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   2003年3月1日号
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危機管理体制一層強化へ
退職自衛官の知能・能力を活用
地方公共団体と初の懇談会開く
 近年、防災・危機管理体制は、阪神淡路大震災等の自然災害や米国同時多発テロ、工作船事案等による人為的災害など、様々な分野においてその対策を強化していく必要性が生じている。中央防災会議での防災体制の強化についての検討にもみられるように、災害発生時における地方公共団体の役割はますます重要になってきている。防衛庁・陸上自衛隊では、国家の防衛は当然のこと、大規模災害などの各種事態への対応についても積極的に取り組もうとしている。その一環として「いかに国・地方公共団体の行政の防災・危機管理体制の強化に貢献していくか」をテーマに、初めて「地方公共団体等との連携懇談会」を実施した。

 陸幕人事部長主催による「地方公共団体等との連携懇談会」が2月12日、防衛庁A棟講堂で開かれた。地方公共団体等に勤務する自衛隊OBと、関東の地方自治体防災所掌課長等との懇談会を防衛庁で開催するのは初めてのことで、東京都防災担当参与として地方行政に携わる志方俊之氏(元北方総監、現帝京大学法学部教授)が基調講演を行った。
 出席者は、陸幕から人事部長、人事計画課長、援護業務課長、運用課長等、各方面隊から16個地連部長等と各方面総監部援護業務課長、内局から人事2課長と援護企画室長、また、地方公共団体等から全国の防災等関係組織に勤務する自衛隊OB17名のうちの13名と、関東地区内地方公共団体の防災所掌課長等9名の合わせて約70名。
 午前9時半、主催者の廣瀬清一陸幕人事部長が挨拶に立ち「国民の生命・身体・財産を保護することは国・地方行政の最も基本的な責務で、今後ますます防災・危機管理体制の強化が望まれている」ことを強調しながら「国・地方公共団体の防災・危機管理体制の強化を側面から人的貢献するとの観点から退職自衛官の能力・知識等を活用してもらうよう働きかけている」現状を述べた。
 次いで、中川義章陸幕援護業務課長が連携懇談会の趣旨を説明したあと、東京都参与の志方氏が「地方公共団体における危機管理」をテーマに都における自らの体験を踏まえながらスライドを使って危機管理の問題点などを鋭く指摘した。
 自衛隊OBによる発表では▽塩屋十三(千歳市)▽山本保臣(岐阜県)▽薄井學(岩手県)▽増田克巳(宮崎県)▽佐藤喜久二(神奈川県)の5氏が順次体験談などを述べ、出席者と活発に意見交換した。
 引き続き、陸幕各担当者が「防災・危機管理技能訓練」「陸上自衛隊防災施策」を説明したあと、廣瀬部長が総括し連携懇談会を終了した。
 陸幕援護業務課では、今回の懇談会を通じて「国家防衛を任務とし、30有余年に及ぶ自衛官としての勤務経験の中で培った知識・能力は、退職後においても地域住民のために還元すべきもので今後とも地方公共団体等に積極的に人的貢献していきたい」と語っている。

教官採用のお知らせ
 陸上自衛隊では、次のとおり防衛庁教官の採用試験『U種試験(大学卒業程度)相当』を行います。
 <採用予定先、試験区分及び採用予定数> 陸上自衛隊少年工科学校(神奈川県横須賀市)▽情報2名▽音楽1名▽美術1名
 <応募資格> 昭和48年4月2日から昭和56年4月1日までに生まれた者で、高等学校教諭一種免許以上(情報、音楽または美術)を有する者又は平成15年3月までに取得見込みの者
 <受付期間> 1月24日(金)から3月10日(月)まで
 <試験日> ▽第1次試験 3月23日(日) ▽第2次試験 4月14日(月)
 <試験場所> 神奈川県横須賀市
 <合格発表> ▽第1次試験合格者 4月4日(金)▽最終合格 5月上旬
 <その他> 受験案内は、〒162-0845東京都新宿区市谷本村町5番1号「防衛庁陸上幕僚監部人事部補任課職員人事管理室」TEL03-3268-3111(内線40282〜40284)まで、160円切手を貼ったあて先明記の返信用封筒(角形2号・長さ33.2cm×幅24cm)を同封して請求してください。

空中消火用バケットの管理・運用
長野県と協定締結 第12旅団
 第12旅団は2月6日、長野県庁内にある県災害対策本部で長野県と『空中消火用大型バケットの管理・運用等についての協定』を締結した。
 長野県は平成13年から14年にかけ発生した3度の大規模山林火災に対し、自衛隊に空中消火の災害派遣を要請したことを教訓に今年1月、空中消火用バケット2基を購入したもので、群馬県が保有するバケットと同型(カナダ製・1基約700万円)。締結式で田中康夫・長野県知事は「自衛隊には火災をはじめとした災害に人の体温をもって、県民のためにつくして頂いていることに感謝します。消火バケットを提供させていただくことで、長野県のみならず隣県の災害でも迅速に対応できるようになれば」とあいさつした。
 昨年4月に、相馬原飛行場の格納庫地区に群馬県がバケット保管倉庫を建設し、旅団が群馬県のバケット2基を管理・運用していたが、今回の協定締結で、長野県のバケットも同様の管理・運用を行う。
 旅団は改編後、5回の林野火災の災害派遣要請を受け、大型バケットを使用して空中消火活動を行い、絶大な効果を発揮していた。これからは大型ヘリコプター(CH-47)で最大4基のバケット運用が可能となり、空中消火活動が飛躍的に向上する

創部50周年の節目祝う
OB、現役チームが対抗試合も
―― 防大ラグビー部 ――
 防衛大学校ラグビー部は今年50周年を迎え、同OB会(武村正一会長・防大3期)が2月8日、防大グラウンドで記念試合、同日夜には祝賀会を横須賀プリンスホテルで開き、北は北海道から南は鹿児島までのOB、現役学生等約200人が参加した。
 グラウンドでは、寒空の下、4年生対3年生以下、50歳以上OB対BOB(千葉県のラグビークラブ40歳以上)、50歳未満OB対1年生の3試合がそれぞれ行われた。
 久々に顔を合わせたOBメンバーは、即席のチームにもかかわらず、絶妙なコンビネーションで点を奪った。この日は先輩、後輩等の上下関係は一切関係なし。1期生から47期生まで共に汗を流した。=写真
 また、このOB戦には中谷・前防衛庁長官も約40分間フル出場。「昔に戻ったみたいでうれしい」と笑顔で話していた。
 記念祝賀会は、関東ラグビー・フットポール協会会長はじめ、神奈川県、横須賀市協会、関東大学ラグビー・フットポール連盟の幹部等来賓も多数出席し、盛大に行われた。武村会長は、挨拶の中で、この記念行事の意義を「これからの防衛大ラガーに、過去50年を省みて、その中から来るべき人生の荒波に立ち向かう勇気・智恵・決断力・実行力を体得する人生道場としてのよすがとなれば」と話し、その後の懇談では青春を共にした仲間同志で思い出話に花が咲き、楽しいひとときを過ごした。(塩田愛子)

 <訂正>前号弓(2月15日号)6面の全自レスリング大会の記事中、個人戦74kg級準優勝に輝いた熊谷光祐選手の所属は防医大でしたので訂正します。

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