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   2003年3月1日号
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東チモールは、いま… 現地リポート
 初めて開催された運動会で地元の200人の子供たちと派遣隊員が一緒になって競技を楽しんだ。また、日本の歌を演奏したり様々なアトラクションで親睦を深めた(2月15日、ディリで)
PKO任務合い間に初の運動会
東チモール派遣施設郡
国の将来担う子供たちと親睦深める
 陸自第2次東チモール派遣施設群(群長・大坪義彦1佐以下680名、東北方主力)は昨年9月から約半年間にわたって、熱帯の暑さや社会状況など、日本とは異なる過酷な環境の中で、PKO活動に従事している。その模様を、楽しい話題も取り入れながら塩田愛子記者が現地リポートした。
隊員手作りのメダル獲得目指して猛ダッシュ
 第2次東チモール派遣施設群は2月15日、地元の子供達をディリ宿営地近くの運動場に集めて運動会を開催した。
 当日は、快晴の下、早朝からぞくぞくと子供達が集合。運動場に「おはよう」、「こんにちは」と隊員との明るい挨拶の声が飛びかった。
 8時半、現地語の開会スピーチとともに集まった約200人の子供達と隊員の大運動会がスタートした。ディリでの運動会はこの日がはじめてで、最初に、第1中隊の隊員が身振り手振りで競技方法を説明。子供達はルールに多少戸惑いながらも一生懸命競技に挑戦し、そのエネルギッシュな動きと明るい笑い声に隊員達も一緒になって競技を楽しんだ。
 また、1等の子供に隊員お手製のメダルや準備されたお菓子が手渡されるとますます競争意識をかき立てられ、物怖じしていた子供も積極的に競技に参加。後半になると、数十人が一丸となってボール渡し競技や綱引きで、チームワークを競い合っていた。
 会場となった運動場では第2次隊で唯一、音楽科職種の佐々木3曹が、この日のためにアレンジした日本の曲や東チモールの歌をBGMで流すと、子供たちに大好評だった。また、ペットボトルのヘリコプターや色とりどりの花を作る工作コーナー、体験搭乗など日本の子供にも人気のアトラクションが半日にわたって催された。
 美しい海沿いで過ごした時間が、東チモールの子供達と隊員とのお互いに忘れられない思い出になればいいと思う。
民生支援で施設器材教育
21歳から47歳まで16人が受講
認定証受領後、後継者育成へ
月曜日から土曜目の午前中に英語の通訳を介して行われる重器材の操作教育
 ディリ宿営地では、UNMISET司令部から施設群に任務として与えられている民生支援として施設器材操作教育が毎日、月曜日から土曜日の午前中に行われている。現在の受講者は16人で、うちわけは東チモール政府の公共事業省に雇用されたスーパーバイザー7人とバウカウ地方の現地民9人。年齢は21歳から47歳までと幅広い。
 教育は英語の通訳を介して行われ、更に受講者で英語の解らない者には受講者同士で現地語に通訳している。
 受講者の一人、ディリから来ているデビ・デソーさん(29)は教育について「各種の重器材の操作教育を受けるのは初めての経験です。最初は言葉の壁があり苦労もしたけど、今はコミュニケーションもとれて内容はわかりやすい」と話しておりとても満足しているとのこと。
 彼らは2月21日に教育を終了。東チモール政府、大坪群長から認定証が手渡され、後継者の育成等を務めることになる。(塩田愛子)

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