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   2003年4月1日号
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スポーツよもやま話 根岸直樹
夢は、でっかく
160キロで20勝
 「お元気ですか」と逆に声を掛けられてしまった。西武・松坂大輔投手(23)、またひと回り体が大きくなった。丸々とふくよかだったほおのあたりがビシッと引き締まり、精悍(かん)さを感じる。オヤッと思ったほどだ。
 15勝して15敗した01年、右ヒジ、右足の故障で足踏み(6勝2敗)してしまった02年が、まるでウソのようだ。担当女子アナとの問題、深夜の駐車違反、そして謹慎。いまは昔、どこかのだれかの話でもあるかのように、二十三歳の若者ははつらつとしている。
 「ことしはやらなきゃいかんです。雪辱戦? ハイ。やらなきゃ、松坂ってこれまでの投手か、ということになってしまいますからね」。ハワイV旅行を返上して昨秋から続けてきた強化トレの成果が、体中からにじみ出ている感じだ。
 キャンプ、オープン戦も順調にこなしてきた。「腕が振れている。内角に沈む球もいいね。20勝? 故障さえなければ、ね」。"兄やん"松沼兄コーチも、松坂の話になると自然に口元がほころびてくる。
 松坂のプロ生活のスタートは、順調すぎるほど順調だった。新人王、三年連続最多勝、ベスト9、ゴールデングラブ投手、二年連続最多奪三振投手、そして沢村賞。しっかりと足元を見つめ一歩、一歩前進してきた。
 「最低の出来」だった昨季は「ほんのちょっとした油断」(伊原監督)だったのだろう。しかし、二十三歳の若者は、この心のゆるみを見事に断ち切ったようだ。「ボクですか?見てのとおり、元気いっぱいです。やりますよ、ことしは」。はずむ言葉に、五年目の大活躍を感じずにはいられない。
 西武は昨季、ほとんど松坂抜きでリーグVを勝ち取ったが、日本シリーズでは宿敵・巨人に手も足も出ず完敗だった。そのことも、松坂に「やる気」をうながす一因となっている。「この手で伊原監督に日本一の胴上げをプレゼントしたい」のだ。
 米大リーグの事情に詳しいメジャーリーグアナリストの牛込さんは「自己管理さえできれば、いま一番期待できる日本人投手」と見ている。「メジャー行きは考えていない」松坂だが、長嶋監督率いる04年アテネ五輪日本代表は「頭に入れている」という。
 「夢」は日本最速の160キロ。ギネスに載る「最速男」は1974年に100.9マイル(162.38キロ)を出したノーラン・ライアン(エンジェルス)だ。97年にロブ・ネン(マーリンズ)が102マイル(164キロ)をマークしているが、これを書き換えられるかどうか。
 ちなみに、日本最速は伊良部(阪神)が93年5月の西武戦で清原(現巨人)を相手に投げた158キロ。松坂の今季「160キロで20勝」を目指すピッチングが楽しみになってきた。

雪月花
 防大の卒業式へ数年ぶりに取材に行った(関連記事9面)。迎賓館を思わせる新装なった
本館の威風には少なからずたじろいだ。恒例の帽子投げのあとの観閲行進には、もう陸海空の曹長として任命された新卒業生が整列していた。後輩の行進を見守る横顔にもどことなくおとなの自衛官がうかがえる。だが、午餐会で父兄と一緒になった時には当然のことながら子どもにもどっていた。支給されたばかりでゴワゴワの制服もまだなじまない。汚れもない。曹長の階級章もまばゆく光っていた。制帽をお母さんやおじいさんにかぶらせてワイワイ喜んで記念写真を撮るシーンは今も昔も変わらない。春は別れと出会いのシーズンといわれるが、ここ防大には別れのシーンは少ない。それだけに女子学生数人が図書館の陰で手をとり合いながら泣いていたのには逆にホットした。47期生は防大五十周年の節目の卒業だとのこと、今回マスコミが溢れんばかりにつめかけたのは勿論このせいもあるが、数年前には想像もできなかった世界情勢であり、小泉総理や石破長官の発言に注目していたのだ。総理はやはりイラク戦争のことや日米同盟の重要さを強調していた。これからますます防大卒業生への責任の比重が重くなっていくことは間違いない。(所谷)

HOME's English Class(防衛ホーム英語教室)
I'M NOTHING(アイム ナッシング)
とるに足らない人間だよ
 Hi!皆さん。お元気ですか。桜前線も北上していますが、皆さんの所はどうでしょうか
。お花見、卒業旅行、転勤、入学、春を告げる言葉に今年は、紛争が加わりました。早期の終結が望まれますね。
 世の中、高飛車な人がマスコミに登場し、過激な発言をくり返していますが、ふと米海兵隊の将軍にお話を伺った時に言われた言葉を思い出しました。今回の表現は“I'm nothing"「(私は)とるに足らない人間だよ」です。Nothingは、「とるに足らない、つまらない、ささいなこと、とるに足らないひと、つまらない人」という意味があります。将軍は、海兵隊の若い将校に対して、いつもこのフレーズを言うそうです。
 勇んで報告にくる参謀に対して、落ち着かせるためにこの言葉を言うんだそうです。それでも気がつかない場合は、IをYouにかえて、きっちりと説教するそうです。真実を見据える将軍の生き方、潔癖さをよく表している言葉です。ゴリゴリと積極的な生活をしているなと感じる時に、一人でそっと呟いて反省してみるのも、いいのかも知れません。特に、自分一人だけでは生きていけないこの社会で、調和と協調をとりながら、謙虚に自分の居場所を探していく地道な努力が必要なんでしょうね。
 まだまだ寒さへの油断はできません。どうかご自愛下さい。
 それでは皆さん。See ya!
 <陸幕防衛部=在沖縄米海兵隊キャンプ・コートニー スワタケル>

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