にとってはもちろん初めての経験で、身につくまで時間がかかりましたが、体験者は弱音を吐くことなく真剣に取り組んでいました。
 3日間の分隊教練では、体験者は数々の体験をこなしてきたため疲労もピークに達していましたが、互いに励まし合い、上達の早い者が遅い者にアドバイスをするといった助け合いも見られるようになりました。
 その後、本番の「観閲行進」では、企業の役員が視察に訪れ、体験者一同は緊張した面持ちではありましたが、31名が一致団結し、成果を充分に発揮して威風堂々の観閲行進を披露し、役員は自社の新入社員の成長ぶりと、自衛隊の指導力・組織力に驚嘆していました。
 今回の生活体験を通じて、人に物事を教えるために重要なことは、綿密・周到な準備と予行、相手にとって分かりやすい説明、親身な指導であると感じました。この貴重な経験を今後の後輩への指導に活かしていきたいと思います。
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自分を変えていくには
第47普通科連隊(海田市) 3陸曹 松井直樹
 5月14~15日まで生活体験支援で助教を経験させてもらいました。この中で私がモットーとして取り組んだことは「積極性」と「周りの人のおかげで自分が存在する」ということです。
 基本教練で分隊を指揮する人に対し「失敗してもいい!失敗してもいい!思いっきりやって行こう!」と何度も積極性の大切さをいい続けました。失敗を恐れて行動ができなくなるといけないと思ったからです。
 かく言う私も大失敗しました。第13旅団重迫撃砲射撃競技会で分隊長として参加した時に私の点検ミスで負け、その場を逃げ出したくなりました。しかし、逃げるのではなくできることを初心に帰って頑張っていくと周りの人も支えてくれたり、応援してくれるようになりました。自分を変えて行くには行動を変えていくことが大切だと思いました。失敗しても失敗のままで終わってはいけません。
 私は基本教練であえて厳しいことを言いました。生活体験参加者の中にはふてくされたり、へそを曲げたりした人もいましたが、そこで私は、「いらっとする気持ちもあると思うが、何もしなかったら、今までと何にも変わらないので、言われて嫌なことでも『ありがとうございます』と言う気持ちで行動しよう」と繰り返し話しかけてゆくと、訓練に取り組む姿勢が変わってきたように感じました。
 他人にはこんなことを言っていますが、私自身がそんな気持ちで行動できているかどうか自信はありません。自分に言い聞かせる意味でも言い続け、また、言い続けることによって行動も良いほうに変わっていくと思います。
 今日私があるのは周りの人のおかげです。いい人に出会って行くためには、自分を磨き、よりよい自分に変えていかなければいけないと思っています。第47普通科連隊に転属して間もないですが、新しい出会いを大切にして頑張ってゆきたいと思います。
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チームワークと時間厳守
普通科教導連隊(滝ヶ原) 陸曹長 池谷 聡
 5月21日から5月29までの間、私は、2個企業の隊内生活体験の教官を担当させていただきました。
 私は隊内生活体験者(研修生)に対し、「チームワーク」と「時間厳守」を要望し、教育を実施しました。研修生は、着隊当初、慣れない環境の生活に要領がつかめず、時間に追われ自分のことをこなすことで精一杯でしたが、訓練が進むにつれ訓練の目的を研修生自身が考えるようになり、またお互いを思いやるチームワークが養われて行き、限られた時間の中での行動を計画的に行なえるようになって行きました。
 受入れから離隊までの2泊3日の訓練はあっという間の時間でしたが、各企業から要望された規律、時間管理、団体行動の重要性等は認識させることが出来たと感じています。訓練に参加した研修生の皆さんには、この体験を今後の仕事や日常の生活に活かして、企業戦士として、また社会人としての活躍を祈念するところですが、今回の隊内生活体験は、自分自身にとっても大変良い経験となり、この経験を今後の任務に活かしていきたいと思います。最後に、支援をいただいた各中隊の助教要員、支援隊、外来係の方々に感謝を申し上げます。

活躍するOBシリーズ
「頑張っています」新しい職場
サマユー(株) 吉次 和人
吉次氏は平成25年12月、海自43掃海隊の掃海艇「うくしま」機関長を
1海尉で定年退職。55歳。

 私は昭和53年3月に入隊し、35年余りの海自勤務を終えて、平成25年12月に定年退職しました。再就職に際して雇用情勢が厳しい中、艦艇機関科員として培ってきた経験と知識を活かせる業種を希望していましたところ、就職援護室の紹介により「サマユー株式会社本社」に就職することができました。下関基地隊就職援護室長をはじめ、小月航空基地隊就職援護室の皆さんの親身なサポートに感謝しつつ日々業務に励んでおります。
 「サマユー」は、古代サンスクリット語で"愛と信頼"と言う意味です。
 三菱重工業鰍フ代理店として、契約機種及びアフターサービス製品を提供する組織を本社(下関)に置き、東京・神戸・長崎に営業所とシンガポールに支店を持っています。当社は常に一流の質の高いグローバルサービスを提供し、社員一人一人が能力、個性を十分に発揮できる場を創り、プロの技術者として生きがいを持って、豊かな生活を実現できる会社です。
 私は、本社アフターサービスグループの一員として、油圧モーターや油圧ポンプの修理及び主機関過給機のタービンローターバラシング整備を実施しています。
 私以外の社員は、現場でアフターサービス工事を何十年と行ってきた豊富な知識、経験及び優れた技能を持つ職人です。このような方々の中で、果たしてやっていけるのだろうかと不安を持っていましたが、先輩方の温かい指導及び手助けにより、仕事の内容を理解し、チームの一員として業務を果たせるようになりました。
 自衛隊は、縦社会であり命令に対して行動することが常でしたが、一般社会においては自らが考えて行動することが重要であることを痛感しています。積極的に行動し、機関科ディーゼル員として培った「しつけ教育・事前の準備・作業手順の再確認・危険予知訓練・体力」を持って、会社に貢献できる社員になれるように精進努力していく所存です。
 会社は何事にも積極的でやる気のある人材を求めていますが、そのためにはまず健康が重要です。また、海自で学んだ安全に関する知識・経験やしつけ教育は企業においても有用です。これから、第2の人生に船出する方々は、自らの知識と経験に誇りを持ち、体調管理に気を付けて、新しい人生に突き進んで下さい。


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