自衛隊ニュース
ドラゴンクエストⅩ春祭り2026初参加!
陸上自衛隊中央音楽隊
写真=2000名の観客を魅了した陸上自衛隊中央音楽隊
陸上自衛隊中央音楽隊(隊長・志賀亨1佐)は3月20日、東京都にある立川ステージガーデンで開催された「ドラゴンクエストX春祭り2026」に出演した。
中央音楽隊が本イベントに参加するのは初。ドラゴンクエストをこよなく愛する熱狂的ファン、約2000名が会場を埋め尽くした。
プログラムは、作曲家の故すぎやまこういち氏の作品で「ドラゴンクエストのタイトル画面で主に流れる序曲~冒険の旅~世界をまわる~王宮のトランペット~海を越えて~街でのひととき~おおぞらをとぶ~勇者の仲間たち~戦闘のテーマ~アレフガルトにて~勇者の挑戦~そして伝説へ」。そしてアンコールは「この道わが旅」の全13曲。ゲーム上の音楽ではプロオーケストラの演奏が主体であったことから、「吹奏楽での違和感は?」「テンポ設定は大丈夫だろうか?」「ゲームの雰囲気と合致しているか?」などなど複雑な思いを巡らしながらも、ついにリアルタイムのライヴが始まった。
コンサート会場は熱気に包まれる中、各作品・各場面にドラクエ愛に思いを致すYouTubeコメントも無限に寄せられた。「中央音楽隊スゴい!」「日本にこんな団体があったのか?」「所作が素晴らしい!」「まさにホンモノを超えた演奏」「超号泣!涙が止まらない!」「これぞ国家的行事!」などのコメントで埋め尽くされ、再生回数約20万回を優に超えた。
隊長の志賀1佐は、「ドラゴンクエストの各作品を通じて、ご来場頂いた皆様、そして、ライヴ視聴者の皆様と共に熱気溢れる『冒険の旅』を堪能することができました。これからも中央音楽隊を応援してください」とコメントした。
陸自が無人アセット
専従部署を新設
写真=手前が無人装備要員、奥が無人アセット防衛能力推進要員
陸上自衛隊は、ドローン等の無人アセット(装備品)運用能力強化を推し進めることを目的に、4月8日、陸幕防衛部防衛課に「無人アセット防衛能力推進室(室長・小林憲治1陸佐以下室員7名)と陸幕装備計画部装備計画課に「無人装備室(室長・藤原英之1陸佐以下室員6名)を、専従部署として新設した。「無人アセット防衛能力推進室」は主に無人装備の運用構想や研究開発等担い、「無人装備室」は機体の調達及び補給・整備等を担う。
同月13日には防衛省で新編式が行われ、各室長が小泉進次郎防衛大臣に編成完結の報告を行い、看板が授与された。
小泉大臣は訓示で「諸外国は既にウクライナの教訓を踏まえ、無人アセットを用いた新しい戦い方の構想実現に着手している」と指摘し、「我が国の地理的特性を踏まえた新しい戦い方を早期に実現しなければならない」と述べた。無人機については「隊員の命を危険に晒すリスクを減少させ、有人では困難な危険かつ過酷な環境下での活動ができる重要な能力だ」と言及し、「世界で最も隊員の命を大切にする組織、世界で最も無人アセットを駆使する組織に変革させるべく、荒井陸上幕僚長の下、一致団結して陸上自衛隊の新たな戦い方を作り上げてほしい」と求めた。
中央病院に
准看護学院が開校
写真=訓示に立つ鈴木病院長
4月1日、陸上自衛隊5番目の准看護学院として、自衛隊中央病院(病院長・鈴木智史防衛技官=三宿)に准看護学院が新しく開校した。開校及び入校式には日下大臣官房衛生監のほか陸上幕僚監部人事教育部長や衛生部長、三宿及び近傍駐屯地に所在する衛生科部隊長等が参列した。
部隊衛生の中核である准看護師たる衛生救護陸曹となる志を立て、全国から選抜された30名(男性10名、女性20名)の隊員が入校した。課程名は、初級陸曹特技課程「准看護師」で、教育期間は2年間であり、当課程では、第一線救護能力の向上を目指し、不屈の精神と透徹した使命感、ゆるぎない責任感と確かな医療技術を備えた救護陸曹を育成する。
自衛隊中央病院は、平成27年3月の高等看護学院閉校後も防衛医科大学校の臨床実習や看護官の卒後教育を担当しているが、新たに准看護師の養成も担当することになる。教育時間は、看護科目が1922時間、自衛隊科目が1678時間の合計3600時間であり、2年次に陸曹候補生課程入校も含むため、学生にとって准看護師、そして衛生救護陸曹としての資質を涵養するのに十分なカリキュラムとなっている。
式において、学生に対し病院長から「自己錬磨に努め、自己の目標を設定し地道に日々研鑽すること、また、負傷したら必ず助けてくれると信頼して任務に邁進する隊員に対し、最善を尽くして応えられる衛生救護陸曹となるため、知識、技術、体力を修得・向上させるとともに、使命感を持った准看護師たる自衛官を目指して成長してほしい」と訓辞が述べられた。
ノーサイド
北原 巖男
あるドキュメンタリー映画
自衛隊員・ご家族の皆さん、そして本紙読者の皆さんには、これまでも様々なドキュメンタリー映画をご覧になっておられることと思います。画面に映し出される真実が持つ凄み。作り話ではありません。
取り返しのつかない残酷さと悲痛の叫びや涙に怒りや胸を痛め。或いは歓喜の声や満面の笑顔、笑顔に胸を躍らせ喜びを共有。その都度、そんな自分自身を映画館の観客席にて体感されて来ておられるのではないでしょうか。
ところで、日々ニュースで報じられているイランやガザ。一日も早く事態が収束し、戦禍の下で傷つき逃げ惑っている人々に、平和で安心して暮らせる日常が回復することを願わずにはいられません。
注目されるのは、イスラエルのネタニヤフ首相の強硬な姿勢です。テレビでは中東問題の専門家や大学の先生などが、種々解説や今後の見通し等を披歴されていますが、筆者には良く分かりません。
そうした中、「THE BIBI FILES(ネタニヤフ調書 汚職と戦争)」(製作総指揮‥アレックス・ギブニー、監督‥アレクシス・ブルーム)というタイトルのドキュメンタリー映画が上映されていることを知りました。BIBIとは、ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相の略称であり、彼は、「KING BIBI」等のニッネームも有するとのこと。
報道によれば、同映画は、詐欺や背任・贈収賄等で首相在任中の現在訴追されているネタニヤフ首相や、奥様をはじめ幾多の関係者に対する警察の尋問の様子などが克明に記録されており、イスラエル国内では、上映が禁止されている由。
筆者が観た都内の小さな映画館は、平日ということもあり、30名程度の観客でした。しかし、一見して、老若男女を問わず様々な世代の皆さんが関心を抱いているように感じました。
映画の受け止め方は、正に千差万別と思います。
まず、警察の尋問映像がこのような形で公開されること自体に大変な驚きを禁じ得ませんでした。
そして、映画の中でネタニヤフ首相が何度もおっしゃっている「知らない」「記憶にない」「でたらめだ」「嘘だ」「問題ない」等の発言や、「私は、国益第一」「安全保障に係る問題だ。個人の問題ではない」等の発言、更には、自ら口にされた映画「ゴッドファーザー」のセリフ「友は近くに置け、敵はもっと近くに置け(Keep your friends close, but your enemies closer.)」の考え方などに触れるとき、筆者は、現職の首相がイスラエル史上初めて訴追をされるに至っている背景や極右政党との連立政権発足の背景等の、ごく一端を垣間見たような思いをしながら映画館を出ました。
裁判はガザやイラン情勢のため幾度か延期され、現在も継続中です。何らの判決も出ていない現時点で、軽々な発言は厳に慎まなければなりません。
映画館で入手したプログラムには、ブルーム監督とギブニー製作総指揮者の次のようなやり取りが掲載されていました。
ブルーム監督「1995年にユダヤ人過激派がラビンを暗殺し、その後ネタニヤフが首相になりました。ですから、もともと無欠の指導者だったわけではなく、〝不安の種〟は常にあったのです。しかし2015年に彼が予想外の大勝を収めた後、自分を〝選ばれし者〟だと信じるようになった・・・と多くの人が言います。私も驚きました」
ギブニー製作総指揮者「これは多くの権威主義者に共通する現象です。自分が作り出した虚構を信じ込み、事実よりも伝
説を選んでしまうのです」
大切な指摘だと思います。
北原 巖男(きたはらいわお) 元防衛施設庁長官。元東ティモール大使。現日本東ティモール協会会長。(公社)隊友会理事