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   2003年12月15日号
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決意新たに観閲行進
新師団長、首都圏防衛を宣誓 第1師団
観閲台の管博敏東部方面総監(左)と矢澤昌志第一師団長
 一国の中枢を預かる新師団長が到着──。陸上自衛隊の人事異動に伴い12月5日、第1師団長の着任行事が練馬駐屯地グランドで行われた。東部方面総監・菅博敏陸将の臨場で開式し、新師団長・矢澤昌志陸将は着任の辞で「政経中枢師団」を指揮する意気込みを述べ、パレードを観閲した。また総合学習のために駐屯地を訪問中の中学生一向は、予期せず「かっこいい」観閲行進を見学し驚嘆。自分たちが暮らす地域の「最終的力」を初めて目撃し、頼もしさに安堵と感謝で表敬した。
 肌寒い霧雨のなかを、微動だにせず立ち尽くす軍団のもとへ──まずは観閲部隊指揮官・師富敏幸副師団長が入場。敬礼を皮切りに、矢澤師団長と菅方面総監が臨場し、栄誉礼に続いて訓示した。
 昭和37年に陸自の5個方面隊・13個師団体制への移行により誕生した第1師団は、数度の新編を経て今日に至り、首都圏の守護として機能。東京都練馬駐屯地に司令部を置き、全国の約3分の1の人口を含む7都県の防衛・警備・災害派遣を担当する。
 壇上から菅総監は「改変から1年8ヶ月。今後も一致団結し政経中枢を担い、国民の負託に応えること。日夜厳しく教育訓練し、即応態勢に万全を期すことを望み、平成14年3月に陸自の体制改革に伴い、特科隊と化学防護隊が新編され「政経中枢師団」として生まれ変わったことを踏まえた着任の訓示を述べた。
 「勝利の美酒をともに傾けんことを期して」師団長・矢澤昌志陸将が登壇・挨拶。巡閲、栄誉礼を受け、1都6県を護る決意と隊務運営の式辞を述べた。身命かけて、「いついかなるときも使命を成し遂げる」こと。また「結果に責任を」と述べ、創設以来の武装集団としての原点に立脚し、政経中枢の最終的力である誇りと決意をもって着任の辞とした。
 朝からの雨をものともせず、師団所属の各部隊が堂々と観閲行進。第1音楽隊の伴奏で観閲部隊本部15名に続き、第1・31・32・34普連以下、第1後方支援連隊、第1特科隊、第1高射、第1施設ほか、「1」の軍勢が揃い踏み。日本で唯一の第1化学防護隊を含むファースト師団の全16部隊、人員967名、車輌152両が力強い行軍を見せた。上空には第1飛行隊の4機のヘリが飛来、巡閲した。
轟音で走行する第一戦車隊の威容を見て西高津中の生徒には印象深い総合学習となった
感激が将来の自衛官を生む
 この日「総合的な学習の時間」で練馬駐屯地を訪れていたのは神奈川県川崎市の西高津中学校の生徒たち。幸運にも師団長の着任パレードに立ち会い、最高の社会見学となった。感想は「すごい」「かっこいい」「統制がとれて美しかった」。また、従来は父親の職場を訪問するケースが多かった総合学習だが、近日では自衛隊初体験も通例となりつつある。この日のグループ12名も自衛官との出会いはこれが初めて。仲間に肩を小突かれ照れながらも、「将来は自衛隊に入りたい」と希望する生徒もいた。(入船浩之)

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