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   2003年12月1日号
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日米防衛首脳会談 イラク復興支援など協議
慰霊碑献花も
 日米防衛首脳会談が11月15日、防衛庁内で開かれ、石破茂長官とラムズフェルド米国防長官がイラク復興支援や北朝鮮問題などについて協議した。
 午前11時前、ラムズフェルド長官が防衛庁A棟前広場に到着。石破長官とともに特別儀仗隊の栄誉礼を受け、巡閲した。引き続き、日米防衛首脳会談に臨み、イラク復興のための自衛隊派遣、米軍の再編成、北朝鮮情勢などについて両首脳が活発に意見交換した。共同会見のあと、ラムズフェルド長官は防衛庁メモリアルゾーンを訪れ、自衛隊殉職者慰霊碑に献花、殉職隊員の冥福を祈った。

<論陣>
作られた情報に惑わされるな
自衛隊員のイラク派遣
 「防衛ホーム新聞」である以上、いま、国民の注目を集めている"自衛隊のイラク復興支援"問題を避けて通る訳にはいかない。防衛庁は自衛官をイラク南部の街サマワ一帯に派遣。現地周辺に駐屯しているオランダ軍、イギリス軍幹部や情報筋から、くわしい現地情勢を調査した。そのごも防衛庁、陸上自衛隊などで、時々刻々と移るイラク情報を集め細かい分析を行っている。なにぶん人間の生命がかかっているだけに、分析も多角的である。はっきりいうと、積み重ねた正しい情報がないと"決断"ができないからである。
 石破防衛庁長官をはじめ同庁、自衛隊幹部は、いま、毎日が情報との真剣勝負である。確かに現地では姿の見えぬ敵との闘いが続いている。派遣されているのは、米軍13万3千人、英軍1万1千人、ポーランド軍2千300人、ウクライナ軍1千660人、スペイン軍1千300人、イタリア2千300人、オランダ軍1千100人、オーストラリア軍800人など37力国の軍隊がイラクを北部、中部、南部の三つに分けて管轄している。
 日本は国会での審議、派遣部隊(北方中心)の訓練、準備、予算措置などの関係や支援内容の決定(行動基準)も含めて「いつ派遣するか」は、正式に決めていないが、日米関係、国際貢献への協力など、これまでの基本的観念、約束からいって、そうそう延ばせるものではない−−というのが一般的な見方である。
 ために作られた情報にまどわされてもいけないし、無視してもならない例に、いま、日本をはじめ、世界に流れている"テロ予告情報"である。
 イラク国内、トルコ、中東地域で続発しているテロは、日を追うごとに残虐さが増している。相手が軍人だろうが、女子供であろうが、同じ宗教を信ずるものだろうが、もう、無差別である。特にトルコの都市イスタンブールでのユダヤ教会に対する連続テロなどでは善良な市民が悲しくも犠牲になった。
 なせトルコが?と思う人が多いかも知れない。それはトルコとイスラエル両国との関係がある。まず、1947年、イスラエルが建国したとき、まっ先にイスラエルを国家として承認したのがトルコであった。以来、トルコは米国と盟友関係国であるイスラエルと一応の友好を保ってきた。そして、さきの湾岸戦争およびこんどのイラク戦争では、米軍機、英軍機のトルコ上空飛行を許可した。サウジアラビアもそうである。イラク攻撃に協力する国は、すべて"敵"であるとの考え方の具現化が、こんどのトルコ自爆テロなのである。坊主憎けりゃケサまで憎い。イラクのゲリラ、テロは、単独の戦闘行為だけではなく、これまでも世界各地で残虐なテロ行為を実行してきた国際的テロ組織、イスラム原理主義集団である「アルカイダ」と手を結んでいることがはっきりしている。
 ロンドンで発行されているアラブ系紙「アルクドス・アルアラビア」には、「アブハフス・アルマスリ旅団」と称するテロ組織から電子メールが送られてきている。その内容は「トルコ・サウジアラビアでのテロは、わが組織の犯行である」と明記され、さらにこれからの標的として「犯罪人ブッシュとその従者、特に、英国、イタリア、オーストラリアそして日本に告ぐ」と名指しした。
 あえて日本の国名を出したのはなぜか。実行はできないことを知りながら、世界の国ぐにを混乱させるための「心理戦」とみていい。アルカイダやイスラム原理主義集団は、これまで、犯行が終ってから"犯行声明"を出すのがほとんどで、「犯行予告」を出すことはまずなかった。特に地理的に見ても、中東から距離が遠く、四面海に囲まれた空母的な日本は、大型兵器などを空輸することはまずできないのが実情である。そうなると、こんど予告声明を出したのは、実行部隊ではなく、相手国(日本など)に不安を抱かせようとする「情報作戦グループ」ではあるまいか。
 「派遣命令が発せられたら行きます」自衛官たちは、はっきりと、こう答える。その裏には「情報と決断を絶対信じているから」という信頼があるからだろう。ただひとつ「決断に当って、"流言"にまどわされてはならない」ことである。

防衛基盤の育成、就職援護等
陸海空各幕長が感謝状贈る
 自衛隊記念日行事の一環として、防衛基盤の育成や就職援護などに貢献した功労者・団体に陸海空各幕僚長が感謝状を贈呈した。
 先崎一陸幕長は11月21日、明治記念館で42個人・26団体に、古庄幸一海幕長は同4日、グランドヒル市ヶ谷で10個人・7団体に、津曲義光空幕長は同17日、防衛庁A棟講堂で13個人・8団体に、それぞれ感謝状を贈り、これまでの労をねぎらうとともに一層の支援協力を要望した。

「統友会」総会開く
講演会や懇親会も
 統合幕僚学校の職員、元職員や在校生、卒業生の親睦と切磋琢磨を図ることを目的として結成された「統友会(竹田五郎会長)」は11月11日、グランドヒル市ヶ谷で、総会として「講演会」と「懇親会」を開催した。
 懇親会は午後7時に開始した。これに先立ち東京大学教授の藤岡信勝氏による「歴史を通してみた日本の自立の課題」と題する講演会を行った。講演会には、統友会員等、約200名が参集し、この中には遠くは富山から駆けつけた会員もおり、会場内はほぼ満席となり、ロビーに設けられたモニター席で観覧する会員も見受けられるほどだった。講演に引き続き行われた質問の際、講演に感銘を受けた参加者から講師の考え方に共鳴する意見が相次ぎ、講演会は予定時間を大幅に超過するほど白熱したものとなった。
 また、懇親会は、講演会の藤岡講師及び石川統合幕僚会議議長を来賓として招き、会員約170名が参加して行われた。冒頭、会長の竹田五郎氏(一般課程3期)の挨拶、会長の交代により当日付で新会長となった岡田毅氏(一般課程14期)の挨拶に引き続き、統合幕僚会議議長の祝辞が行われた。
 この後、第18代統合幕僚学校長・近藤博隆氏の発声による乾杯が行われ、引き続き歓談に移った。会場内は会員同士の談笑であふれ、終始、和やかな雰囲気で会員相互の親睦が深められた。一方、統合運用の在り方に関する検討の最中であるということも影響してか、統合運用の在り方に関する論議も会場の随所で聞かれ、会場内は、和やかな中にも熱気が充満したものとなった。
 最後の乾杯は、現在、統合幕僚学校に入校中の第43期一般課程の学生長大塚1海佐の発声で行われ、全員、名残惜しげに杯をあげ、総会は終了した。

即応予備自雇用企業主22社24名参加
東京地連で連絡協議会
 東京地連(部長・用田和仁陸将補)は10月29日、グランドヒル市ヶ谷で、即応予備自衛官雇用企業連絡協議会を実施した。
 この協議会は、即応予備自衛官雇用企業関係者22社24名と訓練担任部隊等が出席し、平成15年度上半期の訓練実施状況を確認するとともに意見交換等を行った。
 企業関係者から、「訓練日程をもっと多く設定してもらいたい」などの要望とともに、厳しい雇用情勢の中、できる限り協力していきたいとの意見があり、協議会は有意義に終了した。

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